神木隆之介×中村倫也×木村昴、三人三色の「ちょっとした幸せ」<映画『100日間生きたワニ』インタビュー>

 

俳優の神木隆之介さん、中村倫也さん、そして声優として活躍する木村昴さんが、7月9日(金)より全国公開となるアニメーション映画『100日間生きたワニ』に、ボイスキャストとして出演しています。

『100日間生きたワニ』は、イラストレーターのきくちゆうきさんが100日間毎日Twitterに投稿していたワニの日常を綴った4コマ漫画を基に、新たな展開を加え、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督とアニメーション監督としても活躍するふくだみゆき監督が映画化。みんなに好かれているワニが、3月のお花見まで生きた100日間と、ワニがいなくなったお花見から100日後の日常が描かれます。

めるもでは、ワニ役の神木さん、親友・ネズミ役の中村さん、同じく親友・モグラ役の木村さんにインタビューを実施。
それぞれが演じたキャラクターや、オリジナルで描かれるストーリーについての感想、また皆さんの「小さな幸せ」まで、たっぷりと語っていただきました!

 

 

――『100日間生きたワニ』で、それぞれ演じたキャラクターについて何を意識していたのか、また、三人でご一緒されたことの感想など、お話いただけますか?

神木隆之介:お話をいただいたとき、SNSでの4コマしかまだ世に出ていなかったので、「あ、自分の声でワニというキャラクターの印象を作っていけるんだ!」というワクワク感がありました。逆に言うと、声の高さ・低さ、しゃべり方を全部こちらで決められる自由があったからこそ、すごく難しくて。監督からは、「本当に親友と話しているような、いい意味で気の抜けた感じ。ワニが普通に地声でしゃべっているような間とテンションがいいです」というオーダーがあったので、意識しながらやっていました。
共演の倫くんとは、映画の『3月のライオン』と『屍人荘の殺人』で、ご一緒させていただいて……。

中村倫也:『コントが始まる』もね!

神木隆之介:そうそう、今! 撮影で仲良くさせていただいていたので、倫くんからの絆も信じて、「元から幼なじみでした」という雰囲気を出せるようにやっていました。昴くんは、15年ぐらい前に(声の出演で)ご一緒させていただいたんです。当時、僕は小学校6年生だったので何もわからなかったけど、昴くんの年齢が一番近かったので、お兄ちゃんみたいに接してくれて。「隆くーん!」、「おう、昴くーん!」みたいな感じで。小さい頃からお互いを知っているような、そんな安心した関係性でお芝居ができたので、すごく楽しかったです。

中村倫也:ネズミは、ある種ぶっきらぼうなんですけど、行動や余白の部分で「意外と優しいんだな、繊細なんだな、周りを見てんだな」とにじみ出るところがあったので、その分、声の表現は極力淡々とやっていましたかね。隆は、もう4回目とかになりますし……ねえ。昴くんは「初めまして」だったんですけど、お会いして隆が知り合いだったこともあってか、すごくフランクで。こう見えて、僕より年下でしたし。

木村昴:(笑)。

中村倫也:声をやられている(他作品の)キャラクターについても、「ちょっとやって」と言ったら、やってくれますし(笑)。ゆかいな人たちが集まったので、「ああ、良かったな」と思いました。

木村昴:僕は4コマを拝見していたときから、モグラはワニの親友メンバーのひとりだけど、ちょっとお兄さんっぽいというか、親友たちより先に大人の階段を登った感があって、達観したキャラクターに見えていました。見た目はパーカーを着ていたり、やんちゃそうですけど、いざ声をあてるとなって台本を読むと、どこかクールで、はしゃがないキャラクターみたいなところがあって。「どうやろうかな」と考えるのは、すごく楽しかったです。僕が普段やっているアニメーションと違い、アニメだけれども実写映画のようなリアリティや、生々しさみたいなものが求められる映画でした。その点に関しては、まったく今までに経験したことのない、真新しいことに挑戦した感覚でした。

 

――映画では、後半パートから4コマにはなかった物語が展開されていきます。台本を読まれて、どのように感じましたか?

