価格相応の中身と、価格以上の使い心地:透明イヤホン「Nothing ear (1)」レビュー

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Photo: ヤマダユウス型

こんなルックスだけど、普通の子でした。

8月にフォトレビューをお届けした、鳴り物入りのワイヤレスイヤホン「Nothing ear (1)」。数週間ガッツリ使ってきたので、改めてレビューをお届けします。変わったイヤホンだろうな~と身構えてたんですけど、使ってみると案外素直なイヤホンでした。

この記事では音質と使い心地にスポットを当てているので、デザインについてはフォトレビューの記事をチェックしていただければこれ幸い。デザインありきの使い心地な部分もありましたので。

愛すべきフィット感


「Nothing ear (1)」の国内価格は1万2650円。だのにアクティブノイズキャンセリングや、外音取り込みモードを搭載しており、コスパが良いイヤホンとして評価が定まってきました。実際その通りで、1万ちょいでノイキャンはお得。デザインも相まって、ジェネリックAirPods Pro的に捉えたくなりますね(値段は半額以下!)。

AirPods Proと大きく違うのは、フィット感。「Nothing ear (1)」のフィット感は、かなり良いです。僕自身も、「Nothing ear (1)」を試した編集部のほぼすべての人も、装着してすぐに「着けやすいね!」と言っちゃうほど、万人受けする装着感でした。2時間くらい着けっぱにしても窮屈さは感じませんでしたね。
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要因として、ハウジング部分が楕円形であることが関係してるのではないかと。装着する際に楕円形の上部分がちょうど耳の奥にグイっと入ってくれるんです。これが非常に安定する。軽さも重心バランスも良く、普通のイヤホンなら何度かグリグリと押し込んで位置調整するところ、「Nothing ear (1)」は最初にスっと入れた位置でほぼ安定してくれます。無論、耳の形は千差万別ですが、比較的多くの人にハマる絶妙なフィット感を実現できていると思いますよ。

「Nothing ear (1)」は、いわゆるうどん部分をタッチして操作します。このうどん部分ですが、AirPods Proが円柱形なのに対し「Nothing ear (1)」は角丸の直方体になっていて、何かと操作しやすいです。ケースから取り出す時なども丸いうどんよりも圧倒的に持ちやすく、落下しにくい。ここはデザインの勝利!
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収納性については、一長一短アリ。ケースから取り出すときは良いんですけど、しまう時はイヤホンを充電の接点にあてなきゃいけないのがちょっち面倒です。AirPods ProやWF-1000XM4などはイヤホンを穴にシュっと入れるタイプなので、迷うことなく収納できる。一方の「Nothing ear (1)」は寝かせてしまうかたちゆえ、雑にしまうと収納できないときがありました。これはデザインが裏目に出たかな。

自宅や電車、散歩、喫茶店など、色んな場所に持ち出してみましたが、使い心地は総じて良好でした。なんせケースからサッと出して着けやすいので、気軽な気持ちで装着できますね。ラグジュアリーなデザインだから特別っぽく捉えてしまいそうになるけど、「大金持ちを鼻にかけてるのかと思ってたら実は庶民派だった」みたいなギャップがありました。

可もなく不可もない音質とノイキャン


さぁ、音質です。まぁまぁです。楽曲によっては高音がキンと来ることがあります。11.6mm径の大口径ドライバーが持ち味ですが、低音が特別に美味しいってこともありません。EQでベース特化にすると気持ちよくブイブイ鳴るけど、元からブイブイしてる曲ではブイブイしすぎてしんどい。
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悪い音質ではないものの、AirPods Proのサウンドを基準とするなら、それよりもピーキーな印象でした。とはいえ価格を思えばさもありなんというところなので、前評判や比較対象とされるAirPods Proなどの存在がハードルを上げちゃったのかなぁと。1万ちょい台のイヤホンとしては過不足ないと思います。普通ってヤツですな。
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ちなみに、アプリにはイヤホンから音を出してイヤホンを探す的な機能があります。イヤホンとBluetoothで繋がった状態でしか使えないので、使えても屋内でしょう。音はモスキート音のようなサイン波で、10メートルくらい離れても聞こえました。

ノイキャンについても過不足なく使えます。が、比較対象にされがちなAirPods Proと比べると今一歩、いや二歩くらい差がある。電車やバスの低音ノイズは消せるけど、静寂と言えるほどではない。遮音性がそこまで高くないってのもありますね。AirPods Proの静寂が10だとしたら、7くらい。ノイキャン自体も、よーく聞くとやや詰まり感があります。音楽を流せばほとんどわかりません。

あと、スマホゲームをプレイすると遅延がすごい。0.5秒くらいあります。色んなワイヤレスイヤホンを試してきましたが、その中でもトップクラスの遅延かもしれない…。YouTubeやプレイムビデオなどの映像コンテンツでは音ズレはしなかったので、コンテンツ視聴をする分には問題ありません。
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こうした中身の面を振り返ると、なんだかんだ値段相応だねって感想です。ノイキャンや遅延については近い価格でさらに優れたイヤホンもあるので、デザインやフィット感で「Nothing ear (1)」と比較検討できる部分だと思います。1万ちょいのノイキャンだと、Jabra Elite 75t、Soundcore Liberty Air 2 Pro、radius HP-T200BTあたりが候補ですかね。

壊れないかが気になりました


これも見た目通りの懸念ですが、個性でもある透明ケースへの傷痕が気になりました。バッグから出し入れしたりデスクに置いたりするうち、少なからず傷は付いていきます。素材はアクリルだと思うので簡単に傷つくものでもありませんが、傷が増えて白っぽくなってしまうと気になってくるかも。逆に、そうした傷をビンテージや一点モノの経年劣化のように捉えられればメリットになる要素。
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もっとも気になったのは、落下時の破損です。ケースごと落下させた場合、ケースが割れたりヒンジ部分が壊れたり、落下の衝撃でイヤホンが飛び出したりしそう。一般的なワイヤレスイヤホンでこうした不安を抱いたことは無いので、これもまたデザインゆえの問題。特にヒンジ部分は貧弱そうで、ケースを開いた状態で無理な力をかけるとパキっといくと思います。開いた状態で落とそうものなら…!

車から降りる際にポケットからポロリ、そのままコンクリートにガシャン。Oh、悲劇。どのワイヤレスイヤホンも落下には最新の注意を払うべきですが、「Nothing ear (1)」は特に気をつけてあげたいですね。傷が増えてくればいっそステッカーを貼ったりして、チープ感を楽しむのも一興かも。

持っていてなんだかワクワクできるイヤホン


コスパと聞くとあらゆる機能や要素をデチューンして価格に還元するってイメージがありますが、「Nothing ear (1)」はデザインを損なうことなくコスパと使いやすさを実現したイヤホンでした。デザインの面でもパーツや接合部などに簡素化が見て取れますが、そこをアイディアでダサく見せてないのが巧いですね。見た目から好きになれるイヤホンです。

「イヤホンにデザインは求めてないんだよなぁ」という人には、物足りないと思います。ノイキャンと音質に注目した場合、ライバルが多いためです。でも、フィット感には光るものを感じました。音質よりも使いやすさ派にとっては魅力的な選択肢になると思いますが、使いやすいからといって雑に扱うと破損の可能性があるのでそこだけ注意。ソファに投げるとか、止めようね!
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まぁ、なんのかんの言っても目を引く存在なのは事実。そこは値段や性能に代えがたい要素だと思うので、そこの一点突破で買っても満足できると思います。テンションを上げてくれるガジェットは、いつだってプライスレス。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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