さくら学院ラストライブ「10年間ありがとうございました」“父兄”との想い出胸に“閉校”

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成長期限定ユニット・さくら学院が、8月29日(日)東京・中野サンプラザホールにて「さくら学院 The Final ~夢に向かって~」を開催、10年続いた活動に終止符を打った。

2010年に開校したさくら学院は、小学5年生から中学3年生までの成長期限定ユニット。中学を卒業するとともにグループを卒業しなければならないという鉄の掟による別れと出会いを繰り返しながら、スーパーレディーを目指し、伝統と楽曲を受け継いできた。そして2020年9月、開校から丸10年を迎えた2021年8月31日をもって閉校することを発表した。



さくら学院最後の1年を担うことになったのは、野中ここな、白鳥沙南、田中美空、八木美樹、佐藤愛桜、戸高美湖、野崎結愛、木村咲愛、8人の2020年度さくら学院メンバー。コロナ禍での制限がある中、3度の配信ライブを経て、今年7月に1年5カ月ぶりの有観客ライブを開催した。この1年、きっと悔しい思いや寂しい思いをたくさんしてきただろう。それでも夢に向かってまっすぐ突き進んでいく彼女たちのパワフルな歌声と笑顔は、鬱屈とした日々の中のキラメキの雫であり、希望であった。そして迎えたこのファイナル公演。10年間支えてくれた父兄たち(ファンの総称)が見守る中、全身全霊の歌とパフォーマンスを披露し、10年間の集大成を見せた。

始業のチャイムの音が終わると、10年間さくら学院の担任を務めた森ハヤシ先生が登場。「それでは出席を取ります」という掛け声を合図に、スタートしたのは自己紹介ソング「目指せ!スーパーレディー -2020年度-」だ。泣いても笑ってもこれがラストステージ。どの曲も最後の披露となる。元気よくステージを駆け回るメンバーを眼前にしながら森先生が「泣いても笑っても最後の1回だぞ」と檄を飛ばす。メンバー1人1人の個性をチャーミングに紹介するこのナンバーでウォーミングアップした後、「父兄の皆さん、盛り上がっていきますよ!」と生徒会長の野中が一声煽り、さくら学院の校歌ともいえる『School Days』へ。「「Start!」や「Jump!」の掛け声もキレがよく、8人の生き生きとした歌声とともに、このステージにかける思いがまっすぐに伝わってきた。続いて披露したのは『ベリシュビッッ』。『オクラホマミキサー』のフレーズをエッセンスにしたキャッチーなナンバーで、2011年度より毎年披露されてきた。この曲を2020年度メンバーがパフォーマンスするのは今回が初のこと。フォークダンスをベースにしたステップも軽やかで、メンバーの笑顔も弾けた。

最初のMCでは自己紹介をした後、「今日はラストなのでみんなで思い出を語りましょう」と八木が提案。戸高は「アオハル白書」のMV撮影について、崖の上での初めてのドローン撮影で恐怖に打ち勝っていい作品が作れたこと、田中は“ちゃお サマーフェスティバル”に出演の際、ステージを掛け持ちして大変だったことを振り返った。

野崎の元気な「Hello!」の掛け声から始まった『Hello!IVY』ではピンクのフラッグが揺れ、軽快なアップチューン『Song for smiling』では曲中でクラップが響き、温かな一体感を生んだ。歌い終わったメンバーがステージを捌けると、ジャケット写真の映像とともにシングル曲を順番に繋いだBGMが流れた。さくら学院の楽曲は、どの曲もメロディが際立つ名曲ばかりだと改めて思う。やがてハート型の地球がスクリーンに浮かぶと、『ハートの地球』のイントロが流れ始めた。この曲も2020年度版初披露。ピンク色のポンポンを持ったメンバーがキュートな歌を披露しながら、チアリーディングさながらにハートや「SAKURA」の文字を形作る。

続いて登場したのは八木が引き継いだ購買部。メガホンを手にしたハッピ姿の八木がステージに登場するなり、「新入部員を募集しました!落語も購買部も出囃子が大事ということで、もう一回登場からやり直してもええですか?」と、セット裏に戻る。「ミュージックスタート!」と元気よく八木が登場SEを歌いながら再びステージに登場。音楽は流れんのかい!と突っ込む暇も与えず、満面の笑顔でその流れに加わったのは佐藤だ。「佐賀(佐藤の出身地)と大阪(八木の出身地)、ナイスコラボやなぁ」と、それぞれの方言でポーズを決めながらグッズ紹介を始める2人。「さくら学院購買部と掛けまして、フラッグを振る父兄さんと解きます。その心は、今日ここにいるみんながハッピーでしょう!」と謎かけで八木が締めると、「今日は最終決算大セールやけん、一曲披露してもよかと?」と佐藤。「あきんど☆魂 ~2020年度 最終決算大セール~」を2人で熱唱。関西弁の歌詞の語尾を佐藤が九州弁に変えて歌うという、今夜限りの特別バージョンで会場を盛り上げた。