神木隆之介:内容的には……すごくずしっときますよね。この作品はキャラクターもかわいいですし、気軽に観られるものでもありますけど、監督が伝えている「普段の当たり前が、当たり前じゃなくなった」というメッセージも、すごく受け取れて。「どうやって人の時間って解けていくんだろう」とか、「どういうきっかけで前を向こうとしている人がいるのか、前を向けない人もいるのか、前を向こうとしていない人もいるのか」……向きたくない人もいるだろうし、いろいろな人たちの思いが止まった時間が、どうやって進んでいくんだろうって。当たり前というものが変化して、「あれ、当たり前じゃなかったんだ……」と気づいた瞬間、ズキンとくるような、ちょっと胸が痛くなる作品だなと思いました。それぞれが持つ過去と思いとで、全然受け取り方が変わってくる作品なので、すごく素敵に映りました。

中村倫也:例えば……家を建てるときに、柱はきっと4本は必要な感じがするんですけど、この原作を映画化するにあたってのそういう柱が、より太くなったし、増えたし、強固になったし、また相乗効果ももたらしているし、と読んだときにすごく感じました。今、隆が言っていたように、メッセージの部分が伝わりやすくなっていたり、ズキンとくるものがより身近になっていたってことなんだな、と思っていましたね。

木村昴:オリジナルのパートに関しては、映画にする醍醐味を感じました。ワニくんがいなくなってしまうまでの物語じゃなくて、100日間“生きた”話になっていて。観たかったのは、その後みんながどうしたのかな、というところだと思うので。ワニくんは出てこないのに、ずっとワニくんの存在を感じながら物語は進んでいくじゃないですか。ワニくんの存在感も身につまされるような切ない部分から、あったかいところまであって、素晴らしい展開だなと感じました。
それに、後半はカエル(山田裕貴さん)が異物感として入ってくる。でも、そんな彼にも過去があって……。心機一転するために知らない街に来たところが描かれたときは、すごく感動しました。特に、ネズミとカエルの会話がとっても感動的でした。

 

――会話をなさった中村さん、山田さんのカエルはいかがでしたか?

中村倫也:ええ、裕貴がえらい緊張していて、面白かったですよ(笑)。「何で~? なんか得意じゃん、そういうの。何をそんな緊張してんだろうな?」と思いながらやっていました。裕貴がやってれば、すぐ(カエルに)見えたんで。

 

――皆さんがおっしゃっているように、仲間の関係や友情について、胸に染み入る作品だと思います。キャラクター同士の関係性については、どう感じましたか?

神木隆之介:ワニたちの関係性でいうと、何だろうな……。なんとなく「あ、この人たちとずっと一緒にいるんだろうなあ」と、自然と本能的に思える人たちなのかなって。本能でなんかずっと一緒にいるのが想像できる、みたいな。

木村昴:いる? そういう人。

神木隆之介:いる。

木村昴:おおお!!

中村倫也:え、俺ら?

木村昴:(笑)。

神木隆之介:……三人で、お笑いでも、組む?

中村倫也:ちゃんと今の「……」書いといてくださいね?

一同:(笑)。

 

――(笑)。神木さんのおっしゃった「本能で」というのは。

神木隆之介:なんか、そういう本能で一緒にいるんだろうなと思える仲間たちなんじゃないかなって、演じていてすごく思ったんです。だって、日常に何もないのに、そんな中でも「でも(一緒に)いちゃうんだよな」という関係性なので。そうなのかなって思ってます。

中村倫也:自分が仲間内だったら、確実にネズミポジションなんですよ。ワニみたいに中心でわちゃわちゃするわけじゃなく、かといってモグラみたいに面倒を見るタイプでもなく、ネズミぐらい。ちょっと何を考えてんだかわからないけど、乗るときは乗って、引いてみるときは引いてみて、気を遣ったり、気を遣わなかったり、みたいな。だから……本当にキャスティングが素晴らしいなと。「鼠先輩」ってこれから僕のことを呼んでもらえれば……。

一同:(笑)。

木村昴:僕は、「ああいう仲間、いいな」と、シンプルに羨ましく思いました。僕にはいないので。

中村倫也:えっ! この三人の中でいうと一番仲間いそうなのに。

神木隆之介:仲間いそう~。

木村昴:いやいや(笑)、見かけだおしです。僕ね、人間関係に関していうと、広く浅くというよりも、深く狭くタイプで。神木くんが言っていたような親友っているかなあと考えたら、いないなぁ……と思いましたね。

中村倫也:ええー、そうなんだ!

