ナイナイ矢部「僕はサッカーで作られた」 相方・岡村とも部活で培った絆が根底に


●サッカーに感謝「自信をつけさせてもらった」
サッカー経験者で、サッカー好きとして知られているお笑いコンビ・ナインティナインの矢部浩之(49)。18年半にわたってテレビ朝日系『やべっちF.C. ~日本サッカー応援宣言~』でMCを務め、現在は動画配信サービス・DAZNで配信中の『FOOTBALL PROGRAM やべっちスタジアム』でサッカーの魅力を発信している。また、女子サッカーを舞台にした『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』(6月11日公開)で声優に初挑戦。サッカー経験が仕事につながっているが、自身の人格も「サッカーで作られた」と矢部は言う。

人間関係においても、サッカー部の仲間とは深い絆で結ばれているようで、相方の岡村隆史も高校のサッカー部の1個上の先輩だ。高校卒業後に吉本の養成所NSCに入学し、お笑いの道へと進んだ2人。高校時代に培った絆が根底にあるからこそ、コンビとして30年以上も続いていると矢部は考えている。また、矢部は中盤、岡村はフォワードというポジションがコンビの関係性に直結。「アシストが好き」という矢部は、「相方に振ってドカンとウケたら心の中でガッツポーズしてます」と笑った。

――『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』は、子供の頃から男子に交じってサッカーを続けてきた主人公・恩田希(ノンちゃん)が、男子サッカー部のなかで苦闘する姿を描いた物語です。本作を見て、ご自身のサッカー部時代を思い出しましたか?

思い出しましたね。僕はそのまま、ノンちゃんなんです。フィジカルが弱くて選抜メンバーから落とされたりしましたが、ボール扱いは自信があって顧問に褒めてもらったり。一つ一つのエピソードが当てはまる。ただ、大きな違いは、僕はただ腐っていったという……。

――高校までサッカーをやり抜き、全然腐ってないと思うのですが。

高2の夏前に大阪選抜のトレセンに行き、自信がありましたが、180cmくらいの人に当たられてこけたんです。監督から「矢部は線が細い。体を大きくしよう」と言われ、180cmのディフェンスの人が選抜に入り、そこで僕の中では腐りました。でも、選手権の予選が残っていたので、そこを最後にすることに。そして、4回戦で当時全国常連校だった北陽高校と当たって5-0で負けて、燃え尽きました。

――全力で取り組まれていたサッカー部時代に人間としても大きく成長されたと思うのですが、当時の経験が今のご自身の軸になっているなと感じる部分はありますか?

めちゃめちゃあります。僕はサッカーで作られたと思っています。

――具体的に、何を得たと感じていますか?

いいことも悪いこともありましたが、自信をつけさせてもらいました。小3のときに少林寺拳法を習っていたのですが、1時間前に体育館に入って同級生とボールを蹴るのが楽しくて。そうしたらある日、先生に「そんなにボール蹴りたかったらサッカー部に入れ!」と言われ、部活は5年生からでしたが、サッカー部の顧問が「ええよ」と言ってくれて、公式戦も3年生なのに5年生登録で出してもらって。その入り口が自信になり、中学でも先生から「うまい」と言われ、自信がつきました。

――その自信が、生きていく上での自信にもつながっていったのでしょうか。

そうですね。学校における自分のポジションがあると思いますが、芸能界においても同じようなポジションにいるなと思える。なんとなく目立っていたグループにいたし、サッカーでちやほやされたし、高校は一番いいポジションの副キャプテンをやりましたし。キャプテンは責任が大きくて嫌だったので断って(笑)。また、強運もあるなと感じています。学校のそのポジションにいられたのも運、この世界に入れたことも、先輩方や番組スタッフ、マネージャーとの出会いも運だと思います。

――今後、何があっても、いいポジションにいられる自信と運があるということですね。

そうです。この先もなんとかなるだろうというか、変わらない自分でいられると思っています。

●養成所で出会っていたら「どこかでコンビ別れを…」

――濃密な時間をともにした部活の仲間との絆は一生モノだと思いますが、人間関係に関しても、サッカー部時代に得られたものは大きいと感じていますか?

それはあると思います。高校時代のサッカー部の連中は、今でもたまに会います。そして、毎年同じ話をしている。「あのときお前のあれで点を入れられたな」とか、試合の失点の話をいまだに (笑)。でもそれはサッカーをやってないとできなかったことだなと。立ち位置も変わらずキャプテンは今でも偉そうで(笑)。しゃべっていることや関係性がまったく変わらない。濃密な3年間だったんだなと思います。

――岡村さんとも、コンビという形で関係が続いています。

結成から30年経ちましたが、出会ってからだと33年。相方は1個上なので高校で一緒に過ごしたのは2年間ですが、今でも一緒にいるというのは特別ですね。

――昨年5月にニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』が復活した際、岡村さんの失言騒動をきっかけに密に連絡を取り合うようになったと明かされていましたが、今も密に連絡を取り合っていますか?

