『ドラゴン桜』だけじゃない。テレビマンたちがオススメする春ドラマ

日刊SPA!

◆例年にない盛り上がりを見せる春のドラマは『ドラゴン桜』だけじゃない!

各局で4月クールの春ドラマの放送が開始。映画『花束みたいな恋をした』のヒットで再び脚光を浴びている人気脚本家の坂元裕二による『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系、火曜21時~)、石原さとみと綾野剛のダブル主演が注目される『恋はDeepに』(日本テレビ系、水曜午後10時~)や北川景子と永山瑛太が共演する『リコカツ』(TBS系、金曜午後10時~)、菅田将暉や神木隆之介や有村架純らの共演で話題になっている『コントの時間』(日本テレビ系、土曜午後10時~)、16年ぶりに帰ってきた話題作『ドラゴン桜』(TBS系、日曜午後9時~)など、豪華すぎるほどのドラマがそろい、例年にないほどの盛り上がりを見せている。

序盤回が放送されて内容や視聴率が明らかになってきたところで、改めてテレビマンたちはどのドラマを面白いと思っているのだろうか? これからでもぜひ見たほうがよい作品を忖度抜きで聞いた。

◆『半沢直樹』を思わせる重厚感たっぷりの『ドラゴン桜』

まずはキー局でテレビドラマを手掛けてきた40代の元プロデューサーで現在はコンテンツ事業部に勤めるA氏に話を聞いた。

「外せないのは、日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系、日曜午後9時~)でしょう。ハッシュタグ「#ドラゴン桜」が放送中にツイッターの世界トレンド1位になったほか、初回の平均世帯視聴率は14.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と春クールトップの数字をマーク。阿部寛演じる元暴走族の弁護士・桜木が落ちこぼれの生徒を東大合格へ導くというストーリーは16年前の前作とほぼ同じですが、新たに学園内のドロドロとした権力抗争を織り交ぜているほか、イマドキの若者についても細かくリサーチして描かれている点は見事だなと思いました。

特に、演出に『半沢直樹』などをヒットさせた福澤克雄さんが入っていることもあり、カメラワークやセリフ回しは前作に比べてかなり重厚なモノになり、若者から大人まで楽しめる仕上がりになっている。今後も視聴率は伸びていくと思いますね。また、初回に前作キャストの紗栄子さんや林遣都さんがサプライズ出演したことも話題になりましたよね。今後もさらなるサプライズがいくつかあると聞いています」

◆『生きるとか死ぬとか父親とか』の些細なやり取りに涙がホロリ

そんなA氏が注目するもう一作を挙げてくれた。

「吉田羊さんと國村隼さんが主演を務めている『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京系、金曜深夜24時12分~)ですね。ラジオパーソナリティーとして人気のジェーン・スーさんの実体験をもとにしたアラフォーの娘とその父親の日々を淡々と描くドラマですが、些細なやり取りやいざこざが切実すぎて胸に詰まるような気持ちになる。2人の巧みな演技力も相まって、ドラマ終盤にはホロリと涙することもしばしば。キラキラとしたドラマに疲れた人にこそ見てもらいたい作品ですし、この後の展開も気になるドラマです」

◆石原さとみのキャラクターが残念な『恋はDeepに』

「期待外れだったのは『恋はDeepに』(日本テレビ系、水曜午後10時~)。海をこよなく愛する変わり者の海洋学者という役どころの石原さとみさんが“よくも悪くも”かわいすぎる。もっとブッ飛んだキャラクターを期待していただけに残念。綾野剛演じるクールな御曹司と対立しつつも惹かれていくところが魅力なのでしょうが、そのギャップがなさすぎる。早くも見飽きてしまっている人も多いのでは? 脚本を担当する徳尾浩司さんはここ数年の実績は十分なので、今後の盛り上がりに期待したい」

