草なぎ剛の芝居がすごい!『ミッドナイトスワン』を見た私が「なんてものを観てしまったんだ」と思わされた理由

うちのテレビは映らない。

こんにちは、ライターの藤間紗花です。

我が家の43インチの液晶テレビには、地デジ放送が映りません。チャンネルボタンを押しても映るのは暗闇だけ。

ではなぜ液晶テレビがあるのかといえば、大きな画面でAmazonプライムビデオなど動画配信サービスを楽しむためです。

この連載では、テレビでネット動画を楽しむ私が、個人的おすすめをレビュー&レコメンドしていきます。

草彅剛さんがヒロイン役を演じた映画『ミッドナイトスワン』

以前の記事でもお話しさせていただきましたが、子どもの頃からSMAPファンだった私。解散してから4年経つ今も、元メンバーの出演作はなるべくチェックするようにしています。

元SMAPのメンバーといえば、アイドルとしてだけでなく、それぞれ役者としても高い評価を受けています。ファン時代私の推しだった中居正広さんは、今や司会業をメインに活動されていますが、ほかのメンバーは現在もドラマ・映画・舞台で活躍を続けています。

とくに今年、演技力の高さで話題を集めたのが、草彅剛さん。

2020年公開の映画『ミッドナイトスワン』で演じたトランスジェンダー女性・凪沙役は、「第44回日本アカデミー賞」で最優秀主演男優賞を受賞しました。

 

 

これまでにもさまざまな役を演じてきた草彅さんですが、「ヒロイン役」を演じるのはおそらくこれが初めて。

「いったいどんな演技を見せてくれるんだろう?」と公開当時から気になっていたのですが、「コロナがもう少し落ち着いてから見に行こう!」と考えているうちに、上映が終了してしまっていたんですよね……。

しかし!つい先日より、Amazonプライムビデオで独占先行レンタル配信がスタートしたんです!

というわけで今回は、映画『ミッドナイトスワン』についてご紹介していきます!

 

それぞれの苦しみを抱えながら生きる、凪沙と一果。

まずはあらすじからご紹介。

新宿の小さなアパートで暮らす女性・凪沙(草彅剛)は、幼い頃から性自認と出生の性別の不一致に苦しんでいました。故郷の広島を離れてからは、性別適合手術の費用を稼ぐため、ニューハーフショークラブに勤める日々を送っています。

そんなある日、凪沙の性自認を知らない母親から唐突に連絡が。それは、従姉妹の早織(水川あさみ)の娘である一果(服部樹咲)を、短期間だけ預かってほしいというものでした。なんでも、一果はシングルマザーである早織から虐待を受けており、近所から通報を受けてしまったというのです。

内心面倒に思いながらも、母親からお世話代のお金をもらうために、一果と共同生活をスタートさせます。一方、「叔父のもとで暮らす」と伝えられていた一果は迎えに来た凪沙の姿に戸惑うことに……。

長く早織からのネグレクトに耐えてきた一果は誰に対しても心を閉ざしており、ぶっきらぼうに接してくる凪沙に対しても自分の想いを口にすることはありません。しかし、実は心の中にはバレエに対する憧れを秘めていました。

ある日、一果は近所のバレエ教室の体験レッスンにこっそりと参加。そのときにバレエシューズを貸してくれたりん(上野鈴華)との出会いをきっかけに、違法なアルバイトでレッスン費用を稼ぎながらバレエ教室に通うようになります。

しかし、アルバイト先である事件を起こしてしまったことで、凪沙に全てが知られることに。何も聞かされていなかった凪沙は一果を責め立てますが、「関係ないじゃろ!」と叫びながら自傷する一果の姿を見て、思わず彼女のことを抱きしめます。

そうして少しずつ、凪沙は一果の一番の理解者になっていくのでした…。

演技とは思えない、ひとりの人間の叫び。

作品を見終えてまず最初に思ったことは、「なんてものを観てしまったんだ」ということでした。あまりにも感情移入させられてしまい、見終わって数日経つ今も、思い出すたびに胸が強くしめつけられてしまいます……。

その理由は、やはり草彅さんと、一果役の服部樹咲ちゃんの凄まじい演技力にあると思います。2人の演技は生々しく現実感があり、単に映画を鑑賞したというだけでなく、「ほかの人の人生を見てしまった」という感覚を味わされました。

まず、トランスジェンダー女性という難しい役どころを演じきった草彅さん。SMAP時代も新しい地図として活躍する今も、持ち前の天然キャラからグループのムードメーカー的存在である草彅さんは、演技となるといつも全く違う顔を見せてくれます。それはときに、“草彅剛”という存在を忘れさせるほど。

作中では、凪沙が思わず感情をあらわにするシーンがいくつかあるのですが、そのたびにそれは演技ではなく、“凪沙というひとりの人間の感情”だと思わされるんです。

たとえば、こんなシーンがあります。ここからは少しだけネタバレを含みます……!

共同生活がはじまってしばらくのこと。一果がアパートで留守番をしていると、凪沙が具合悪そうに帰宅してきます。部屋の中へ倒れ込むように入ってきた彼女は、息切れしながら薬を口に含むと、「泣けばよくなるから」と言いながら嗚咽するのでした。

呆然と眺める一果の前で、「なんで私だけ、なんで私だけこんな身体?なんで私だけ?」と号泣する凪沙。その姿からは、心と身体の不一致という、彼女の抱え続ける堪え難い苦しみが、痛いほど伝わってきました。

一方で、「なんで私だけ?」という苦しみを抱えているのは、一果も同じ。まだ幼い一果は凪沙のように言葉にすることはできずセリフはあまり多くないのですが、一果の感情は強いまなざしや表情の機微、そして素晴らしいバレエの技術によって、見事に表現されています。

それぞれの苦しみを抱える2人が信頼を深めていく姿は、涙なしには見られません。「ぜひ実際に2人の演技を見て、凪沙と一果の生きる日々を感じてほしい!」と思いました。

凪沙と一果の関係はどのように変化していくのか?それぞれの苦しみから解放される日はくるのか?物語の結末が気になった方は、ぜひAmazonプライムビデオから『ミッドナイトスワン』をレンタルしてみてください!

 

『ミッドナイトスワン』が気になった人はコチラから!

WRITER

  • 藤間紗花
  •        

  • 自然と犬を愛するフリーライター。埼玉県出身、東京都在住。山に登る以外は、だいたい家で動画を観ています。

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