英王室伝統の洗礼着 女王のドレスメーカーが苦悩の末紅茶で染めて完全再現

イギリス王室には、2021年に洗礼を受けると思われるロイヤルベビーが数人いる。ユージェニー王女の息子オーガスト・フィリップ・ホーク・ブルックスバンク君、ザラ・ティンダルさんの息子ルーカス・フィリップ・ティンダル君、そしてどこで洗礼式が執り行われるのかが最近取り沙汰されているヘンリー王子の娘リリベット“リリ”・ダイアナ・マウントバッテン=ウィンザーちゃんの3人である。この洗礼式でロイヤルベビー達が身にまとう洗礼着はなんと紅茶を使用して染色されたものだという。『Hello! magazine』が報じている。

1840年、ヴィクトリア女王の第1王女ヴィクトリアがこの世に生を受ける。その洗礼式を1841年2月に執り行うために作られたものが、今もイギリス王室に脈々と引き継がれる洗礼着の起源である。ホニトンレース(Honiton lace)とスピタルフィールド(Spitalfiled)のシルクを使用して作られたガウンは、その後163年間にわたり62人ものロイヤルベビー達が身にまとってきた。

このドレスは毎回洗礼式で使用後に天然水で手洗いし、暗室で保管するのがプロトコールであった。2004年、エドワード王子夫妻の第1子レディ・ルイーズ・ウィンザーの洗礼後、この163年間もの歴史を持つ洗礼着は非常に脆くなっており、再度の使用に耐えうるか不安が残る状態であった。そこでエリザベス女王はこのガウンの「引退」を決断し、ヴィクトリア女王の治世より受け継がれてきた洗礼着の正確なレプリカが作られることとなった。

非情に繊細なレースと高級シルクがたっぷりと使われた、ため息の出るような美しさのガウンであるが、当然経年により彩りに変化が見えてきていた。その色合いを正確に再現することもエリザベス女王の特命を受け、レプリカ制作にあたったドレスメーカーのアンジェラ・ケリー氏(Angela Kelly)とその同僚バーバラ・バックフィールド氏(Barbra Buckfield)の使命でもあった。

アンジェラ氏は自身の著書『The Other Side of the Coin: The Queen, the Dresser and the Wardrobe』の中で、こう綴っている。

「確実に本物に見えるよう、ヨークシャーティーで染めたのです。(みなさんご存じの一番濃い紅茶ですね)」

「レースの部材それぞれを小さなボウルに入れ、ティーバッグと冷たい水でボウルを満たし、5分ほど置いておきました。完璧な色合いを出せるまで定期的にチェックしながらね。」

「洗礼着制作の各ステップで、エリザベス女王に進捗をご覧いただいていました。最初は胴着、そして次は胴着に縫い付けられる袖、ペチコート付きのスカート、そして最後に完成形のガウンをと順にご覧いただきました。エリザベス女王は、ガウンの制作過程に非常にご興味が湧いていらっしゃったようです。着手から完成までおよそ9か月を要しました。」

そしてオリジナルを完璧に再現した新しい洗礼着に最初に袖を通したのは、2008年に洗礼を受けたレディ・ルイーズ・ウィンザーの弟でエドワード夫妻の第2子セヴァーン子爵ジェームズである。これ以降、ウィリアム王子夫妻の3人の子供達、ジョージ王子(8)シャーロット王女(6)ルイ王子(3)、そしてヘンリー王子夫妻の第1子アーチー君(2)が着用し洗礼式が行われてきた。

ヘンリー王子がこの洗礼着を今年6月に生まれたリリベットちゃんの洗礼式のために、アメリカに持ち帰りたいとエリザベス女王に打診し断られたとも報道されている。次にこの紅茶で染色されたドレスに袖を通すのはどのロイヤルベビーになるのだろうか。

画像は『Duke and Duchess of Cambridge 2018年7月10日付Instagram「The Duke and Duchess of Cambridge, Prince George, Princess Charlotte, and The Duke and Duchess of Sussex arrive for the christening of Prince Louis at the Chapel Royal PA」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 Aya Nezu)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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