50歳で約4割の「貯金0円世帯」、見直すべきは住居費。老後におすすめの移住先は

日刊SPA!

 厚生労働省の調べによれば50歳で「貯金0円世帯」は約37%に上る。このままでは老後破綻が必至な情勢だが、意外にも生き方一つで明るい老後を迎えられることが判明。特に、「貯金0円世帯」は生活費を見直すことが老後のカギとなる。

◆住居費を見直して老後を楽しく生きる

まず見直すべきは住居費だ。LIFULL HOME’S総研不動産アナリストの中山登志朗氏に、節約するための住まい選びを聞いた。

「月22万円で老齢夫婦が住むなら、家賃は6万円台、間取りは1LDK。そうすると都市圏の準近郊から郊外なら見合った物件が多くあります。さらに、ボランティア活動や趣味のサークルといった高齢者向けの無料の行政サービスが充実している自治体がいいでしょう。

老後はコミュニティに積極的に参加することで、仕事に代わる新たな生きがいを見つけることが大事なのです」

◆家賃が安くて行政サービス充実の準近郊~郊外に移住する

現在、若者の定着を狙って子育て世帯への支援に力を入れる自治体が増えているが医療面はぜい弱。かたや、シニア向けの医療体制や行政サービスという面では、都市圏のほうが圧倒的に充実している。

「お金のある自治体ほど、行政サービスも手厚くなります。自治体の財政は住民が支払う税金に依存していますから、人口が多く、増加傾向の地域は財政力に優れ、今後も行政サービスの拡充が期待できると考えていいでしょう。

総務省統計局のHPでは、各自治体の人口推移が毎月公表されており、移住先を決める前に参考情報としてチェックしておくべきです」

◆老後におすすめの郊外エリアは

一般に、人口が増えているのは都市部であることを考えると、行政サービスが充実して高齢者が安価に暮らしやすいのは、都心に近いエリアだ。だが、年金暮らしの身にとって居住コストの高い都心に住むのはやはりハードルが高いといえる。

「狙い目は都市圏の郊外エリアです。都内だと八王子市、立川市、練馬区の大泉学園。千葉県では柏、神奈川だと座間や厚木。これらの地域は居住コストもそれほど高くなく、財政的に安定し、医療、行政サービスが充実し、懐に余裕のない高齢者にとっても、魅力的な街だと言えるでしょう」

地方移住ではなく、都市郊外移住が現実的だ。

◆高齢者シェアハウスに入居して新たな繫がりを得る

水道光熱費込みの月5万~6万円で、都心に暮らせるシェアハウスは若者たちに人気だが、今後、元気な老人たちが節約しながら、ひとつ屋根の下で暮らす光景も日常的になるかもしれない。

65歳以上向けの賃貸情報サイト「R65不動産」を運営する山本遼氏に、高齢者がシェアハウスに住む利点を聞いた。

「まずは経済的なメリット。シェアハウスは初期費用がかからず、水道光熱費も一人暮らしの場合に比べて断然安い。生活に必要な家具も備わっているので、生活コストを下げつつ、広々とした家に住みたい人にはうってつけです。2つ目は、必然的に周囲と接することで、孤独死のリスクヘッジになります」

◆高齢者シェアハウス、向いている人の特徴は

シェアハウス生活に向いているのはどんな人なのだろうか。

「経済的に自立していないとトラブルのもとだし、コミュニティに溶け込むには精神的な自立も必要。何でも他人任せにしてしまう人は向いていませんね」

R65不動産では都内を中心に12棟のシェアハウスを管理。現時点では高齢者向けシェアハウスの運営実績はないが、実現に向けた青写真を描いている。

「高齢者と若者が共同生活を送るスタイルも面白いと思っています。一つのリビングルームに介護を受けている高齢者がいれば、就学前の子供やそれを見守る親もいる。ご近所付き合いの延長線上にあるコミュニティを、家の中でつくれないものかと模索しているところです」

寂しい生活はまっぴら。安価なシェアハウスは老後の味方だ。

【不動産アナリスト 中山登志朗氏】

LIFULL HOME’S総研副所長。不動産市況分析のプロとして、新聞、雑誌、テレビへの寄稿、出演多数。不動産市況セミナーで年間数多くの講演を行う

【高齢者向け賃貸住宅情報サイト運営 山本 遼氏】

R65代表取締役。シェアハウスや日替わり店長のスナックを運営する傍ら、高齢者向けの賃貸住宅を精力的に紹介。自身もシェアハウスで暮らす

<取材・文/山田剛志(清談社)>

―[50歳[貯金0円男]の老後]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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