ヤフオクでも今冬から売買できるようになる「NFT」とは

日刊SPA!

―[デジタル四方山話]―

◆75億円のデジタルコラージュ

ブロックチェーン技術を利用したNFTアイテムが、今冬から「ヤフオク!」で取引できるようになる。NFTとはNon-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンという意味だ。ビットコインなどの暗号通貨と同じ、ブロックチェーン上でやりとりされるデータとなる。

デジタルデータは手軽に同じクオリティの複製を作成できる。写真でも動画でも、エクスプローラー上でコピー操作をすればOKだ。元のファイルとコピーしたファイルの違いはない。もちろん、便利ではあるのだが、絵画や映像作品のオリジナリティを証明することが難しくなる。

そこで、ブロックチェーンの仕組みを利用し、特定のデータに対し、本物だというお墨付きを与えたものがNFTだ。偽造は不可能で、唯一無二であることを証明してくれる。売買するなど、取引も可能。売買履歴や所有者はブロックチェーン上に記録されており、どこかの企業サービスに紐付いていないのが特徴だ。

証明できるとはいえ、コピー可能なデータにどんな意味があるのか。それは、まずわかりやすくお金になった。2021年5月、アメリカのアーティストが作成したデジタルコラージュは、クリスティーズのオークションで75億円という価格を付けた。

◆ツイートがモナ・リザの絵と同じ価値に?

TwitterのCEO ジャック・ドーシー氏の最初のツイートもNFTとして出品され、落札価格はなんと約291万ドル、約3億2000万円。購入したのはネットワーク企業Bridge OracleのCEO ハカン・エスタビ氏。ドーシー氏のツイートを落札した後、自身のツイッターで、「これは単なるツイートではない。数年後にはモナ・リザの絵と同じ価値があることに気がつくと思う」と投稿した。

もちろん、ドーシー氏のTwitterアカウントを得たわけではない。ツイートの所有権を得ただけだ。今でも、検索すれば誰もがそのツイートを見ることができるし、リツイートもできる。

「NBA Top Shot」では、NBAの選手のプレイ動画が10万ドル以上で取引されているなど、トレーディングカードのようなNFTも増えている。

NFTの盛り上がりを受けて多数のNFT売買プラットフォームが登場し、さらに多くのアーティストやクリエイターが参加している。単に自分の作品が高額で売れれば儲かるというだけでなく、NFTはデジタルらしい機能を搭載しているためだ。

◆NFTウイスキーを買ってみた

これまでは、絵や車が転売を繰り返されてとてつもない金額になっても、元々の制作者には最初のお金しか入らない。しかし、NFTは転売される度に、一定額が元々の制作者に送られる仕組みがある。これはとても健全な仕組みと言えるだろう。

しかし、あまりに有象無象が参加し、NFTマーケットプレイスのクオリティが低くなってしまったので、今では運営がアーティスト・クリエイターの審査を行うところも出てきた。

世界最大のNFTマーケットプレイスは「Opensea」で多数のNFTアイテムを扱っている。購入する際は、暗号通貨を利用する。ビットコインやイーサリアムをはじめ、様々な暗号通貨に対応している。

「Opensea」を利用するには、ウォレットアプリ「MetaMask」を利用する。暗号通貨の財布みたいなものだ。アカウントを作ってしまえば、あとはネットショップのように買いたい商品を探し、暗号通貨で支払うだけ。

今回は、なんと「NFTウィスキー」が発売されていたので、呑兵衛としては買うしかない。0.004ETH(10.19ドル)だったので安いもの。手数料が0.006ETH(16.4ドル)と馬鹿高いが、これが暗号通貨なので仕方がない。合計26.64ドルで購入した。この履歴はブロックチェーンに記録され、なくなることもないし、偽造もできない。

◆コレクター心をくすぐる

「で、何がスゴイの?」という意見もごもっとも。NFTは所有しているという気分に浸れる、というものに過ぎないと言うこともできる。バブルだという人もいるし、将来価値がなくなるという人もいる。とは言え、同じく本質的な価値がない暗号通貨のビットコインもここまで高騰しているという状況を見るに、NFTがどうなるのかも予測できない。もちろん、両方とも一夜にして価値がゼロになるということもあるだろう。そのため、今盛り上がっている投機目的で購入することはお勧めしない。

しかし、コレクションするのであれば、とても面白いと思う。筆者は飲めもしないNFTウィスキーを買い、およそ転売もできないと思うが、面白いし、欲しかった、という一点で不満はない。

有名人が使っていたアイテムでもホームランボールでも古いトレーディングカードでも、自分さえ価値がわかっていればいい、というのはコレクターであればわかるだろう。

NFTアイテムが今後どうなるのか楽しみだ。筆者としては、漫画の原画を1ページずつ販売してほしい。お気に入りの1シーンであれば、小遣い全額つぎ込む覚悟はある。

<文/柳谷智宣>

―[デジタル四方山話]―

【柳谷智宣】

お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「Wi杯」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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