アニメ好き垂涎!?『世界の秀作アニメーション』たち

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※画像は『世界の秀作アニメーション 2021秋編』公式サイトのキャプチャ

 

2021年8月31日から9月17日にかけて、東京都写真美術館ホールにて近年の世界の秀作アニメーション映画を中心に15作品以上を集めた『世界の秀作アニメーション 2021秋編』が開催中です。

このイベントでは、近年ヒットした中国のアニメーション映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』をはじめ、昨年80周年を迎えたディズニーの往年の名作『ファンタジア』に至るまで、様々な国のアニメーションが一堂に集う夢のような企画となっています。

海外アニメーションといえば、アメリカ大手会社の作品ばかりが名前に上がりがちですが、ここ数年、それ以外の国からも多くのアニメーション映画が日本に上陸するようになってきました。どんな映画がラインナップされているのか改めて紹介します。

 

 

特に要注目!アジア作品

今特に熱いのは、やはりアジアのアニメーション映画。2019年に製作され、2020年に吹替版が日本で公開されヒットした『羅小黒戦記』は、その代表的な作品といえるでしょう。ストーリーはもちろん、アクションや細かな演出に至るまで、日本人にはどこか懐かしくもありながら、舞台は中国であるなど新鮮な印象を抱く傑作です。

 

そんな『羅小黒戦記』の配給を務めたチームジョイさんが、今年立て続けに日本上陸させてくれたその他の中国アニメーション作品も、今回のイベントで改めて上映されます。2021年2月に緊急公開されたシリアスなアクション3DCGアニメーション映画『ナタ転生』

 

そして7月に全国公開され、Snow Manの佐久間大介さんが主人公の吹替を務めたことでも話題になった『白蛇:縁起』なども上映されます。こちらの2作品は、中国で数多くの3DCG作品を制作しているアニメーション制作会社・追光動画の近年のヒットタイトルです。

 

さらに台湾からは、2019年に日本公開された『幸福路のチー』もラインナップに含まれています。本作は、アメリカでの生活をしていた主人公チーが祖母の死をきっかけに里帰りし、近代の台湾史と共に歩んできた自身の反省を振り返るというヒューマンドラマです。東京アニメーションアワードフェスティバルではグランプリを獲得するなど、高い評価を得た作品です。

 

日本にも負けない多様さを見せる欧州作品

日本に負けず劣らずアニメーション制作の歴史の厚みも多様さも充実しているのが、ヨーロッパの作品たち。ジャンルこそバラバラでありながら、いずれもおしゃれで綺麗な作品が製作されています。

2015年に製作され、実に4年越しで日本上陸を果たしたのが、フランスとデンマーク、そしてベルギー合作による『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』です。航海に出たきり行方不明となった祖父の船を探しに、少女が北極を目指す冒険譚。Flashアニメーションという手法を使った2Dのアニメーション映画なのですが、美術が実に美しく氷や雪の様々な表情が観られる作品です。

 

フランスの『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』は、親に腕を落とされる少女の物語「手なしむすめ」を、筆跡のあとが残るようなラフな美術で描いたアニメーション映画。さらっと描かれたタッチの絵の不思議さは、ショッキングな内容を受け取りやすくするうえに、新鮮な体験を味わわせてくれます。

 

そして、同じくフランス、そしてベルギーとドイツ合作『ディリリとパリの時間旅行』。フランスアニメーション界のヒットメイカーとなっているミッシェル・オスロ監督の最新作で、ニューカレドニアからやってきたまだ幼い少女ディリリが誘拐事件に挑む冒険活劇です。遠景で描かれるシーンが多いのが特徴で、絵画を観ているようなこれまた綺麗な映画です。

 

さらにフランス・ルーマニア・ベルギーの合作で製作された『マロナの幻想的な物語り』。次々に人の手を渡っていく犬のマロナの視点でその生涯を追っていく作品。この作品のすごいところは、全く違うタッチのイラストが混在している点。体が異様な伸縮をする人物に、動物のような姿の人物、さらには3DCGで制作された人物など混沌(カオス)な絵面で、ホロリとさせる純粋な物語が展開されます。

 

イギリスとルクセンブルクからは2019年に日本公開された『エセルとアーネスト ふたりの物語』も選出されています。『スノーマン』で知られるイギリスの絵本作家であるレイモンド・ブリッグスさんの絵本を映画化した作品で、第二次世界大戦下の素朴な夫婦の姿を描き、学びも多い作品です。

