平日でも活況のキャンプ場。ブームの背景と初心者が楽しむコツ

日刊SPA!

 近年、空前のキャンプブームが巻き起こっている。「ソロキャンプ」や「おしゃれキャンプ」といった言葉が使われるようになり、ファミリー層ならずおひとりさまや女性同士でキャンプへ出かけるキャンパーも増えてきた。

しかしいざ、ブームに乗ってキャンプを始めようにも、初心者は何から手をつけていいか路頭に迷うこともあるだろう。

今回は『キャンプ職業案内』(三才ブックス)の著書であり、キャンプブログの運営やキャンプコーディネーターを務める佐久間亮介さんに、初心者が心がけることやキャンプを楽しむコツについて話を聞いた。

◆初心者はキャンプ場のコテージで実際に寝泊まりしてみること

まず、初心者がキャンプを始める上で何から着手すればいいのだろうか。

佐久間さんは「最初はキャンプ場で過ごす体験を通じて、アウトドアライフに触れてみること」から始めるのがいいそうだ。

「キャンプと聞くと、テントを張って自然の中で過ごすイメージを持たれる方が多いと思いますが、全くの初心者には、キャンプ場に併設されたコテージに泊まってみることをおすすめしていますね。いきなりギア(アウトドア用具)を揃えてキャンプをするのは、やはりハードルがどうしても高くなってしまいます。

まずはコテージで自然に囲まれた空間で寝泊まりしてみて、『自然の中で生活することが苦にならないか』を確認すること。もし、虫が気になったり多少の不便さを感じたりするなら、そもそもテント泊には向いてないかもしれないので、グランピングできる施設で違うアウトドアの楽しみ方を模索するといいでしょう」

コテージであれば、テントが不要なためペンションやホテルに近い感覚でキャンプ場に宿泊できるので、初心者にとっては取っ付きやすいだろう。

◆デイキャンプでは、あれもこれもやろうとしない

キャンプ場で過ごすことに慣れてきたら、次のステップとして日帰りの「デイキャンプに挑戦してみる」ことで、自分の好きなキャンプスタイルを見つけられるという。

「キャンプ場に行けば、他のキャンパーが実践するキャンプライフが自然と目に入ってくると思います。その様子を参考に、自分がやりたいキャンプをイメージしてチェアやテーブルなどのギアを揃えてみる。

そして、近場のキャンプ場へデイキャンプに出かけてみるといいでしょう。デイキャンプであれば、日帰りなので泊まるための道具は必要なくなり、比較的荷物も少なくキャンプができる。

最初のキャンプは正直かなり疲れるので、いきなり『SNS映えするような、おしゃれで楽しいキャンプにしたい』と意気込み、あれもこれもやろうとするのはおすすめしません。焚き火、料理、自然とのふれあいなど、キャンプを楽しむ要素はいくつかありますが、まずは優先順位を決めて、できることから実践していくこと。それが、キャンプが嫌いにならず、末長く楽しむ秘訣。徐々にステップアップさせていくのが重要です」

◆平日でも活況のキャンプ場。ブームの背景とは……?

より一層の盛り上がりを見せるキャンプブームだが、キャンプの仕事を日々行う佐久間さんにとっても「ひと昔前のGWや連休にファミリーで楽しむキャンプのイメージから、一種のライフスタイルとして取り入れるキャンパーが増えている」と感じるそうだ。

「現在もファミリーキャンプは主流ですが、キャンプブームも相まって、最近では週末だけでなく平日もキャンプ場が混み合っている状況です。以前のように大型連休だけキャンプ場に出かけるのではなく、季節の移ろいやロケーション自体の雄大さや美しさを楽しむようになってきていますね」

佐久間さんはキャンプが注目され始めた背景について、次のように説明する。

「まず、海外中心に話題となっていたグランピングが、日本でも注目され始めたことでアウトドアに興味を持つ人が増えました。

また、芸人のヒロシさんがソロキャンプの牽引役として、多くの人にキャンプの魅力や楽しさをYouTubeやテレビ番組などで伝えたことが大きい。

そしてコロナ禍では、密にならない屋外のキャンプ場でレジャーやアクティビティを楽しむ需要が増えたことで、今のキャンプブームに拍車をかけたと考えています」

◆思い通りにいかないことも楽しむ心意気が大事

キャンプを始めるからには、悠々自適に自然を満喫しながら楽しいひとときを過ごしたいものだろう。佐久間さんに、キャンプを心から楽しむコツについて伺うと「ありのままを楽しみ、自分らしく生きることが大事」とし、こう答える。

「キャンプに慣れてくれば自然に身を任せられ、心のゆとりや安らぎを得られます。キャンプ場のルールやマナーを守った上で、周囲の環境を気にせず、自分の好きなように時間を過ごせるのが、キャンプの一番の醍醐味ですね。

ただ、キャンプには不測の事態がつきもの。ギアを忘れたり、天候が急変したり……。思い描いたキャンプが実現できず、うまくいかないこともあります。そんな時は落ち込まずに、むしろ思い通りにいかないことも楽しむくらいの心意気が大切ですね」

◆どのようなキャンプ場を選ぶべきか

キャンプコーディネーターとして、数多くのキャンプ場を巡ってきた佐久間さん。ソロキャンプやおしゃれキャンプを行うのに、どのようなキャンプ場を選べばいいのだろうか。

「ソロキャンプの場合、男性は山や川、湖など、自分が行きたいと思う自然豊かな行き先を決め、フリーサイトのあるキャンプ場(※許可されているスペースならば、どこでもテントの設営が可能なキャンプ場)を選ぶと良いでしょう。

女性の場合は、安全面のことを考えて、まずは管理人が常駐しているキャンプ場に行くのが無難だと思います。おしゃれキャンプは、風光明媚な自然が広がるロケーションを選ぶのが鉄板です。私のオススメは湖畔で過ごすキャンプライフ。

関西方面だと琵琶湖、関東は富士山周辺の田貫湖や富士五湖周辺、東北方面には猪苗代湖など、各地域に湖畔のキャンプ場があり、自然の景色を存分に味わいながらのキャンプは最高だと思いますね。また、最近できた新設のキャンプ場は、管理棟がおしゃれな建物になっていたりと、そういうところがいいのではないでしょうか」

◆全員がハマる遊びではないけれど…

他方、本格的なキャンプ場に行きたくても、車が運転できずに二の足を踏んでいる人もいることだろう。そんな場合には「公共交通機関を使って足を運べるキャンプ場に行くのがいい」と佐久間さんは言う。

「奥多摩や飯能、成田、あとは都内にも電車とバスで行けるキャンプ場があるのでチェックしてみてください。アウトドアの定番といえば登山やハイキングも人気ですが、車を使わなくても行けるキャンプ場もあり、道具が軽くなってきたこともあってキャンプスタイルが多様化してきています」

最後にこれからキャンプを始めようと考える初心者の人に向けて、佐久間さんからメッセージをもらった。

「キャンプは100人いたら全員がハマる遊びではありません。ブームになっているからといって、無理してキャンプをする必要はないと思います。ただ、キャンプを続けていくうちに、自分らしく楽しむコツや自然と対峙する奥深さなど、底知れない醍醐味に気付く。それこそが至高のキャンプライフを送る上で欠かせないものであり、キャンプの面白さでもあります。ぜひ一度、キャンプの世界に足を踏み入れてみてください」

<取材・文・撮影/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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