『アーヤと魔女』ドルビーシネマで味わう【別体験】の映像&サウンド

スタジオジブリ初のフル3DCGアニメーション作品として、2020年末にテレビで初放送された『アーヤと魔女』。感染症拡大に伴う公開延期を経て、いよいよ8月27日(金)、全国の劇場で『劇場版 アーヤと魔女』として公開される。今回、スタジオジブリ作品としては初めてDolby Cinema TM(ドルビーシネマ)版も公開される本作。一足先にドルビーシネマ版を体験した編集部が、スタジオジブリの宮崎吾朗監督、奥井敦氏、古城環氏に伺ったその魅力を紹介する。

『アーヤと魔女』は、宮﨑駿監督作品『ハウルの動く城』の原作者で「ファンタジーの女王」とも呼ばれるイギリスの作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『アーヤと魔女』を企画・宮﨑駿、監督・宮崎吾朗の下、国内外から結集した精鋭スタッフが映像化した作品。
舞台は1990年代のイギリス。「子どもの家」で自分の思いどおりに生活を満喫していた10歳の少女・アーヤ(声:平澤宏々路)は、ある日突然やってきた青い髪のド派手な女=ベラ・ヤーガ(声:寺島しのぶ)と長身の大男=マンドレーク(声:豊川悦司)に引き取られることになる。

アーヤを引き取ったベラ・ヤーガの正体は、実は魔女。彼女に呪文作りの手伝いを命じられたアーヤは、手伝う代わりに魔法を教えてくれるようベラ・ヤーガにお願いする。しかし、ベラ・ヤーガはただアーヤをこき使うばかりだし、マンドレークは食事時しか顔を見せず、「私をわずらわせるな」といつも不機嫌そう。生まれて初めて〝思いどおりにならない” 壁にぶつかったアーヤは、めげずに黒ネコのトーマス(声:濱田岳)と知恵を絞って反撃を始める――。
今回、『アーヤと魔女』がスタジオジブリ作品で初めてドルビーシネマで公開されることになったが、その経緯についてスタジオジブリの奥井敦氏は、「昨年末にNHKでのオンエアが終わった後に、劇場公開をするならドルビーシネマをやりたいという話になった。実はアメリカでドルビーシネマというシステムが出始めた頃からドルビー側とやりとりをして、いつか何かの作品で扱えないかと研究を進めていた」と語っている。

ドルビーシネマとは、アメリカのドルビーラボラトリーズによって作品に完全に没入するために作り上げられた、全く新しい劇場フォーマット。その特徴は圧倒的な輝度を誇る映像美と、客席を取り囲むように設置された最大64個のスピーカー1個1個が独立駆動することで立体的に聴こえてくる最新のオーディオシステムなのだが、特に「黒色」の美しさに定評がある。

この「黒色」の美しさが、暗いシーンが多い『アーヤと魔女』にピッタリなのだ。奥井氏も「(『アーヤと魔女』は)かなり暗いシーンが多く、暗部が潰れてしまって見えにくいなどという状況が多かったが、ドルビーシネマでは、黒がきちんと沈んだ上で、暗部が隅々まで見えるのが凄い。また、(冒頭のカーチェイスシーンでの)車のヘッドライトなど暗い中で光り輝く部分も、ディテールまで白く潰れずに見えている」と今作とドルビーシネマの相性を評している。

>>>暗いシーンが多い『アーヤと魔女』の場面カットを見る(写真20点)

(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli

また、音響に関しては、音響制作を担当した古城環氏いわく、「当初はTV放送を主体に制作したため、5.1chだったが、ドルビー用に改めて3日間かけてミックスをやり直した。基本的には5.1chと差がないようにしつつ、冒頭のカーチェイスやマンドレークの怒るシーンで、バンドの音全部をぐるぐる回したりと派手さの味付けをした」とのこと。
編集部も実際にドルビーシネマ版の『アーヤと魔女』を鑑賞したが、映像の美しさと没入感はもちろんのこと、音の動きというものが圧倒的で、映像に合わせて音が回る感覚を味わうことができた。今作は、劇中歌『Don't disturb me』をインドネシアで絶大な人気を誇る国民的スター、シェリナ・ムナフを歌手に、ギター亀本寛貴(GLIM SPANKY)、ベース髙野清宗(Mrs. GREEN APPLE)、そしてドラムをシシド・カフカが担当したことでも話題を呼んだが、その音楽の素晴らしさを更に全身で感じることが出来るようになっているのだ。

ドルビーシネマ版を観た宮崎吾朗監督も「ドルビーシネマ版の『アーヤと魔女』は、3DCGで頑張って作った甲斐があったと感動しました。こんなに細部まで色彩や明暗が美しく見えるなんて。アーヤとベラ・ヤーガのお肌が綺麗で素敵です。音響も含めて、もう一本の映画を観たような気持ちになりました」とコメントを寄せる今作。既にTV放送を観たという方も、全く違った体験を得られるドルビーシネマ版で『アーヤと魔女』を楽しんでみてはいかがだろうか?

(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。

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