さくら学院の卒業公演では中盤に1年間を振り返る映像「さくら学院のあゆみ」が流れるのが恒例だ。しかし、ラストステージの今夜は2020年度メンバー1年分の映像のみならず、歴代メンバーの転入したばかりの初々しい様子と卒業公演の模様が年代順に映し出された。10年間の思い出に浸る父兄たちも多かったことだろう。

その余韻が残るステージに、武藤彩未三吉彩花松井愛莉の初代卒業生が登場したのだから、会場の驚きと感動はひとしお。初代メンバーが在籍した2年間を映像とトークで振り返る。さくら学院初ステージのTOKYO IDOL FESTIVALの映像では、初々しい自分たちの姿を見て恥ずかしがる3人。映像の中で三吉が披露していた犬のものまねを再現するという貴重なシーンも。思わず「歳を取ったわ、私も」と三吉が呟くと、「うん、犬も成長してたよ」と武藤が返す。3人でユニットを組んだ3.a.mに話が至ると、振り付けをなかなか覚えられなかったという松井が「レッスン中の(2人の)目線がすごい怖かったんです」と訴える。こういった3人のやり取りや関係性が当時から何も変わっていないことが、懐かしくもあり嬉しかったりもする。その後、倉本美津留校長や森先生、在校生をステージに呼び込み、一緒にトークを楽しんだ。

ノイジーなSEからライブが再開すると、『FLY AWAY』『オトメゴコロ。』のクールなロックチューン2曲と、ファンタジックなポップチューン『Fairy tale』を続けて披露。その後のMCでは、野中は「初代卒業生の3名と一緒にトークをしたんですけど、やっぱりオーラが違いましたね」と興奮気味に語り、佐藤は憧れだった購買部としてステージに立てた喜びを語った。また、「たくさんの経験をして、成長したことは?」という白鳥の問いかけに、転入当時リズムが取れなかったという八木。リズム感をつけるために当時レッスンで習ったという『どんぐりころころ』を田中と一緒に歌いながら、手拍子とスキップをしてメンバーの周りを一周して見せたり、野崎と木村が身長が20センチ以上伸びたことを報告したりと、終始和やかな雰囲気で進んだ。

そして終盤戦のスタートを飾ったのは、『My Graduation Toss』。ステージセンターに立つ野中が、メンバーを呼び込むシーンですでに胸が熱くなる。この曲を歌う姿を見るのはこれが最初で最後かと思うと、一気に感傷的な思いがミルフィーユのように折り重なっていった。そんな思いに寄り添ってくれるような『未完成シルエット』、ピアノのイントロが切なく響く2020年度の新曲『The Days ~新たなる旅立ち~』と続く。「父兄の皆さん、大好きです」「必ずスーパーレディーになります!」など、間奏でメンバーが1人ずつメッセージを放ったシーンも印象的だった。そして「次で最後の曲です。今まで関わってくださったスタッフさん、職員室の先生方、そして父兄の皆さんにありがとうを届けたいです」(田中)と届けたのは、10周年記念ソングの『Thank you…』。観る人すべてに届くように、心を込めて「ありがとう」と熱唱するメンバー。エンディング、「10年間ありがとうございました」と一列に並んでおじぎをするメンバーに、惜しみない拍手が送られた。

ライブ本編が終わると、同じステージでさくら学院2020年度卒業証書授与式と閉校式が行われた。倉本校長より卒業証書を受け取った後、生徒代表として生徒会長の野中が挨拶を述べる。その中で「自分らしさ、今年度らしさがわからなくなり、メンバー8人で正解を見つけるために切磋琢磨して、多くの時間を一緒に過ごしてきました。今ではライブやイベントが終わった後、楽しかったねと言えるようになりました」と今年度を振り返り、「さくら学院はこの先もずっとずっと皆さんの記憶の中に残っていけたら嬉しいです。今までさくら学院を愛してくださり、本当にありがとうございました」と感謝の思いを語った。

