【『映画大好きポンポさん』SP】木島隆一が語る平尾監督の〈反骨心〉

現在、絶賛公開中の『映画大好きポンポさん』を手掛けた平尾隆之監督について、縁の人に語ってもらうインタビュー企画。
今回登場するのは、声優の木島隆一だ。
自身初の主演作となった平尾監督のTVシリーズ『GOD EATER』が大きな転機となったという木島は、『ポンポさん』では平尾監督のメッセージを背負ったオリジナルキャラ・アランを熱演している。
そんな彼が平尾監督作品から感じるのは、”優しさ” と ”反骨心” だ。

>>【画像】『映画大好きポンポさん』の場面カット(写真10点)
【木島隆一プロフィール】
きじま・りゅういち/3月29日生まれ/北海道出身/マウスプロモーション所属/『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』(伊弉冉一二三役)ほか

平尾監督との出会いは人生の転機

ーー『ポンポさん』への出演が決まった時、どんなお気持ちでしたか。

木島 「おお、ついに平尾さんとお仕事ができる時がきた!」と、そんな嬉しさが先に立ちました。『ポンポさん』のことは、これを機会に読んでみようと思って原作を読んだ次第です。

ーー実際に演じてみて、作品にはどんな印象を抱きましたか。

木島 「やりたいこと」が見つかった人って、こんなに幸せになれるのだなという印象です。まずは、ジーン君が幸せすぎるだろう、と。ポンポさんに出会えたことで、やりたいことがやれる環境を作ってもらえた。もちろん、ジーン君の頭の中にちゃんと作るべきフィルムがある、実力があるからこそポンポさんが監督を任せるわけですが、「君は幸せだぞ、ジーン君」と思います。自分も今のような職業……大先輩の大塚明夫さんが言うには「生き方」ですね、声優という生き方を選んだので、何となくジーン君の気持ちがわかりました。一方で、実際に今回やらせていただいた役は、ジーン君とは反対のポジションのアランでした。きっと、アランみたいな気持ちで一生懸命生きている人もたくさんいると思うし、ジーン君に感情移入する人もいれば、アランに感情移入する人もいるだろうし、いろいろなキャラクターに感情移入できる映画です。そして、出会いが人を変えていくんだなということも、改めて気付かせてもらえました。

ーー最初に ”平尾監督との仕事” に感慨を抱いたということは、木島さんにとっては平尾監督との出会いも大事なものだったのでは?

木島 とても大きい出会いです。僕は今年でデビューして11~12年になりますが、はじめてちゃんとオーディションを真正面から受け、1クールやりきれる役をいただけたのが、平尾監督のTVシリーズ『GOD EATER』でした。しかも、それは自分の人生のバイオリズム的にいちばん落ちこんだタイミングだったので、平尾さんとの出会い、『GOD EATER』という作品との出会いは、自分の人生にとって欠かせないものです。

ーー当時、どんなお気持ちだったのでしょう?

木島 実は当時、僕は「声優を辞めたい」という話を(事務所に)していたんです。並行してレギュラーもののお仕事をやってはいたのですが、いろいろ人生を見つめ直していたというか……。その時期を経て「やはり、もう一度、声優をやりたい」という気持ちになり、いちばん最初に受けたオーデョションが『GOD EATER』の主人公・空木レンカ役でした。そして、はじめてTVシリーズの主人公役に受かり、「もしかしたら少しずつ人生が変わっていくのかな」と思わせてもらえました。さらには、シリーズを通じてレンカを演じることで、ひとりのキャラクターの生きざまを自分でも感じられたし、観てくれた誰かに感じてもらうこともできて、それは自分にとってとても大きな喜びでした。そういうチャンスを与えてくれたのが平尾さんです。一時期、平尾さんと一緒に飲みに行った時に、酔っ払いすぎて「お父さん」と呼んでいました(笑)。平尾さんの行きつけのお店に連れていっていただいたのですが、「平尾さんは自分の父なんです!」みたいな妙なテンションになってしまって。でも、そのくらい感謝しています。

