NASAが日食中の地球に浮かんだ月影の写真を公開

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2021年6月10日、北極点にかかる金環日食の影 Image: NASA’s Goddard Space Flight Center

この不穏な感じ、よき。

今年6月、カナダや北極海、ロシア付近では金環日食が観測されました。先日、NASAはそのときに撮られた月の影が北極圏に落ちる画像を公開。この画像は、地球から100万マイル近く離れたアメリカ海洋大気庁(NOAA)の深淵宇宙気候観測衛星(DSCOVR)に搭載されている地球多色撮像カメラ(EPIC)で撮影されたものです。

月の方がEPICよりも地球に近いので、EPICが地球を撮ろうとする際に写り込むことが度々ありますが、それは日食時の影も同じ。DSCOVRチームのプロジェクトサイエンティストAdam Szaboさんは、NASAのプレスリリースに「月の軌道の4倍離れた距離から太陽に照らされた側の地球の画像を撮ろうとすると、月が視野に入ってきたり、月が地球に影を落としたりとサプライズが後を絶ちません」とコメントを寄せていました。EPIC(DSCOVRに搭載されている) は2015年に打ち上げられ、これまで月が地球に落とした日食時の影を何度か撮影しています。2016年と2017年の皆既日食と同様に、6月の金環日食もEPICが撮りました。

金環日食とは、地球と太陽の間に月が入り込むものの月が太陽を隠しきれず、月の黒いシルエットの周りから太陽がリング状に見える状態のことです。6月10日の日食の場合、アメリカ、アジア、ヨーロッパとカリブ海の一部の地域で観測されたのは部分日食。幸運にも金環日食を見られたのはカナダ、ロシアとグリーンランドの人たちでした。しかし、EPICが捉えたような北極点に留まる月の黒くて茶色がかった擬本影の光景は、地上からはお目にかかれないものです。



EPICは、地球を横切る日食をいくつも捉えてきました。

EPICは普段、地球を撮影して、地上にいる研究者らに地球の雲量、植生とオゾンについての情報を絶えず提供しています。昨年撮影されたアメリカの西海岸で起きた山火事はEPICほど遠く離れていても、可視できたほどだったんですね…。このカメラが搭載されている衛星DSCOVRはラグランジュ点L1と呼ばれる、太陽と地球の重力で釣り合いが取れる地点を周回しています(ラグランジュ点は5つあって、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は打ち上げられたらラグランジュ点L2を目指します)。

皆既日食だと太陽が完全に隠れますが、金環日食は月の外周に太陽のリングが残るので、地上から見るととてもカッコいいんですよね。そうなるのは、皆既日食の時よりも月が地球から離れていて、月の見かけが太陽を完全に覆うには小さすぎてしまうからなんです。

6月の金環日食を見逃してしまったとしても大丈夫。西半球に住んでいるなら2023年に見るチャンスがありますよ。

Source: NOAA, NASA(1, 2, 3), time and date

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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