月5.2万円で住める限界値は? 貯金ゼロ、平均年収だった場合の老後とは

日刊SPA!

 厚労省の調査によると、世帯主が50代の場合、貯蓄額は平均1049万円ほど。ただ、一方で貯蓄ゼロ世帯は14.8%もあり、実に6世帯に1世帯が「貯金ゼロ」というのが現実だ。そんな彼らを待つ老後とは、いかなるものなのか。平均収入だった年金生活者の限界値に迫る。今回は住居編、どんなところに住めるのか?

年金だけで暮らす夫婦の家計簿をファイナンシャルプランナーの大西真人氏が作成。平均年収436万円を想定、厚生年金ありの場合、月の手取り収入は15.5万円。そのうち住居費にできる限界は5.2万円となった。

◆月5.2万円で住める限界値は?

お金がないとはいえ、老後は家で過ごす時間が多くなることを考えると、住居にはできるだけこだわりたい。

しかし、賃貸で暮らすことを想定した場合、用意できる予算は5万2000円。不動産ジャーナリストの榊淳司氏に、夫婦で暮らすために必要な最低限の条件について聞いてみた。

「夫婦とはいえ、互いのプライベートが守られていないと生活していくことは厳しいので、2部屋以上は欲しいですね。また、人間が快適に暮らすためには、ひとりあたり20㎡以上の広さを確保する必要があると言われています。これらの条件を踏まえると、夫婦ふたりで暮らすには、少なくとも2K以上の間取りで、かつ40㎡以上の広さの物件という条件になります」

◆23区内に住むのは不可能

また、新耐震基準が採用された’81年以降に建てられた築年数40年以内の物件であること、老後はあまり出歩かなくなるとはいえ、外出時のことを考えるとせめて駅徒歩20分以内のエリアには住みたい。

これらの条件で、5万2000円の予算だと、どの程度のグレードの物件に住めるのか。榊氏の助言をもとに、貯金ゼロ円で老後に住めるエリアを編集部で調べた結果、東京23区内は全滅。郊外への引っ越しを余儀なくされることがわかった。

◆老後の狙い目は地方都市

「ずっと23区内に住まわれてきた方の場合、突然環境を変えて郊外に移ることはストレスになるかもしれませんが、老後破産を避けるためにも致し方ない選択です。

また、老後になると医療機関がどれだけ充実しているかも家探しの上で重要なポイント。訪問介護の受けやすさなども視野に入れたほうがいいですね。

そうなると、東京にこだわって、西側の田舎に住むよりも財政が豊かな地方都市に引っ越したほうが賢明だと言えるでしょう。藤沢や小田原は医療機関も充実しており、住みやすく、比較的交通の便もいいのでおすすめです」

◆関東近郊まで視野を広げれば…

無理やり東京に住もうとすると、西立川や豊田以遠のエリアしか物件がないが、関東近郊まで視野を広げれば、まだまだ住めるエリアは存在する。

ただし、埼玉方面を視野に入れたとしても浦和や大宮には住めず、神奈川方面だとターミナル駅の大船も対象範囲外。また、千葉方面は東船橋駅以遠に居を構えることはできるが、隣接する船橋には住めない。

「また、ここで挙げたエリア内に5万2000円以下で住むとなると、水回りが昔の型であったり、独立洗面台がないなど、絶妙なラインで不便を強いられる可能性もあります」

◆マンションを購入できる裏技も

ただし、関東近郊での暮らしを諦めるなら年金暮らしでもマンションを購入できる裏技も存在すると榊氏は続ける。

「バブル期に乱立したリゾートマンションが格安で売りに出されており、安いものでは10万円から購入することも可能。管理費も高くありません。

中でもおすすめは越後湯沢の物件。近くのスーパーまでの送迎がある場所も多く、温泉もついてきます。孫には気軽に会えなくなるかもしれませんが、夫婦で静かに老後を暮らすなら十分ありですね」

◆老後の住居問題

誰もが頭を悩ませる老後の住居問題。そこが終のすみかになる可能性もあるため、本来なら気に入った場所に暮らしたい。

だが、貯金ゼロ円老後となると、妥協しなければならない点も多いようだ。

【不動産ジャーナリスト 榊 淳司氏】

首都圏を中心にマンション市場に精通。一般ユーザー向けに住宅購入セミナーも開催。著書に『やってはいけないマンション選び』(青春出版社)など

【大西真人氏】

ファイナンシャルプランナー。南青山にてFP会社を経営。数々のメディア出演の他、YouTubeチャンネル「まさとFP」やVoicyを通してお金に関する情報を日々発信している

<取材・文/タカダショウゴ>

―[[貯金ゼロ円]の老後]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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