(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/映画大好きポンポさん製作委員会

〈覆してやる!〉というセリフ

ーー『GOD EATER』の当時、平尾さんはどんな印象の人でしたか。

木島 よく考えてみると平尾さんも、『GOD EATER』がTVシリーズ初監督だったんですよね。僕もTVシリーズの主人公がはじめてでしたから、お互いに何となく緊張感があったし、不思議な興奮の渦の中にいて、妙に一体感を感じた記憶があります。作品を作っているあいだは制作の方たちとあまりご飯を食べにいったりすることはなかったですが、収録の合間には平尾さんからお話をしていただく機会がかなりありました。何を細かく言ってもらったということではなく、何というか……平尾さんは物腰が柔らかくて、僕に対して敬語で話してくださっていたのを覚えています。それは、今でも変わらなくて。『GOD EATER』が終わってから、何度か一緒に飲み行かせていただく機会がありましたが、僕がどれだけ酔って絡んでいっても、平尾さんはずっと僕に対して敬語なんです(笑)。僕は(距離感を)詰めようとするんですが、ずっと敬語。どうしてなのか、いまだにわからないのですが。でも、リスペクトしてくださっているのだろうし、ほどよい距離感だなとも感じます。そういう面からも、優しい人、愛情が深い人なんだよなぁって、よく思います。ただ、これだけ言っておいて何ですが、平尾さんがどういう人なのか、僕が語っていいものかどうか……すいません、平尾さん!

ーーあらためて、TVシリーズ『GOD EATER』という作品を振り返っていただけますか。

木島 生きることに絶望してしまうような世界の中でも、命をつなげようと抗い生きている人たちを描いていて、その生き方がなぜか魅力的に見える作品です。また、原作がアクションゲームですから、アニメの戦闘シーンも非常に見応えがあります。敵側のアラガミ(クリーチャー、モンスター)がCGで描かれるのですが、それも力強く、ちょっと不気味な魅力があります。あとは、『ポンポさん』の冒頭でミスティアさんがサーフィンで波の中を抜けてくるシーンがありましたが、『GOD EATER』でも水の表現が個人的には印象深いです。すごくリアリティもあるけれど、リアリティのさらに上をいくアニメならではの表現にもなっている。そういう映像の魅力は共通しているので、『ポンポさん』を機会に『GOD EATER』も見返していただけるといいなと思います。

ーー『GOD EATER』から平尾監督らしさを感じることはありますか。

木島 あえて言うのであれば、反骨心を感じるということでしょうか。『GOD EATRE』に、レンカの「覆してやる!」という印象的なセリフが出てきますが、そういう精神が平尾さんの中にもあるのかなと感じます。『ポンポさん』でも、僕が演じたアランの会議のシーンを見て、それこそその「覆してやる」というセリフが自分の中でリフレインしました。新しい世界に飛び出していこうとする人、新しい何かをはじめようとしている人たちが、背中をポンと押してもらえるような優しさを感じます。でも、そういう優しさの一方で、ジーン君のようにーーそういう言い方をしていいのかわかりませんがーー ”狂った部分” もあり、”マイノリティ” であることにどこかで誇りを持っているような気もする。きっと、それがもの作りに欠かせない部分なのかな、と。煮えたぎるようなエネルギーが映像の背後にあると感じさせてくれる。そこが平尾さんらしいといえば、らしいのかもしれないです。そういう意味でも、平尾さんが『映画大好きポンポさん』という作品を作るのは宿命だったのだろうし、『ポンポさん』のアニメ化企画を平尾さんに持ってきた人は素晴らしいと思います。

ーー最後に、平尾監督にメッセージをお願いします。

木島 また一緒に飲みにいきたいですね。試写会の日に「観ました!」ってLineを送ったら、「え、試写会、はじまっているんですか?」と返事がきたので、ちゃんと休めているのか心配です(笑)。状況が落ち着いたら、何か美味しいものでも食べに行きましょう!『ポンポさん』、お疲れさまでした!!

(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/映画大好きポンポさん製作委員会

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。

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