年収720万円の40代部長がコロナ解雇。チューハイ片手に近所を徘徊

日刊SPA!

新型コロナ発生から1年。厚生労働省は、コロナ関連で仕事を失った人が10万人を超えたと発表。正規・非正規、老若男女問わず、多くの労働者が解雇の憂き目に遭った。昨年9月までインターネット広告代理店で管理職を務めていた男性は、コロナ禍により親会社の経営が悪化。社員を半分に減らすよう親会社から人員整理のメスが入り、解雇されてしまったという。詳しい話を聞いた。

◆50社超に応募も就職できず、チューハイ片手に近所を徘徊

小林功さん(仮名・41歳)は、年収720万円で部長としてインターネット広告代理店に勤めていた。だが、コロナ禍により親会社の経営が悪化。小林さんが所属していた社員50人ほどの子会社は、社員を半分に減らすよう親会社から人員整理のメスが入ったという。

「親会社の人事部からは、面談と称され何度も退職勧奨を受けました。『残っても、大幅な減給になる。他社に移ったほうがいいのでは』と、自己都合退職を促されました。こちらが応じずにいたら、とうとう解雇になったんです」

当初は納得いかなかったが、連日ニュースでコロナ不況が報じられるなか、小林さんも「コロナだからリストラされても仕方がないのか」と自分に言い聞かせるように。最悪なのは、会社から退職金が支払われなかったことだ。

「入社時に退職金は出ないと説明されていたので、文句は言えませんでした。そこは会社も筋を通すのかと、感心しましたね」

◆面接にたどり着けたのは4社のみ

小林さんは現在、妻と3歳の息子との3人暮らし。失業後は妻がスーパーのレジ打ちのパートを始めたため、その稼ぎと失業給付金26万円を合わせると、毎月35万円程度は口座に入ってくるという。

「ただ、マンションの家賃15万円に車のローン、子供の習い事代、それに生活費で全額使い果たしてしまいます。節約はしているのですが、すぐに生活レベルを変えるのは難しいですね」

失業給付金の給付期間は今年の5月まで。それまでには就職先を見つけようと、複数の転職エージェントに登録。IT業界と広告業界に絞り、求職活動を続ける。

「50社以上の求人に応募し、面接にたどり着けたのは4社のみ。採用はゼロです。前職の年収720万円より300万円以上も低い、年収400万円台の求人でさえ書類選考の段階で落とされます」

◆妻の風当たりもきつくなり……

今年に入ってからは、コロナで事業の見通しが立たないからと、企業側から面接を取り消されることもあったという。「就活へのモチベーションもガタ落ちです」と、力なく笑う。そんな小林さんの最近の日課は、缶チューハイ片手に夜の住宅街を散歩することだ。

「解雇されたばかりの頃は妻も私を慰めてくれましたが、無職期間が長引くにつれ、風当たりがきつくなってきました。最近は、夕方妻がパートから帰ってきたら、そっと家を抜け出しています。20時以降はファミレスも開いていないので、ふらふらと住宅街を徘徊するしかないですね」

半年に及ぶ無職期間に焦りが募る。

◆両親にはまだ解雇されたことを言えず……

「両親にはまだ解雇されたことを言えずにいます……」

再就職活動中の小林さんに、コロナの風はまだ冷たく吹き続ける。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[コロナ解雇、その後]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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