五輪開会式『任天堂』が排除された理由とは? 当初案が根底から覆されていた…

まいじつ

五輪開会式『任天堂』が排除された理由とは? 当初案が根底から覆されていた…

五輪開会式『任天堂』が排除された理由とは? 当初案が根底から覆されていた… (C)PIXTA

7月23日に行われた『東京2020オリンピック』の開会式にて、さまざまな有名ゲームの楽曲が使用されたことが話題に。しかしそこには日本を代表するゲーム会社『任天堂』のタイトルが含まれておらず、疑問を呼んでいた。現在ネット上では、そんな謎についての答え合わせが行われているようだ。

今回の開会式では当初、『Perfume』や〝恋ダンス〟などの振付で知られるMIKIKO氏が演出を統括するはずだった。この「MIKIKO案」はほぼ形となっており、国際オリンピック委員会(IOC)にも絶賛されていたと言われている。しかし道半ばで『電通』の佐々木宏氏(当時)が介入し、最終的には「MIKIKO案」の原型は残らなかった…というのが、これまで報じられてきた経緯だ。

ところが7月28日、『週刊文春』電子版はこの騒動に関するさらなる爆弾を投下した。記事内では「MIKIKO案」の内容が事細かに紹介されており、「任天堂」の宮本茂氏が競技紹介のパートを監修する予定だったことが明らかに。さらに入場行進の際に、『ゼルダの伝説』『スーパーマリオブラザーズ』『星のカービィ』『ポケットモンスター』の楽曲が使用される予定だったことも記されている。

周知の通り、実際に行われた開会式では、どちらの案も実現しなかった。それどころか、「任天堂」に関するものは一切痕跡が残っていない。もともと宮本氏は実現に向けて会議を重ねていたそうなので、佐々木氏が介入した段階で大きな方針転換があったものと考えられるだろう。

誰も見ようとしなかった「ゲーム音楽」の政治性


オリンピック開会式から「任天堂」が撤退したという報道は、大きな波紋を呼ぶことに。SNSなどでは《任天堂も力を入れてた演出を電通の人間が潰したから、一連のゲームミュージックから任天堂の曲も引き上げたのか。顛末がよくわかった》《これ多分、任天堂を怒らしてんじゃん。だから任天堂の楽曲が使われなかったんだな》《担当が変わった途端に競技紹介案をマリオからピクトグラムへあっさり変えたら、そりゃあ任天堂もお怒りになるわなとしか》《五輪の開会式、本当は任天堂のゲーム楽曲も流れる予定だったのか。めっっっちゃ聴きたかったよ。やるせない》といった声が飛び交っている。

そもそも開会式が行われた時点で、入場行進曲のラインナップに「任天堂」楽曲が含まれていないことは疑問視されていた。一部ではその理由について、「『日本eスポーツ連合』加盟企業の曲だけを使用しているのではないか」と推測されていたようだ。しかし実態は、そのような平和的な理由とはかけ離れていた。

ついこの間まで、多くの人がオリンピックについて批判を行っていたのは記憶に新しい。しかしいざ開幕すると、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』などの楽曲が好感度アップにつながったこともあり、手のひら返しする人々が続出している印象だ。もはや批判を許さないような空気すら生まれている。

だが、思い入れのある楽曲を使用してくれたからといって、全てを肯定することは正しいのだろうか。「週刊文春」の記事では、佐々木氏が小池百合子都知事や組織委の森喜朗会長(当時)からの要望を開会式に取り入れたことも明かされていた。ゲームの音楽が使用されているからといって「政治とは無関係」とは言えないどころか、むしろ政治的影響を体現したようなイベントだったのだ。

「任天堂」楽曲が使用されなかったことは、あくまで氷山の一角に過ぎない。オリンピックに参加する選手たちを応援することは正しいが、その一方で誰がどのように権力を行使していたのかしっかり見つめておくことも必要ではないだろうか。

文=大上賢一

【画像】

Benzoix / PIXTA

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