細田守監督作品のメカクレキャラっていいよね。心を奪われる理由を考察してみた

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本コラムではオタクライフを満喫したい方に向けた時間の過ごし方や情報を、アニメ大好きライターのハシビロコがお届けします。

メカクレっていいよね

こんにちは、ハシビロコです。
細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』、ついに公開されましたね!
先日劇場で鑑賞し、予想をはるかに超える内容に圧倒されました。細部まで作りこまれた音楽や映像、物語はもちろん、登場人物がどストライク。

まさかメカクレキャラが出てくるとは思わなかった……!

※念のため説明すると、メカクレとは髪などで目が隠れて見える容姿を指します。

映画公開後に発表された予告編の1分10秒付近を見てください。メカクレ少年が一瞬だけ映ります。

彼については劇場の大スクリーンで活躍を確認してほしいので詳しくは説明しませんが、私のようなメカクレ好きは気に入るはず。

細田監督の作品にはこれまでもメカクレキャラやメカクレ描写が頻繁に登場していたため、今回もどこかに刺さるシーンがあるのではと期待していました。信じてよかった……!

メカクレキャラは数あれど、細田監督作品に登場するメカクレはまた格別。なぜこれほど心を奪われてしまうのか、理由を勝手に考えてみます。

※とあるメカクレ過激派の感想と妄想の塊です。生温かい目で見守ってやってください。

細田監督作品のメカクレキャラをおさらい!

細田監督作品のメカクレといえば、おそらく一番有名なのは『サマーウォーズ』のカズマ(池沢佳主馬)くん

こちらの予告映像の41秒付近にも登場しています。

中学1年生にしてインターネット上の仮想空間“OZ”で、格闘ゲームの世界チャンピオンになったカズマくん。

アバターのキング・カズマはウサギ型で、第2段階のデザインではメカクレになります。それでいてカズマくん本人もメカクレなので、もう好きにならないわけがありません。

ほかにも『おおかみこどもの雨と雪』の雨くん『バケモノの子』の九太など普段はメカクレではないものの、髪で目が隠れるシーンが印象的に描かれたキャラクターもいます。

メカクレ描写にはどのような意図が込められているのでしょうか。

過渡期としてのメカクレ

細田監督作品には、メカクレが「キャラクターの過渡期」を象徴しているのでは、と思えるシーンがいくつかあります。

たとえばカズマくん。当初は親戚たちの集まる食卓にも顔を出さず、部屋にこもってOZに没頭している少年でした。しかしOZが大混乱に陥ると変化が。自ら人と関わる機会が増えていきます。

OZには生活インフラなどが集約されているため、一刻も早く正常な状態に戻さなければ家族の安全が保たれない。そう思ったカズマくんはキング・カズマで敵を倒そうとします。

本編の1時間21分40秒付近で、絶体絶命のピンチをなんとかしようと焦ってしまうカズマくん。このとき、ずっと隠されていた右目が少し顔をのぞかせています。

さらに事件に終止符が打たれたあとの1時間47分付近、久しぶりに再会した父親に振り向く場面でも一瞬両目が見えていました

片目だけで見ていた世界から踏み出し、次第に視野を広げて誰かのために行動していく。そんなカズマくんの成長を象徴するようなメカクレ描写ではないでしょうか。

また、普段はメカクレではないキャラクターも、心に迷いなどが生じているときは髪で目が隠れています。とくに葛藤の多い思春期のキャラクターを描くとき、細田監督はメカクレを効果的に使っていると、メカクレ過激派は思うのです。

たとえば『バケモノの子』の九太は幼少期に家出をしており、親代わりの熊徹に出会うまではメカクレ。居場所がなくさまよっているときの不安、しかし絶対に家には帰らないという強い意志が、片目だけを見せることで際立っています。

熊徹と暮らし始めてしばらくは両目が見えた描写が続きますが、次第に将来を迷い始める九太。

1時間11分30秒付近からのシーンでは、本当の父親とうまくいかず1人になってしまいます。父親の家に向かうときは目が見えているものの、帰り道では髪で目が隠されていました

その後、自分が何者なのか葛藤するシーンでもメカクレに。人間の少女・楓に「大丈夫」と言われ迷いが晴れてからは、すっきりした表情で両目を見せていました。

また、『おおかみこどもの雨と雪』の雨くんはおおかみとして生きるか、人間として生きるかの選択を迫られるキャラクター。

価値観の違いが原因で姉の雪と喧嘩をする1時間13分付近や、おおかみとして生きる決意を固めようとする1時間29分付近では目が隠れており、揺れ動く心が反映されていました。

 

永遠でないからこそ魅力的

思春期や葛藤などは、永遠に続くようでいつかは過ぎ去っていくもの。
細田監督作品のメカクレ描写には、そんな移り変わっていく時間や心が表れているのかもしれません。

桜が散っていく景色に儚げな美しさを感じるように、メカクレが放つ刹那の輝きに心を奪われるのも仕方のないこと
だからこそ私は、髪が揺れて目が見えそうでやっぱり隠れているその一瞬を見逃さないように目に焼き付けているのです。断じて変態ではない。

ところで『サマーウォーズ』は地上波放送の際、高確率でカズマくんが太極拳を始めた理由と師弟の会話がカットされてしまいます。

1時間7分30秒付近から素敵なメカクレが映っているので未見の方はぜひご覧ください。今なら各種配信サイトで見放題ですので……!

WRITER

  • ハシ ビロコ
  •        

  • アニメとドイツ語とハシビロコウを愛するフリーライター。アニメ好きの両親のもとに生まれたオタク2世で、幼少期はCCさくらとガンダムSEEDを見て育った。趣味でハシビロコウブログを運営中。

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