西田尚美、胸を張って「女優です」とは、ずっと言えなかった

女子SPA!

 ファッション誌『non-no』や『an・an』などで、モデルとして女性たちから圧倒的な支持を得て、芝居業に軸を置いてからも存在感を発揮し続けている女優の西田尚美さん(51)。

西田尚美さん(以下、西田)「若者たちのキラキラと輝いている感じです。今は気づいていないかもしれないけれど、『あなたたち、今すごく輝いてるんだよ!』と。将来や進路について悩んだりもがいたりしているさまが、私の立場から見るとすごく泣けるんですよね。

そして、『私たちも将来についていろいろ不安があったりしたけれど、あれがあっての今の私たちだよね』というのが、まさに春子たちで、それが響きます。これから生きていく先も明るいし、今から楽しいことを始めても遅いことは何ひとつないと思えます」

◆将来が不安で、就職内定ももらっていた

――西田さんはもともとモデルをされていて、そこから女優業へと進んでいかれました。文化服装学院を卒業して、モデルそして女優へという進路は、割と明確だったのでしょうか?

西田「すごくもがいてました。学校に通ってアルバイトをしながら事務所に所属したんです。自分がどうなっていくのか、どうしたいのか明確な理由はなかったです。漠然と就職活動をして、内定もひとついただいてました。

でもその頃には、事務所から仕事を与えていただけるようになって、雑誌とかにも出始めていました。親には内定をもらったことは伝えていましたが、モデルの仕事のことは黙ってたんです。自信を持って言えなかったんですよね。でも『雑誌に出てたわよ』と近所の人から聞いたようで、父が『non-no』か何かを見たんです。そのとき、楽しそうにやっている姿を見て、安心と嬉しさがあったようです。実家に帰ったときに『2つやるのはしんどいじゃろう』と。許してくれているのだと感じたので、就職のほうを辞退しました。

とはいえ、モデルだけで食べていける立場ではないですし、アルバイトをしながらモデルをやっていく覚悟があるのかと考えると、怖かったですし、常に不安ではありました。なのでこの映画の優子ちゃんの気持ちはすごくよくわかります」

――でも天下の『non-no』のモデルです。

西田「傍から見ればそう思うかもしれないですが、いつ呼ばれなくなってもおかしくない。今の仕事もそうですが、需要がなくなったら、一気に食べられなくなる仕事ですから。本当に怖かったですよ」

◆胸を張って「女優です」とは、ずっと言えなかった

――女優業は声をかけられて、といった縁でしょうか?

西田「そのころ、モデルに声をかけることが多かった時代だと思うんです。わたしはそのなかのひとりで、オーディションにもたまたま受かったんです。でもすごい大根で、『オイオイ、どうするよ』って感じだったと思いますよ(苦笑)」

――「お芝居が面白いな、軸を移そうかな」と思えた瞬間は?

西田「雑誌に肩書が載りますが、“女優”というだけの肩書は怖くて、ずっと“モデル、女優”にしていました。次第にお芝居のお仕事が増えて、モデルのお仕事ができなくなっていってしまって、卒業のような形になりましたが、それでも『自分は女優です、俳優です』とはなかなか言えない時期がずっとありました。すごく下手で、ずっと模索していました」

――下手というのは、周囲と比較して考えてしまうのですか?

西田「そうですね。周りと比較して、『自分は大根だ~』って。実際、『お前は何でできないんだよ』とも言われてましたし。『大丈夫かな』と不安ばかりでした」

◆映画の現場で物を作る楽しさを知った

――いつ頃から前向きになれたのでしょう。

西田「映画の現場を体験してからでしょうか。『ひみつの花園』とか『ナビィの恋』ですね。物を作る楽しさや面白さを教えてもらい、そのころから『また次もやりたいな』と思えるようになっていきました」

――『ひみつの花園』も『ナビィの恋』も大好きです! 今回の『青葉家のテーブル』の春子も素敵でした。西田さんはナチュラルな役にも色を感じられてとても素敵ですが、そこにはご自身もにじみ出ているのでしょうか?

西田「にじみ出ていたらいいなとは思います。どの役を演じるときにも、その役に近づこうと思っていますが、やっぱり自分の要素というか、経験したことだったり感じたことが知らず知らずのうちにプラスされていると思うので。いいことも悪いことも含めて、いろんなことを経験したほうが、人間としての深みみたいなものは出るだろうと思います」

◆女子SPA!読者へメッセージ

――最後に読者にひと言お願いします。

西田「おいしいごはんを友達と一緒に食べたくなる映画です。なかなかそれが許されない時間が続いているかもしれませんが、映画を観て友達に連絡しようかなと思ってもらえたら嬉しいですし、会えない時間が続いたとしても、きっとこの映画が友達になってくれると思います」

(C) 2021 Kurashicom Inc.

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

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