アフリカから迎えた養女に474回もの不要な手術や治療を受けさせた養母、虐待の容疑で起訴される(米)

アフリカから幼い姉妹を養女に迎えたアメリカに住む女が、難病を患う養女のために治療を受けさせていたことで周りから称賛を浴び、多額の支援を受けていた。しかしのちに医師らによる訴えから、女は養女に対して不必要な治療や手術を受けさせていたことが明らかとなった。その回数は少なくとも474回以上にのぼるという。『New York Post』『People.com』などが伝えている。

米ワシントン州キング郡シアトルにあるキング郡検察庁が、このほど法廷に提出した起訴状が多くの注目を集めた。起訴状の内容は、ワシントン州在住のソフィー・ハートマン(Sophie Hartman、31)がアフリカのザンビア共和国から養子に迎えた現在6歳になる娘に対して、医学的に必要のない治療や手術を4年以上にわたり少なくとも474回以上受けさせていたというものだった。

地元メディア『KING 5』が2019年に伝えた内容によると、ハートマンは大学1年の時にキリスト教宣教師の一員としてザンビアに1か月間滞在したことをきっかけに、カーメルちゃん(Carmel)とミアちゃん(Miah)の幼い姉妹を養子に迎えることにしたそうだ。当時のインタビューで、ハートマンは「妹のカーメルは小児交互性片麻痺(AHC)という100万人に1人の難病に罹患している」と語っていた。

『難病情報センター』のウェブサイトによると、小児交互性片麻痺とは乳児期から幼児期初めまでに発症する身体の左右どちらかが不定期に麻痺症状を繰り返す疾患という。

『New York Post』などが伝えたところによれば、カーメルちゃんはこの疾患を治療する過程で2017年7月に食事や飲み物、薬が胃に直接届くようにカテーテルを挿入する手術を受け、2018年12月には腸を洗い流すためのカテーテルを挿入する手術を受けていたそうだ。

ハートマンはその後も、カーメルちゃんに対して思春期早発症を抑えるための手術を要望していた。またカーメルちゃんの治療を続ける間、ハートマンはYouTubeチャンネルやSNSを通じてカーメルちゃんへの支援を求めていた。その結果、過去4年間でクラウドファンディングサイト「GoFundMe」を通して1万5661ドル(約171万円)の寄付を受けて車椅子対応の車を購入し、教会の募金活動で3万583ドル(約335万円)を得ている。

さらに2019年にはカーメルちゃんとミアちゃんの要望という名目のもと、オレゴン州の馬牧場で5日間過ごすための費用の支援を、難病の子供を支援する団体「メイク・ア・ウィッシュ」から受けていることが分かっている。

しかしこのハートマンの行動を不審に思ったシアトル小児病院の院長であるレベッカ・ウィスター氏(Rebecca Wiester)が病院内の調査のもと、今年2月19日に他の医師らと連名でワシントン州児童青少年局にハートマンについて調査依頼の文書を提出した。

文書には不必要な治療や手術によってカーメルちゃんが衰弱していることが綴られており、文末には「これは医療を利用した児童虐待である」と締めくくられていた。これによりカーメルちゃんはハートマンのもとから離れて16日間の検査を受けることとなった。

その結果、カーメルちゃんの疾患を裏付けるような所見や症状は一切なかったことが判明した。また医師は、何度もハートマンに対して「カーメルちゃんに下肢装具や車椅子は必要がない」と診断していたにもかかわらず彼女はそれらの使用を止めることはなかったそうだ。

そして今年3月、ハートマンはカーメルちゃんの保護者としての権利を外された。のちに当局の調べでハートマンは、知人に「カーメルはいつだって逝くことができる」と話していたことやインターネットで「葬歌」や「障害を抱えた家族がお金を得る方法」を検索していたことが明らかになった。

ハートマンは第2級児童虐待などの容疑で起訴されたものの、弁護士を通じて「医師らの申し立ては虚偽である」とし、カーメルちゃんに医学的に必要のない治療や手術をしたことを真っ向から否定している。

画像は『New York Post 2021年5月30日付「Mother accused of forcing adopted daughter into surgery, treatments」(YouTube)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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