そして10年間担任を務めた森先生は「卒業公演のたびに毎回こう思ってきました。今のさくら学院が最強のさくら学院だと、今日のライブを見て、今のさくら学院が最強のさくら学院だと胸を張って言えます」と在校生を讃えた後、「この10年間最高に幸せでした。脚本家としての私の最高の寄り道でした。いつかみなさんとその道がまた重なることを夢見て、今日で森先生を卒業したいと思います」と力強く締め括ると、会場からは大きな拍手が贈られた。最後に倉本校長が「君たちは偉大です。小さな体の中に燃える炎が、私たちには見えています。これから何者にだってなれるし、どこへでも行けます。想像できないところまでいって、父兄の皆さんや私たちに、見たことのない景色を見せてください」とエールを送った。

アンコールは、結成当初から大切に歌い継いできた『夢に向かって』。“輝け 夢に向かって まっすぐ”、そう歌う8人の眼差しの強いこと。そして、その歌声の強いこと。最後を締め括るメンバーがこの8人でよかったと心から思えた、珠玉のステージだった。新しい一歩を踏み出す餞に、さくら色の銀テープが華やかに会場を舞った。歌い終えたメンバーは一人ずつ心境を語った。抜粋ではあるが、彼女たちの誓いをここに記しておく。

木村「さくら学院は大変だったけど、たくさんいろんなことを学びました。本当は中3までいたかったけど、さくら学院で学んだことを胸に刻んで生かしていきたいです、一つの目標に向かって突き進んで、どんな壁も乗り越えられる素敵なスーパーレディーを目指していきます」

野崎「新型コロナウイルスの影響で、今まで当たり前だったことができなくなりましたが、当たり前のことが当たり前じゃなく、かけがえのないことなのだと知りました。今までたくさんの愛情とたくさんの応援をありがとうございました。私は自分の夢に向かって諦めずに頑張っていきたいと思います」

戸高「人として成長できたのはさくら学院があったからだと感謝しています。2020年をみんなと活動できて本当によかったです。私はこれから先、アーティストを目指して、どんな困難も乗り越えて夢に向かって頑張っていきます」

佐藤「ずっと憧れていたさくら学院に入れて、毎日夢のように楽しかったです。私には叶えたい夢があります。今ここにいる8人でまた一緒にお仕事することです。みんな夢をもって頑張ろうね。最高のパフォーマンスができたこと、このメンバーに出会えたことは私にとって宝物です」

八木「今こうやってキラキラとしたステージを作り上げることができて、メンバーや職員室の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。特に父兄さんからいただいたメッセージや手紙は一生の宝物です。これからも私らしく楽しい毎日を過ごしたいです。そして私の言葉で皆さんを笑顔にできたらいいなと思います」

田中「私は歌もダンスも人と話すことも苦手で、やめたいなと思ったこともあったけど、ここまでこられたのは父兄さんの笑顔のおかげです。卒業した後の夢はまだ定かではありません。これからその夢を見つけられたらいいなと思います。(生声で)さくら学院大好き!」

白鳥「約3年間の活動で一番学んだことは、壁を乗り越える楽しさです。いつもニコニコしているけど、いっぱい苦しいことや壁もありました。でもその壁は1人で乗り越えられたわけではありません。たくさんの人に応援してもらって乗り越えられました。将来はマルチタレントになりたいなと思っています。努力することを惜しまず、必ずこの道を叶えたいと思います」

野中「2020年度の生徒会長に選ばれて、プレッシャーを感じたり、私でいいのかなと思うこともありました。でも父兄の皆さんに応援してもらって今ここに立てています。この8人はこれからずっと離れたくない、一番大切なメンバーとなりました。ここなのことを見つけてくれて、本当にありがとうございました。いつかまた父兄の皆さんとお会いして、素敵な時間を過ごしたいと思います。これからどんなスーパーレディーになるのか見守っていてください」

「以上、さくら学院でした!」。いつも通りの挨拶がまた寂しさを倍増させる。別れを惜しむように手を振りながらステージを降りるメンバー。最後に野中が深くおじぎをして全公演が終了した。公演中、大きなスクリーンに流れていた歌詞は、この10年間、さくら学院が大切に歌い紡いできた言葉たちだ。 “大丈夫 目を閉じて いつまでもここにある”(『ハートの地球』)。さくら学院としての活動は終わってしまったけれど、さくら学院の精神は36人の卒業生と父兄たちの胸の中で息づいている。そして、36人のスーパーレディーたちが同じ空の下、それぞれの道で輝いている未来を想像するだけで、また熱くなれるというものだ。さくら学院、10年間のトキメキと感動をありがとう。

なお、この公演は8月31日に全国の映画館にてライブビューイングで上映される。さくら学院10年間の集大成を、ぜひ最後まで見届けてほしい。

当記事はdwango.jp newsの提供記事です。

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