◆視聴率以上にクセになる『大豆田とわ子と三人の元夫』

また、現在はネットドラマを担当するキー局女性プロデューサーのB氏にも、女性目線での意見も聞いてみた。

「毎週楽しく見ているのは、坂元裕二さん脚本の連続ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系、火曜21時~)です。初回の世帯視聴率こそ7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とまずまずでしたが、その後は右肩下がり。ユーモラスでリアルな掛け合いはいつにも増して坂元ワールド全開なので、そこを味わってもらいたい! 3話現在でストーリーがあまり展開していないことも低迷の理由の一つだと思いますが、終盤以降に怒涛の展開や裏切りを描いてくれるはずなので、今からでもよいので見てほしいです」

◆重厚感とエンタメ要素が嚙み合った『桜の塔』

「期待以上だったのは、玉木宏主演の『桜の塔』(テレビ朝日系、木曜夜9時~)ですね。ストーリーとしては、玉木宏さん演じるエリート警察官・上條が、出世のために汚い仕事も次々に遂行していく異色の警察ドラマ。TBSの日曜劇場を思わせるような重厚で暑苦しいシーンも魅力的なのですが、事件モノの要素もしっかり残しているのでドラマとして見やすい。『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で注目を集めた脚本家・武藤将吾さんらしいエンタテインメント寄りのシナリオもハマっているかと。初回世帯視聴率は13.5%ですが、ラストにかけてもっと伸びてくるかと思います」(キー局女性プロデューサーのB氏)

◆恋の行方が気にならない『着飾る恋には理由があって』

また、前出のキー局女性プロデューサーのB氏からは残念な作品も……。

「今のところ、ハマれずにいるのは『着飾る恋には理由があって』(TBS系、火曜午後10時~)ですね。近年、『逃げ恥』や『恋はつづくよどこまでも』、『家政夫のナギサさん』といった胸キュンドラマを定着させた火曜10時枠ですが、どれも一人の男性に思いを寄せるところがよかった。今回は“ルームシェア”がテーマにあることもあり、川口春奈さん演じる真柴をとりまく恋のライバルが多すぎて、やや見づらさがある。もっと王道路線でもよかったのでは? 向井理さんや横浜流星さんなど、イケメンがたくさん出ているのはうれしいですけど(苦笑)」

◆『HERO』に匹敵する面白さの『イチケイのカラス』

続いて、脚本家にもおススメ作品を聞いた。

映画やネットドラマ、マンガ原作なども手掛ける女性脚本家のC氏が見ている作品はこちら。

「『イチケイのカラス』(フジテレビ系、月曜午後9時~)はバディモノの法廷ドラマで「またか……」と思う方もいるかもしれませんが、非常によくできていると思います。竹野内豊演じる裁判官・みちおの飄々とした佇まいとエリート裁判官を目指す黒木華さん演じる千鶴の演技がとにかく達者。シナリオも現代社会を巧みに切り取った事件を描いており、同じ月9枠の法廷ドラマ『HERO』(フジ系)と比較しても遜色ない面白さがある。あとはラストに向けて二転三転するような意外な展開があると、最終回まで高視聴率をキープできるのでは?」

◆殺したはずの夫が蘇るラブサスペンス『私の夫は冷凍庫に眠っている』

さらに前出の女性脚本家のC氏はもう一作、注目している作品を教えてくれた。

「個人的に注目しているのは『私の夫は冷凍庫に眠っている』(テレビ東京系、土曜午後11時25分~)。殺した夫の遺体を冷凍庫に隠したはずなのに、なぜか翌日にその夫が帰ってきて生活を始めることになるという奇想天外なサスペンスなのですが、全く展開が読めない。ラブストーリーの要素もうまく描かれており、深夜枠とは思えないほど見応えがありますね。映像や音響などの演出も凝っているので今からでもよいので見てほしい」

◆巣ごもり中は自宅でゆっくりドラマを

以上のようにテレビ関係者たちの春クールドラマの評価と注目作を紹介してきた。「緊急事態宣言」を出された地域を含めて全国的にコロナの影響でなかなか外出ができないだろうが、こんなときこそ百花繚乱の春ドラマを見て、お気に入りの一作を見つけてもらいたい。

〈取材・文/木田トウセイ〉

【木田トウセイ】

テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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