木村昴:ワニくんたちって、たぶん住んでいる家も近くて、小学校から一緒の設定とかですよね。僕の学生時代の親友たちは、住んでいるところも今はばらばらだし、かといって集まるところがあるかと言ったら、ないなあって。とはいえ、常に一緒にいる仲間は僕にもいるんです。高校時代の仲間たちと劇団を作って、未だに活動しているので。クサい言い方をすると、仲間というか家族に近いので、目的を持っていかないと会わないし、言いたいことがあるからいくという関係なんです。だから、本当に何もなくても一緒にいる、という仲間は、やっぱり羨ましいし、いいなぁと思いました。ダラダラダラダラ、何も言わずにただ一緒にゲームをやれる仲間って、いいですよね。うん。

 

――日常を共に過ごして、ただただゲームを一緒にする、そんな小さな幸せがたくさん描かれている映画ですよね。皆さんが日常のわずかなときに感じる、ちょっとした幸せは、どんなものがありますか?

神木隆之介:ゲームです(即答)。

木村昴:(笑)。

神木隆之介:YouTuberのゲーム実況者の方が開いた大会で、生配信の画面に僕のアカウントが映ること! さらには、上位を取れて名前が呼ばれること!「え、7位!? 今呼んだよ!」みたいな(笑)。

中村倫也:それは誰でも参加できるの?

神木隆之介:誰でも参加できるけど、ある程度努力した人じゃないと勝てないかも……。ランキングで「何位○○さん」と名前を呼ばれるのを画面収録して、仲間に「呼ばれましたよ!」と送りつける(笑)。それが嬉しくて、めっちゃ幸せです!

 

――すごい幸せですね。そういえば、中村さんもゲームをされますよね?

中村倫也:僕もしますけど、YouTubeを生で観ながら自分もやるのは、やったことないですねぇ。……僕の小さな幸せは、21時に仕事が終わること。「あ、なんか早く終わったな」とちょっと思えるんですよね(と言いながら、時間を確認する)。

木村昴:今日も!? 今日も目指してるの!?

神木隆之介:(インタビュアーに向けて)ちゃんと記事に「携帯で時間を見る」っていうの、書いといてください!

中村倫也:(笑)。

 

――ちなみに、21時に帰ってからのゴールデンスケジュールは、どんな感じですか?

中村倫也:ゆっくり風呂に入るのが、やっぱ好きなんですよね。帰るのが遅くて、次の日も早かったら、睡眠を優先しちゃうじゃないですか。「あ、なんか今日ちょっとゆっくり風呂に入ろうかな」となれるのが、21時終わりくらいなんですよね(と言いながら、時間を気にする素振り)。

神木隆之介:めっちゃチラチラ(笑)! 「チラチラと携帯を見る」も、書いといてください!

一同:(笑)。

 

――ゆっくりお風呂に入っているときは、何かされているんですか?

中村倫也:マンガを読んだりとか、台本を読んだりとか。

神木隆之介:しけっちゃうね。

中村倫也:あとは、なんか、音楽とかラジオとかをかけながら、ブクブクブクブクしてる。

神木隆之介:ブクブク(笑)。

 

――木村さんは、いかがですか?

木村昴:小さな幸せ、いくらでもありますよ! エレベーターに乗るときに押して、すぐ開くとき、めっちゃ幸せ。すごくキレイな人からInstagramに「いいね!」をもらったときも幸せ。あとは、駆け込んだ電車で横に、すごくおキレイな方がいらっしゃるとかも。

神木隆之介:2/3がおキレイ関連……。

木村昴:あと! 手を汚さずにケバブを食べ終わったときとか、イエーイ!って。

中村倫也:ハンバーガーのレタスが、1口目でズルンって出なかったら幸せ~。

木村昴:それ幸せ、幸せ。最後までキレイに食べられたときとか。ささやかなのは、本当にいっぱいありますよ! 自覚せずに過ぎてしまう幸せの場合もあるから、そういうときに、「お! ラッキー!」と、ちゃんと思えるといいですよね。(取材・文:赤山恭子、写真:iwa)

 

 

映画『100日間生きたワニ』は、2021年7月9日(金)より全国ロードショー。

出演:神木隆之介、中村倫也、木村昴 ほか
原作:きくちゆうき
監督:上田慎一郎、ふくだみゆき
主題歌:いきものがかり「TSUZUKU」(Sony Music Labels))
公式サイト:100wani-movie.com
Twitter:@100waniMOVIE
Instagram:@100wanimovie

WRITER

  • 赤山恭子
  •        

  • エンタメ雑誌編集部に勤務後、ハリウッド映画の版権を買い付け日本国内で販売するディストリビューターを経て、フリーの映画/エンタメライターに。現在は、監督・俳優のインタビューを中心に、現場取材、映画紹介コーナーほかも担当。相手の心に寄り添い、時に突っ込みながら深めてゆくインタビューが持ち味。

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