大谷翔平の二刀流が相手チームに脅威のワケ。1試合で“1.1人の大谷翔平”と対戦させられる

日刊SPA!

―[数字で見るプロ野球]―

◆今年は過去最高の大谷「先発出場率」

現在ホームラン王、そしてオールスターでも勝利投手と大谷翔平選手の二刀流への話題は高まるばかりである。結果を見れば凄さはわかるのだが、今回はその中でも大谷選手オンリーである「二刀流」部分について着目し、今年の二刀流がどれだけスゴいことであるかを数字で見てみたい。

二刀流選手として日本ハムに入団したとき、そしてMLBに挑戦したときに「両立は無理だ」という反対意見はあったが、反対意見の中には「投手(野手)としてスゴいのに絞らないのはもったいない」というものもあった。もちろん一方に絞ったらどのような成績が残せたかも気になるところだが、絞らなかった結果どうなっているかをチェックしてみたくなる。

◆先発出場率は過去最高

投手と打者を両立させるときに考えられる方法はいくつかあるが、今年を見てみるとオールスター前までの大谷選手は「先発投手」と「DH打者」として82試合に先発出場している。実はこれが過去最高なのだ。

2013年日本ハム入団から今年までの先発出場率を数字にしてみた。

2013 50.0%(日本ハム)

2014 51.4%

2015 30.8%

2016 71.3%

2017 42.0%

2018 56.8%(エンゼルス)

2019 56.2%

2020 70.0%

2021 92.1%(オールスター前終了時点まで)

※日本ハム時代は途中出場や守備位置変更含む

このように、スターティングメンバーに大谷翔平の名前が刻まれた先発出場率が今年ダントツで多いのである。これまで大谷翔平の二刀流をどう起用すべきかということで「抑え起用案」などさまざまな意見があったが、より多く大谷を試合に使うという点においては、今年の起用法は一つの正しい答えが見つかったようにも感じられる数字だろう。

なにより、これまで多くても7割の試合でしか大谷をスターティングメンバーで見ることができなかったところが9割を超えているのである。ほぼ毎試合大谷を見られる点では野球ファンにとって幸せな年だといえるのではないだろうか。

また、ほとんどの試合で大谷が戦力として加わっているという面でもチーム貢献度が例年より上がっているのは間違いないところだろう。

◆1試合に1.1人の大谷翔平が出場している

そしてさらに、代打や守備変更などを考慮した数字として純粋な出場試合数から出場割合を見てみよう。投手として打者に立ったりした試合は両方でカウントされてしまうが、「投手試合数+打者試合数=のべ出場数」ということで考え、投手大谷と打者大谷が1試合で2人出場したようなものとして考えるワケだ。

(投手試合数+打者試合数)/チーム試合数

2013 62.5%

2014 77.1%

2015 64.3%

2016 87.4%

2017 49.0%

2018 70.4%

2019 65.4%

2020 76.7%

2021 109.0%

すると今年はここまで109%! 投手大谷と野手大谷をあわせると、チームの試合数以上に試合に出場したことになるのだ。ここまでのエンゼルスと1試合対戦すれば「投手大谷」と「打者大谷」をあわせて約1.1人の大谷翔平と戦わなくてはいけないのである。これこそ「二刀流」ができている証なのではないだろうか。

もちろん交流戦もあってDHのない試合で稼いだ部分があるので、このあと数字は下がることになるだろうが、それでも過去最高を叩き出す勢いであることに変わりはない。

この「のべ出場率」ともいえる数字が100%を超えた選手は過去に存在しただろうか? ホームラン王などの記録も気になるところではあるが、個人的には一人二役という「二刀流の証」として、シーズン通しての「のべ出場率100%超え」というのも見てみたいと思っている。

文/佐藤永記

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【佐藤永記】

公営競技ライター・Youtuber。シグナルRightの名前で2010年、ニコ生で全ての公営競技を解説できる生主として話題に。現在はYoutube「公営競技大学」を運営。子育てやSE業界の話題なども扱う。Twitter:@signalright

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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