今はまた戻りましたけど、普通にしゃべるかな。それまで普通のことをしゃべれず、コンビってこんなもんやろと思っていましたが、今は普通にしゃべります。

――サッカー部時代に培った関係性が根底にあるから、ピンチも乗り越えられるのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

そうですね。養成所で知り合って組んでいたら、どこかでコンビ別れしてるんちゃうかなと思います。この世界に入る前からの知り合いで、腐れ縁。高校で相方と出会ってなかったら僕は吉本に入ってないですし、人生が大きく変わりました。相方に断られていたら、ほかの子を誘っていたかというと、そんなことないので。

――岡村さんだから組みたいと思われたんですね。

サッカー部の同級生で一番仲良かったセコチンに「なんで俺、誘ってくれへんかってん。なんで岡村さんやねん」って泣かれて、「面白いのは岡村さん。セコチンは仲いい友達や」と。自分の中で線を引いていたんですよね。面白いのはこの人って。相方と出会ってなかったら絶対に養成所、そして吉本に入ってないですし、相方も吉本に入ってない。真面目で、国家公務員になるって言ってましたから(笑)

●サッカーでのポジションがコンビの関係性に直結

――コンビの関係性に関して、サッカー部時代に培ったものが生きているなと感じている部分はありますか?

僕はずっと中盤をやっていたので、アシストが好きなんです。周りを見るというのは、今カメラ前でもやっていることだなと。相方はフォワードで、それがよかったと思っています。

――当時の関係性が今にもつながっているんですね。

そうですね。僕がガチガチのセンターフォワードやったら、このスタイルではないと思います。何とか笑いを取りにいこうとして、相方とかぶってしまう。

――高校時代、矢部さんのアシストで岡村さんがゴール決めたことはありましたか?

相方がレギュラーではなかったので少なかったと思いますが、僕がAチームとして出場したあとにBチームの試合に出ることもあったので、何点かあったと思います。

――アシストした選手はガッツポーズしないことが多いと思いますが、矢部さんもそういうタイプですか?

そうですね。そこでガッツポーズもドヤ顔もしないのがかっこいいというのが僕の中にあって、相方やゲストに振ってドカンと受けたら心の中でガッツポーズしてます(笑)

――矢部さんのいるチームが強いと思われるのがうれしい?

そうですね(笑)。あいつが回してるんやと思われているくらいが一番気持ちいい。恥ずかしさもあるんです。パスを出してフォワードが喜んでいるのを見ずに自陣に帰っていく……「この俺の後ろ姿を見ろ!」って(笑)。フォワードに抱きつかれたら、あんまりしてくれるなって。そんなかっこつけ方が好きです。

●サッカーの仕事に喜び 岡村も「やりたい」

――サッカーに関わるお仕事をずっとされてきて、『さよなら私のクラマー』では声優としてサッカーに関わることに。原作には登場しない、矢部さんのために用意された“矢部先生”を演じられていますが、オファーを受けたときの心境を教えてください。

「え、何したらええの?」ってマネージャーに言いました。番組内の企画で声優をやったことはありましたが、難しいという記憶しかなくて。「矢部先生という本人のシーンを付け足します」と言われ、ありがたいなあと思いましたし、サッカーが好きなのでやらせていただくことにしました。

――完成した映画を見てどう感じましたか?

うまいことやってくれたと思いました。いらないっちゃいらないけど、本編ともつながっていて。この作品にいっちょかみさせていただいて、ありがたい。これはもう、めいっぱい宣伝しないといけないなと思いました(笑)

――作品全体の感想もお聞かせください。

自分と勝手に重ね合わせながら、あっという間に終わって面白かったです。また、今の時代を象徴しているのかなというのも感じました。女子だからあかんのかという、大きな問題のメッセージもあると思いました。

――本作を見てサッカーに興味を持つ人もいると思います。その手伝いができるというのは、うれしいですか?

この作品をきっかけにサッカーをやってくれたら、そんなうれしいことはないですね。女子のサッカー経験者も増えていますし。長男がスクールに行っていますが、女の子4、5人いて、アンダー10、アンダー12と、残っている女の子ほどうまいです。で、髪型は澤穂希さん。すごい影響力だなと思います。

――サッカーのお仕事はコンビではなく矢部さんお一人で担当されているイメージが強いですが、2人でサッカーの仕事をやりたいという思いはありますか?

相方はずっとやりたいと言ってます。『やべっちF.C.』を1人でやったことを根に持ってますから(笑)。ピンで話が来たから自然な流れでこうなったんですけどね。でも、お話をいただけるのであれば、ぜひコンビでやらせていただきたいです!

■矢部浩之
1971年10月23日生まれ、大阪府吹田市出身。1990年に高校サッカー部の先輩・岡村隆史を誘い、ナインティナインを結成。NSC卒業後、1991年に吉本の若手コンビ6組で構成されるユニット「吉本印天然素材」に加わり東京進出。『新しい波』『とぶくすり』『めちゃ2イケてるッ!』『ナインティナインのオールナイトニッポン』など数々の番組で人気を博す。個人としても活躍しており、現在は『アウト×デラックス』や『FOOTBALLPROGRAM やべっちスタジアム』などに出演している。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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