【助成・手当】だんだん手厚くなっている!?「働くママ・パパが出産前後にもらえるお金」

ウレぴあ総研

「子育てってお金がかかりますよね。しかも、今はコロナ禍だし……」と、出産をためらっている方に時々お会いすることがあります。

実際、残念なことに、今年6月に厚生労働省が発表した、1人の女性が産む子どもの数の指標となる2020年の合計特殊出生率 は 1.34です。

5年連続で前の年を下回り、さらに2021年度もコロナ禍の影響を考えると、少子化に拍車がかかっている可能性があります。

しかし、こうした事態に、国や自治体等も手をこまぬいているだけではありません。出産前後にもらえるお金の制度は少しずつ手厚くなっている場合があります。

代表的な制度のおさらいをしましょう。



■妊娠時にもらえるお金「健診費の助成」

まず妊娠が判明したら、役所や保健所へ「妊娠届」を提出します。そして母子健康手帳が交付され、健診費の補助券などがもらえます。

この妊婦健診の助成額は自治体によって異なりますが、2019年の厚生労働省の調査結果によると、全国の平均金額では、前回の調査と比べ3,637円上回っています。

自治体によって差はあるとはいえ、助成回数を無制限にしたり、金額に上限を設けなかったりする方針にした自治体があり、少しずつ手厚くなっています。ぜひお住まいのエリアを調べてみましょう。

特に2人目出産を検討中のママは、1人目のときよりも手厚くなっている可能性もありますよ。

■出産時にもらえるお金「出産育児一時金」

健康保険に加入していれば、出産時にもらえるお金が出産育児一時金です。妊娠4か月(85日)以上の出産であれば、子ども1人につき、基本42万円が給付されます。多胎児の場合は、人数分が給付されます。

基本42万円ですが、これも、付加給付金のある健康保険組合や自治体が増えています。付加給付金は、健康保険組合の場合3万円から数十万円まで様々。

自治体の付加給付で話題になったのは、東京都港区です。昨年、給付金額を拡大し、1名の出産費用の実費として最大73万円まで助成しています。

東京の出産時の入院費用の平均は、42万円ではおさまらない背景があるとはいえ、有難い付加給付といえるでしょう。また、渋谷区では10万円が給付されるハッピーマザー出産助成金を設けています。

その他、3人目からは給付する自治体など、様々な上乗せ給付が導入されています。さらに現在、基本金額そのものを50万円に変更する動きがあります。

ちなみに、私自身は、2001年に息子を出産したときの出産育児一時金は、30万円(健康保険組合から+α出ましたが)、その後8歳離れた下の娘を出産したときは42万円になっていて驚きました。

また、病院で支払うお金を立て替えなくて済む制度(=直接支払制度)が導入されるなど細かなところで改善されつつあると実感しています。



■働くママ・パパがもらえるお金「出産手当金」「育児休業給付金」など

近年、共働き家庭が増加傾向にあり、会社員として働くママのため「出産手当金」についても見てみましょう。

出産をはさんで、産前42日・産後56日の休みの間は、お給料が出ない会社がほとんどですが、その間の生活費のために、健康保険から支給されるのが出産手当金といわれるものです。正社員はもちろん、勤め先の健康保険に加入している人なら、パートや契約社員でも対象です。

支払われる金額は、月給÷30日×3分の2×産休をとった日数が目安になります。また支給期間中は、健康保険料などの社会保険を支払う必要がありません。

ただ出産手当金は、勤務先の健康保険から支払われます。そのため、働いていても、自分自身の会社の健康保険に加入していない扶養枠内で働くママや、国民健康保険に加入のママは支払われないことに注意しましょう。

■パパでもママでも対象の「育児休業給付金」

次に、パパでもママでも対象の「育児休業給付金」を紹介しましょう。最近は、イクメンが話題で、パパが育休を取得するケースも増えていますから、気になっているご家庭も多いかもしれません。

どのような内容かというと、育休期間中、本人が加入している雇用保険からお金がもらえる制度です。

産休後、赤ちゃんが1歳に達するまで、会社に育児休業を申請することができますが、原則この休業期間は、お給料はもらえません。それが、180日目(6か月目)までは月給の67%、181日目からは月給の50%を休んだ期間もらえます。

育休期間中は、社会保険や雇用保険等は支払う必要がありませんから、手取りではお給料の約8割になります。

実は、以前は全期間50%でしたが、男性が育休を取得することを目的に増額されました。そして現在、さらなる増額が検討されています。

生活費のみのサポートだけでなく、男性の子育て参加が進むきっかけになるとよいのでしょう。

■コロナ禍で出産応援する制度も

出産・育児を応援するために多種多様な事業が登場していますが、東京都では、コロナ禍ということもあり、今年から2023年5月までに出産した家庭に、10万円相当のポイントをプレゼントしています。

このポイントを使って、専用WEBサイトから希望の育児用品・子育て支援サービス等を購入できます。

こういった制度は申請や申込みが基本なので忘れずに行うことが必要です。

コロナ禍で大変な家庭も多いかもしれませんが、「お金がかかる」という理由で出産をあきらめず、日々進化している制度を賢く利用できるとよいのでしょう。

【執筆者プロフィール】八木 陽子

キッズ・マネー・ステーション代表/ファイナンシャル・プランナー

子育て世代のために役に立つ情報を発信するために金融商品を一切販売しないFP事務所を運営。平成29年に文部科学省検定の高等学校の家庭科の教科書に日本のファイナンシャル・プランナーとして掲載される。NHK「ウワサの保護者会」などメディア出演多数。

当記事はウレぴあ総研の提供記事です。

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