“首なしライダー”を目撃せよ! 舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~が開幕、約1年越しとなる久々のゲネプロ前記者会見の様子もレポート

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舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~は、2020年春に上演予定だったが感染症と緊急事態宣言による中止、そして約1年の期間を経て、ついにリベンジとも言える公演がスタートする。
感染症の流行以前はゲネプロ公演前にメインキャストたち登壇による記者会見が行われ、公演への意気込みを語ってもらうことが常であったが、無事に観客を入れての公演が可能になっても感染症予防対策として会見が開かれることはほぼない。今回、最初の緊急事態宣言以前ぶりに記者会見も行われ、キャストから直々に見どころへの言及や、公演ができる嬉しさなどが語られた。

ゲネプロ公演前記者会見「リベンジできることのありがたみ」

舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

ーー意気込みをお願いします。

竜ヶ峰帝人役 橋本祥平:久しぶりの囲み取材ですね。また昔の演劇の形に徐々に戻ってきたのが嬉しく思っています。明日から初日です。本当は去年に公演予定だった作品が中止になって一年越しにリベンジとしてやらせていただけます。リベンジできることのありがたみは痛感しています。中止になってからもみんなで絶対にやろうっていう強い意志の元、過ごしてきて、そして今本番がすぐ目の前に来て、ひとまずほっとしております。最後まで気を引き締めて、全力で挑ませていただきます。

紀田正臣役 杉江大志:率直にやっとだなっていう気持ちが強くて、ここまで来れたことに感動しています。個人的に一度中止になった作品でリベンジできるというのは、この作品が初めてじゃないかなと思います。めげずに作りあげてくださったスタッフのみなさんに心から感謝しておりますし、その思いも一緒に背負って舞台に立ちたいです。このご時世に中止になった作品にリベンジすることで、僕たちなりに精一杯抗っていけたらなと思っております。心待ちにしてくださっていたファンの皆さんにも、今まで全力でハードルを上げてきたので、そのハードルを悠々と越える作品が仕上がったんじゃないかなと思っております。楽しみにしていてください。

園田杏里役 福島雪菜:いろんな意味でドキドキしています。最後まで一生懸命走り抜けられるように頑張りたいです。早くみなさんにお会いしたいです。

岸谷森羅役 安西慎太郎:とにかく誰一人欠けることなく最後まで走り抜けられることがひとつ。そしてこの原作の魅力を、舞台を通して伝えていきたいですし、伝えられる稽古と仲間たちを信じて最後までやり遂げられたらと思っております。

セルティ・ストゥルルソン役 佐野夏未:去年できなくて、本当に楽しみにしていた舞台がなくなってショックでした。一年ぶりにみんなで集まれて、この作品をできることが嬉しいです。千秋楽まで誰一人欠けることなくみんなで頑張っていきたいです。

平和島静雄役 伊万里 有:みんなが言ってくれましたが、やっとだなという感じです。待ちに待った公演です。場当たりをやってみて、本当に、日本青年館の地に池袋が登場しました。稽古とはまた違った色合いが見れました。自信を持ってみなさんに届けることができるなという気持ちでいっぱいです。こういう時期で、少しでも勇気をみんなに与えられたらいいなと思いますし、観に来れない方もたくさんいらっしゃると思いますが配信もあります。僕たちの熱量が伝わるようにカンパニー一同頑張るので、ぜひチェックしてください。

折原臨也役 猪野広樹:僕は今作からの参加です。前作で泣く泣く中止になってしまったみんなやお客さんの思いが、SNSを通してもひしひしと伝わってきていました。その責任感を持って、そして一年間待ってくださっていたお客さんのためにもすべてをささげたいと思います。池袋のトラブルシュータ―だった人間が、池袋のトラブルメイカーになるということで、いつまでも池袋から出れないなぁと感じています(笑)。よろしくお願いします。
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

ーー稽古中で面白かったこと、流行っていたことは。

安西:コロナ対策。

橋本:流行ってましたね……(苦笑)。劇場に入ってからケータリングスペースにクレーンゲームのおもちゃが置いてあったんですが、あれを毛利さん(演出)が夢中でずっとやっていたというのが僕らの中でツボポイントでした!

杉江:そうだね~。あとは女性陣が急にみんな髪を切ってイメチェンをしていてびっくりしたこともあったな。

ーー池袋に関連した思い出話があれば。

伊万里:オリンピックの競技にもなっているBMXというスポーツをずっと池袋にある公園でやっていたんです。サンシャイン60ビルを見るたびに、10年前くらいによくやってたなぁと思い出しますね。
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

ーーオリンピックの会場も近いということで、金メダルをあげるとしたら誰に何のメダルをあげますか。

伊万里:みんなに金メダルかな!

杉江:そうだね~。

橋本:誰かにあげるなら……佐野さんにあげたいです。

佐野:えっ、やったー!

橋本:「暑い中ありがとう」メダルです。

杉江:(衣裳は)風を一切通しませんからね。

橋本:一番感染予防を徹底してます(笑)。
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

ーーここに注目してほしいというところは。

杉江:いっぱいあるね~!

安西:原作ものなので、それぞれのキャラクター再現度はひとつ魅力的だなと思います。個人的にはセルティとの絡みですね。セルティへの愛の表現の仕方を見ていただけたらと思います。

猪野:えーっと。

伊万里:(小声で)高いところから飛びます。

猪野:高いところから飛びます。静雄と喧嘩しますので。

伊万里:普段からバチバチです。

猪野:仲が悪いです。よろしくお願いします。

杉江:いやいや、語弊があるよ!?

