やっぱりプレミアムビールが飲みたい! サントリーが「限定品」で新市場戦略

OVO



コロナ禍で家飲みが増え、アルコールを 飲む機会はコロナ前より増えているともいわれる。節約のため、発泡酒や第三のビールといわれる新ジャンルで我慢している人が多いようだが、本心はビールを飲みたいはずだ。特に「プレミアム」という言葉は特別感があり「プレミアムビール」と聞くだけで「飲んでみたい」という心理が働く。

そういった心理を意識したようにサントリービール(東京)は8月25日、都内で「ザ・プレミアム・モルツ マーケティング説明会」を開催。プレミアム戦略を強化する方針を示した。

20代、30代がビールに回帰


 最近はハイボールやレモンサワーなどのブームもあって「ビール離れ」が進んでいるとみられていたが、2020年10月の酒税法改正で状況が変わってきたようだ。ビールが減税になる一方、新ジャンルは増税となった。さらに23年、26年にもビールが減税になることが決まっており、ビールに追い風が吹いているといえる。

サントリービールによると、直近の販売動向をみても同社の出荷数量(見込み)は、缶ビール全体で2021年1~8月の前年同期比132%で、増えたことがわかった。この日説明に立った水谷俊彦マーケティング本部プレミアム戦略部長は「中でもこれまでビール離れと言われていた若年層が伸びている」と説明。特にプレミアム・モルツの年代別購入者数は、20代が108%、30代が109%(21年1~7月)と増加しており、プレミアムビールに新たな市場が生まれていることがうかがえるという。

水谷部長は、若年層の増加について「飲食店でプレミアム・モルツを飲んだ経験がある若者が、家飲みになったことで『プレモル買ってみようか』と思ってくれたのでは」と分析する。「おうち時間を充実させたいか?」に対し、92.8%が「そう思う」と答えたという意識調査もあるといい、若年層を中心に「何となく敷居が高かったプレミアムビールで、いつもと違う気分を味わいたい」(水谷氏)という人が増えているようだ。

限定品で特別感


 日本人は「プレミアム」に加え「期間限定」「数量限定」といった「今だけ」「ここだけ」などの限定品に需要喚起されるといわれる。ビールも通年販売でない「限定ビール」の購入率が今年1~7月は前年同期比129%になったというデータがあるという。

こうしたことを背景に、サントリービールは8月24日、「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール 秋の芳醇(ほうじゅん)」を発売。9月21日には「ザ・プレミアム・モルツ ダイヤモンドホップの恵み」を発売する。いずれも数量限定だ。さらに10月19日には「ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉」の数量限定発売も予定しており、立て続けの「限定品」で消費者心理をくすぐる戦略だ。

「ザ・プレミアム・モルツ ダイヤモンドホップの恵み」は、チェコと周辺国で収穫した「ダイヤモンド麦芽」と、希少品種「ダイヤモンドホップ」を使用し、「深いコク」が特徴だという。(実勢価格は税込みで、350ミリリットル缶は258円程度、500ミリリットル缶は341円程度)

飲食店の復活にも期待


 もともとは飲食店で樽生ビールとして人気が広がった「プレミアム・モルツ」は、缶の家飲み需要に比べ、コロナ禍で飲食店への出荷が大きく落ち込んだ。こうしたことから、サントリービールは、緊急事態宣言明けのアルコール提供を見越して、飲食店向けに「樽生オンラインセミナー」を開いてプレミアム・モルツの特徴である「神泡(かみあわ)」について解説。また、営業再開時のビールサーバー再利用などのサポート体制を通じて、飲食店への取り組みを強化する。

最後に水谷部長は「今は自由にお酒を楽しむことは難しいかもしれないが『飲食とお酒は文化だ』と信じている」と強調。いつもとは違うメリハリを生かした“ハリ需要”に期待をかけている。

当記事はOVOの提供記事です。

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