スマホにインストールすることで、遠隔操作で位置情報を取得したりさまざまな操作ができる「監視アプリ」は、他人に勝手にインストールされてしまうとプライバシーが筒抜けになってしまいます。しかも、監視アプリにはインストールされていることに気づきにくい機能も用意され、発見や削除が通常のアプリに比べて難しくなっているのです。

監視アプリの無断インストールは違法
スマホアプリで密かに「人気」なジャンルのひとつに、外部から位置情報を監視するアプリがあります。もともとは「自分のスマホを紛失した際に、その位置情報を外部から確認するために使う」というのが建前ですが、なかには写真撮影や録音が遠隔操作で行えるものも流通しているのです。
Android向けとしては「Cerberus(ケルベロス)」が代表的な監視アプリで、利用料金は1台あたり1年5ユーロと、継続課金アプリとしては割安な設定です。ケルベロスをインストールしたスマホは、位置情報だけでなく画面のスクリーンショット、内蔵カメラでの写真撮影やビデオ撮影などを、Webサイト上から遠隔操作で行えます。
ケルペロスのようなアプリが合法的に流通しているのは、自分でインストールして盗難に備える人が存在することと、家族のスマホへ本人同意の上でインストールして「見守りアプリ」として活用するパターンも実際あるためです。当然ながら、本人に無断でインストールしてケルペロスを使うことは違法となります。
ケルベロスの偽装版はアプリ名に注意
ところが、ケルペロスが「人気」を集める理由の1つに、スマホ上に表示されるアイコンを消せる機能が付いていることが挙げられます。本人同意の上であればこの機能は必要ありませんが、無断インストールで悪用するのであれば、ケルベロスのインストールに気づきにくくなる効果が期待できるというわけです。
それでは、無断でインストールされ、なおかつアイコンも消えてしまったケルベロスをアンインストールしたい場合はどうすればよいのでしょう。じつは、アイコンが消えた状態であっても、Androidの設定画面から「アプリと通知」→「○○個のアプリすべてを表示」と選ぶことで、インストールされた全アプリが表示されるのです。
そして、アプリリストのなかに「Cerberus」があれば、ケルベロスがインストールされている証拠で、これを選択してアンインストールをすればOKです。ところが、アプリリストに「Cerberus」がなかった場合も安心は禁物。というのも、ケルベロスの「偽装版」を利用すると、別の名前のアプリとして登録されるからです。
偽装版ケルベロスが使うアプリ名は「System Framework」という、一見Androidのシステムファイルと間違えそうなもの。アプリアイコンもAndroidのイメージキャラクターが使われるため、気づきにくいので要注意です。このアプリ名を見つけた場合も、さきほどの通常版と同様の手順でアンインストール可能です。