40代ママの再就職は難しい?「応募は大胆に」とプロが語る理由

女子SPA!

 子育てをしながら働く女性の環境を支援する企業が増えてきています。一方で、育児が落ち着いたらキャリアアップに打ち込むぞと思っても、人によっては子育てがひと段落するころには40代という現実も。40代でキャリアアップや転職を望むのは厳しいのでは、という不安にぶつかります。

そこで今回、転職支援でおなじみのリクルートエージェントに取材。40代の女性の転職市場について、キャリアアドバイザーの大鷲笑子さんに話を聞きました。

◆40代ママの転職はできる?

――子どもが小学校に入るなど、育児がひと段落してからキャリアアップを考えるとき、アラフォーだと転職は厳しいのでしょうか。

大鷲さん(以下、大鷲)「結論から言いますと、子育て後の40代であっても、転職は可能です」

――どういう人が、子育て後の転職に成功されていますか。

大鷲「職種にもよりますが、転職できるかできないかは、ご本人の覚悟によるところが大きいです。実際に40代で希望の企業に転職をされる方は、転職しなくてはいけない必然性をもっており、絶対に内定をもらうという強い意思を持たれています。逆に石橋を叩いて渡るといいますか、慎重に転職活動をすすめる方ですと、長期戦になることが多いです」

――慎重というのは、どのような点においてでしょうか。

大鷲「希望する条件でフィルターをかけすぎて、応募する段階までたどりつかないという点です。子育てがひと段落したといっても、お子さまが完全に手から離れているわけではないので、子育てをしながら働けるという条件は必要になると思います。そのため、『時短で働けるか』『リモートワークはOKか』『○時までに帰れる距離か』など、働く環境の条件を細かく見極める必要があるのですが、その条件を細かく設定しすぎて、仕事内容の見極めまでたどりつかない場合が多いんです」

◆「応募は大胆に、入社は慎重に」まずは企業との接点を

――条件は大事だけど、そればかり優先しても希望先は見つからないということですね。

大鷲「そうなります。もちろん、働く環境はとても大事ですし重要です。ですが、『時短OK』『リモートOK』という条件を、前面に出して求人募集をかけている企業ばかりではありません。まずは、自分の経験・力がいかせる仕事か、働きたいと思える企業かというところで気になる企業を探して、どんどんアプローチしていくほうが、希望の企業にめぐりあう確率も高くなります」

――とはいえ子どもがいると、環境や条件にこだわりたくなります。条件を広めに探しても、最終的には希望条件に合う企業が見つかるのでしょうか

大鷲「どんなに自分にマッチした仕事内容でも、環境が整わなければ働くことはできないので、そこはこだわる必要があります。ただ、私たちエージェントが、お客様の希望をお聞きして、代弁者となり企業にご希望をお伝えし、選考に進みながら条件の交渉や確認を進めてまいりますのでお任せいただきたいです」

――条件面はエージェントに任せた方が、選択肢が広がるということですね。

大鷲「『あと30分退社時間が早くないと、保育園のお迎えに間に合わない』という理由で、ご自身のキャリアに合いそうな企業に応募をしない方がいらっしゃいました。でも、まずは企業と接点を持たないと、細かい条件や環境の話もできません。お客様には『応募は大胆に、入社は慎重に』とよくお伝えしているのですが、面接後に企業と条件交渉することもできますし、条件があわない場合は内定を辞退しても大丈夫です。ですので、そこは一歩踏み出して企業探しをしてほしいと思います」

――細かいフィルターはかけすぎないほうがいいんですね。

大鷲「コロナ禍の影響で、リモートワーク・時短勤務・フレックス勤務など、柔軟な働き方をする企業は増えています。これは、一昔前と比べて、子育てをしている方にとっては追い風だと思います。ですので、転職する側としても、もう少し柔軟な気持ちで企業を探しても良いと思います」

◆自分の得意なことを長所に置き換えて

――専門的なスキルがないと、転職は厳しいですか。

大鷲「そうとも限りません。企業が今欲しがっている人材と、自分の能力がマッチすれば、それがどんな経験や能力であっても構わないからです。ですので、『私にはスキルがない』と思わないで、自分の持っているキラリと光る部分を長所におきかえて、企業にどんどんアピールしていって欲しいと思います」

――未経験の業種であっても、40代で内定がでることはありますか。

大鷲「40代だから厳しいという年齢による制限はありませんが、企業が40代の人材に期待するのは即戦力であることが多いです。未経験の人材をゼロから育てるほどの体力がある企業は多くはありません。さらに、リモートワーク勤務も増えて以前のように隣で仕事内容を教えられる状況ではないので、その点で未経験採用について少々慎重になっている企業がいるのは事実です。

◆産休中・育休中にやっておくといいことは?

――産休・育休中で復帰後すぐに転職を考える人もいるかと思うのですが、お休み中にやっておくといいことはありますか。

大鷲「キャリアアップしたい・転職をしたいと思っても、実際のところは子どもが生まれてみないとわからないことが多いと思うんです。また、働いてみないことには、子どもがいる状況での生活リズムもわからないと思います。

ですので、お休み中は業界の知識やトレンドを勉強したり、パソコンなどの最低限のスキルを取得しておくことが大事だと思います。あとは、子どもが病気になったときに預ける先はどこにする、緊急時はどう対応するなど、復帰後の働く環境を整えておくといいと思います」

――40代からの転職活動のコツはありますか。

大鷲「お子さまがいることで、限られた条件の中で働かなくてはいけない方が多いと思います。そのなかで、その状況をどれだけポジティブにとらえて、企業に説明できるかという点はとても大切になります。家族・両親などのサポート体制ができていることや、病児保育が手配できていることなど、働く環境を自分でも整えていることを伝えれば企業も安心して仕事を任せられます」

――たしかに、働く環境が整っていることは大きなアピールになりますね。

大鷲「子育て後ということで逆に、『子どもはいるけど、手がかかる時期はすぎたので、思いきり働ける』とも言えます。また、子どもを今後産む予定がない場合は、『今後、育休休暇・時短勤務をとる予定はない』ということで、働く見通しもたてやすいと思います」

◆目の前の条件だけにとらわれすぎないで

――40代の転職市場を見ていて、大鷲さんが思うことはありますか。

大鷲「『応募は大胆に・入社は慎重に』という気持ちをもって、まずはたくさんの企業と接点をもって、自分の入りたい企業を見極めていけば、入社後も覚悟をもって働けると思います。あとは、お子さんがいることで働く条件は出てくると思うのですが、目の前の条件にばかりとらわれすぎないことが大事だと思います」

――と言いますと?

大鷲「いずれ子どもは大きくなります。当然子どもの母親ではありますが、その前に私たちも一人の人間であり、そこには自分の人生があります。やりたい仕事ではないし、キャリアが積めるわけではないけど、条件だけはバッチリという企業に転職しても、やはり自分の気持ちに違和感が残ると思います」

――条件がそろっていてもそれは辛いですね。

大鷲「子どもが成長して働く時間が増えていく中で、10年後・20年後にどういう自分でありたいのか、どう働きたいのかを考えることも大事だと思います」

大鷲さんによれば、地元や地方での就職を希望する場合は、ハローワークなど、地域の企業情報に強い行政支援との連携をすすめるなど、一人一人にあった転職活動を提言しているそうです。

取材を通して、目の前の生活だけではなく、10年後の自分がどうありたいのかを考えて転職活動をしていくことの大切さを実感します。

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<取材・文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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