福島:杏里ちゃんの話じゃないんですが、セルティのバイクがすごいので見てほしいです。

橋本:イチオシでしたね。あとはモブなキャラクターもたくさん出てきます。全員を楽しみにしていてくださったら嬉しいです。

ーー舞台ならでは、というものはありますか。

杉江:意外とないんじゃない? それだけ原作やアニメを再現しているのでは。

橋本:演出面の話になると思います。アニメでは非日常を表現していますが、舞台ならではの表現方法で、いろんなものを飛ばしたりしてますね。

杉江:原作にもある、これどうやって舞台でやるのかなっていうのは、そのままマルっと再現されていますので、舞台ならではのものというものよりは「再現度」の方に注目してほしいですね。池袋の街並みをどう表現するかっていうところに演出の毛利さんの手腕がぎゅっと詰まっているんじゃないかと思います。

ーー最後に橋本さんからお客様にメッセージをお願いります。

橋本:いよいよ舞台が公開いたします。この一年待っていてくださったみなさまの声は僕たちにも届いておりまして、その声が僕たちの原動力、力の源でもありました。ようやくこうしてみなさまの元にお届けできるのが嬉しいです。僕たちも日々気を付けながら、みなさまとお会いしたいと思っております。旅行などの非日常的な体験って、今やりにくい世の中だと思います。演劇は身近な非日常だとも思っております。その非日常を守るために頑張っているみなさまのためにも、全力でお届けしたいと思っておりますのでぜひ楽しみにしていてください。
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

ゲネプロ公演レポート “首なしライダー”セルティ・ストゥルルソンを見よ!


公演で一番目を惹いたのは“首無しライダー”と呼ばれるデュラハン、セルティ・ストゥルルソン(佐野夏未/声・沢城みゆき)の存在だ。黄色と青のヘルメットにライダースーツを着た女性として描かれている。神話級の存在である彼女は、本作では馬の代わりにヘッドライトがない漆黒のバイクにまたがり、池袋の街を駆けていく。囲み会見でも触れていたが、このバイクに乗る表現がすごい。公道を走っているバイクを見る以上に“リアル”でカッコイイ。大型バイクを操り、黒い煙を出しながら縦横無尽に駆け巡る。不安定なバイクの上で蹴りを繰り出したり鎌を振ったりと激しい戦闘シーンも見どころだ。そんなセルティがなぜ白衣の男、岸谷森羅(安西慎太郎)の元に居るのか。そんな森羅の語りから幕が上がる。

舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

また、物語の舞台となる池袋という場所を板の上に再現したのも興味深く、何度も見たくなってしまう。プロジェクションマッピングを使い、たくさんの人種、性別の人が集まるどこか混沌とした“池袋”の街を表現する映像、そしてアンサンブル。舞台上に写る映像は10年前の池袋の景色で、今はなくなってしまったゲームセンターや飲食店など、過去の池袋がそこにある。

キャラクターの魅力を引き出すキャストたち


出演者の観点で言えば、竜ヶ峰帝人(橋本祥平)、紀田正臣(杉江大志)、園原杏里(福島雪菜)の学生3人は言うまでもなく、原作同様の初々しさ、純粋さが出ていて“日常”の平穏さを感じられる。特に杉江は紀田の性格をしっかりつかんでいるようで、非常に生き生きと演じられているようだ。

自動販売機や標識を軽々と持ち上げ、武器とする平和島静雄(伊万里 有)と、どこからか取り出したナイフでひらひらと舞うように攻撃する折原臨也(猪野広樹)。この二人の因縁は舞台でも健在。伊万里の静雄は理想的な体型にパワフルさがあり、純粋な暴力の力強さを見事に表している。猪野が演じる臨也はクレバーで少し幼さをも感じるような思考が一挙手一動足からも見てとることができ、臨也のアンバランスさが非常に絶妙だ。

門田京平(君沢ユウキ)、遊馬崎ウォーカー(大谷 誠)、狩沢絵理華(田上真理奈)、渡草三郎(影山達也)ら4人はとてもコミカルで面白く、元気を与えてくれる。露西亜寿司の店員サイモン(磯貝龍乎)は今回の舞台ではストーリーテラーの一面も担う。ほかにもキャラクターの魅力を120%以上に引き出すことができるキャスト陣ばかりで、安心して観ていられる舞台だ。
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

全方位「懐かしい」


前述したプロジェクションマッピングによる池袋の再現のほかにも『デュラララ!!』と言えばアニメのこの曲、「裏切りの夕焼け」、「Trust Me」も健在。アニメ放送当時、夢中になって見ていた人にとっては嬉しい選曲だ。また当時はガラケーとスマホの移行期。作中に出てくるチャットの画面やシステムなども懐かしい。

舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~は、コロナによる中止と公演決定で、スタッフやキャストの熱意をビシビシと感じられる舞台だった。そして章題(~円首方足の章~)がついているということは、次も期待して良いのだろうか……。

本作は、2021ねん8月1日(日)~8月7日(土)まで東京・日本青年館ホール、その後、愛知・名古屋文理大学文化フォーラム大ホール、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて公演。
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより
舞台『デュラララ!!』~円首方足の章~ ゲネプロより

取材・文・写真=松本裕美

当記事はSPICEの提供記事です。

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