 

そして2020年日本公開の『Away』。ぱっと見では2Dアニメーションに見えるのですが、3DCGで制作され、しかもそのほとんどをたった一人で手掛けたという作品です。飛行機事故で、ある島に降り立った青年とそこで出会った小鳥の冒険譚です。

 

本数の多さからもヨーロッパアニメの充実ぶりがわかりますが、見た目からしてひとつひとつが全く似ていないのが面白いところです。

 

 

その文化に歴史あり!ロシア作品

ロシアのアニメーションと聞いて、ピンと来る作品ってありますか?
『チェブラーシカ』などは名前が上がるタイトルかもしれませんが、制作されたアニメーションがなかなか日本に入ってこない国でもあります。
しかし、そんなロシアの作品にも注目作はあるもので、日本上陸を果たしている作品もあります。

2016年には『アニメーションの神様、その美しき世界』という往年の名作を特集上映する企画の第1弾が実施され、最初に取り上げられた監督が、ロシアのアニメーション監督であるユーリー・ノルシュテインさん。『霧の中のハリネズミ』『話の話』など、キャッチーなキャラクターとどこか儚げなストーリーが染みる60年代~70年代にかけての短編作品が集められました。

 

2019年にはそんなユーリー監督の作品を制作したソユーズムリトスタジオの15年の月日をかけて制作したストップモーションアニメ『ホフマニアダ ホフマンの物語』が日本で公開されています。制作の歳月がそのままズシリと作品に詰まったような映画で、ロシアのストップモーションアニメーションの“現在”を垣間見られる作品となっています。

 

今後新たな波がくる!?南米の作品

今後話題を集めそうなのが、南米のアニメーションです。近年、アニメーションの映画祭などでも続々と長編作品が出品されはじめています。

そんなムーブメントの先駆けともなったのが、2016年に日本で公開されたブラジルのアニメーション映画『父を探して』。セリフこそないながら、音楽や鮮やかな美術で描かれたある少年の冒険譚は、思わぬ形で現代へと繋がっていく物語となっています。

 

ディズニー以外にも注目!?北米作品

北米地域のアニメーションといえば、天下のディズニー作品が金字塔となっています。『世界の秀作アニメーション2021秋編』でも、1940年公開のクラシック作品『ファンタジア』が選出されています。本作は今回の企画以外でも、2021年には全国的にリバイバル上映されたりと再注目されている旬な作品となっています。

そんなディズニー以外にも注目してほしいのが、アメリカではなくカナダのアニメーション作品。アニメーションの映画祭などで注目を浴びているフェリックス・デュフール=ラペリエール監督の『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』が、2020年に日本公開を果たしました。本作は全編墨絵で描かれた大人な雰囲気のアニメーションとなっており、明暗を活かした演出に驚かされる作品となっています。

 

全国でも体験したい最新の海外アニメーション

今回のイベントは東京都写真美術館ホールでのみの開催となっているので、遠方の人にとっては少し足を運びにくいですが、そんな人にも注目してほしいのが、9月23日(木・祝)より劇場公開を予定している、デンマーク・フランス共作のアニメーション映画『カラミティ』です

『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエ監督の最新作で、実在した女性ガンマンであるカラミティ・ジェーンの少女時代を題材にした作品です。物語はもちろんのこと、大地の緑や雲が往く大空など、その背景美術の美しさにもウットリさせられる作品となっています。

 

大きな海外のアニメーションの祭典であるアヌシー国際アニメーション映画祭では、2020年に最高賞のクリスタル賞を受賞しており、お墨付きの作品ともなっているので、ぜひこの機会に劇場で体験してみることをお勧めします。

もちろん今回紹介した作品は、劇場公開だけでなくディスクリリースやデジタル配信されている作品も多数あります。外出が難しいという人もお家でアニメーションを楽しむ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

『世界の秀作アニメーション』公式サイト:riskit.jp/worldanimation

WRITER

  • ネジムラ89
  •        

  • 缶バッジ販売専門店「カンバーバッチ」のオーナー兼アニメ映画ライター。アニメ映画情報マガジン「読むと アニメ映画 知識が結構増えるラブレター」をnoteにて配信中。その他いろんなとこでアニメ映画話を執筆中。古今東西関係なくアニメ映画を中心とした有益な情報を多くの人に提供できるようにやっていきます。

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