「50代で貯金0円」全世帯の約37%に。老後破綻しないためのお金の使い方とは

日刊SPA!

 厚生労働省の調べによれば50歳で「貯金0円世帯」は約37%に上る。このままでは老後破綻が必至な情勢だが、意外にも生き方一つで明るい老後を迎えられることが判明。50歳貯金0円男でも、幸せに老後を生き抜く方法を真剣に考えてみた!

◆全世帯の4割が該当。「50代貯金0円世帯」

住宅ローンや子供の学費などを抱え、自分の老後の資金づくりに手が回らない50代は少なくない。

このような「50代貯金0円世帯」は’19年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると3割に上っている。こうした夫婦はすでに老後破綻の危機に直面している。

だが、50歳からの生き方一つで老後破綻を免られるという。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が世帯年収510万円と仮定して、解説してくれた。

◆ローン&学費で貯金ゼロ……世帯年収510万円の場合

50歳のサラリーマン、素波太郎一家(世帯年収510万円・妻50歳・娘18歳)をモデルケースに、50歳からのお金の使い方をシミュレーションしてもらった。

夫:素波太郎(50歳)

年収410万円/都内の中小企業に新卒で入社(勤続28年目の課長職)

妻:素波花子(50歳)

現在パート勤務/年収100万円(30歳まで正社員、その後専業主婦やパート)

娘:素波佳子(18歳)

大学1年生(今春4年制私立文系学部入学)

夫の給与と妻のパート代を合わせた世帯年収は、510万円。15年前に東京郊外に2500万円でマンションを買い、35年ローンで毎月7.5万円を返済している。今春、子供が私立大学に進学し、入学金・授業料などを払ったことで、夫も妻も貯金はゼロになった。

◆54歳から毎月5万円を貯金できるかがカギになる

「素波家のような場合、夫婦が65歳からもらえる年金額は月22万3000円(現時点)。社会保険料などを引くと、約21万円で老後の生活をすることになります。これでは、安心した生活を送ることはなかなか難しい。しかし、50歳貯金0円でも、ここから貯金すればまだ間に合います」(長尾氏)

素波家の手取り月収は約35万円。住宅ローンと子供の学費を考えると、53歳まで貯金するのは難しい。それどころか、大学の学費を考えると、家計支出は収入を上回り、42万円ほどの借金を抱えてしまうことになる。

「それでも、子供が大学を卒業してしまえば、家計はグッと楽になります。同年収で最も平均的な住宅ローンは7万5000円とし、他の生活費を見直せば、月5万円は頑張れば貯金に回せるはずです」

◆葬儀代や医療費を考え月3万円を取り崩す

月5万円貯金できれば、982万円の資産形成が可能だ。つみたてNISAやiDeCoを使えば、さらに資産を増やすこともできるだろう。

しかし、貯金0円から900万円超の資産ができたからといって安心してはいけない。ここから葬儀代(全国平均で約195万円)や医療費を考えると、平均寿命付近の85歳時点で約350万円は死守したいところ。毎月貯金から使える金額は3万円が限界だ。

ちなみに、一旦要介護になると総額約800万円がかかるという試算も。貯金0円男は健康第一であることを肝に銘じておきたい。

「それでも、年金+貯金で月22万円の生活費を確保することができます。決して贅沢な暮らしはできませんが、老後破綻は免れることはできるはず。

老後も、常に固定費の見直しと節約は重要。貯金を取り崩して生きることは、凄まじいプレッシャーと恐怖を人間に与えます。できるだけ年金支給額に支出を近づけることが明るい老後生活のキモとなります」

【ファイナンシャルプランナー 長尾義弘氏】

出版社勤務を経て独立。’04年にFP2級を取得し、お金や保険についての情報を発信。『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)など著書多数

<取材・文/沼澤典史(清談社)>

―[50歳[貯金0円男]の老後]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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