「五輪に選手村など要らない」 今後は発想の転換も必要と海外の専門家

しらべぇ




コロナ禍での東京五輪・パラリンピック開催や、医療従事者の大量派遣の是非をめぐり、Twitterが騒がしくなっている日本。

国民の多くが中止か再延期を望んでいること、ワクチン接種率がやっと1%を超えたところであることを理由に、「これで安全な開催など可能なのか」と海外メディアもひたすら疑問を投げかけている。

そんな中、ワシントンポスト紙の記事が「的を射ている」と話題になっている。

■バッハ会長の精神論に反感


5月1日、ワシントンポスト紙が東京五輪・パラリンピックに関し、大変長い記事を掲載した。

日本の新規感染者、死者ともに急増しているこのタイミングで、なぜか「歴史的にみても、日本は逆境に打ち勝つ不屈の精神に支えられてきた(だから今回も大丈夫)」といった精神論・根性論を持ち出したバッハ会長。

「日本人が自信と回復を実感する大会になるだろう」などとも述べたことについて、同紙は、日本国内のワクチン接種率はわずか1.3%であり、国民は言われるがままという菅首相の態度とIOCへの反感が増幅していると記している。

関連記事:海外選手から「東京五輪不参加」の声 ワクチン接種遅れやIOC会長の「奨励」発言も一因か

■「選手村」不要論も


記事のなかで目を引いた1点は、海外では「もはや五輪は“made-for-TV“(テレビ放送向け)」と考える人もいるということ。映像を世界に配信すればガッポリ儲かるのだから、無観客でもよいからとにかく開催しようという強引な発想への批判だ。

もう1点は、五輪に深くかかわってきたスポーツ・マーケティングの専門家であるロバート・メイズ氏の「選手村など不要」という持論だ。

民間の不動産開発業者が関わった選手村を、購入者に早く引き渡す必要があるといわれているが、若いアスリートたちはお祭り騒ぎが大好きで、そもそも選手村は一番「密」が懸念される場だ。

今年に関してはもう遅いが、今後に関しては「競技別に会場近くのホテル、トレーニングキャンプなどに分かれて収容すればよい」という、メイズ氏の案を支持する人は多いかもしれない。

■高い湿度や気温も問題


従来とはかなり異なるものになるという東京五輪。「密」なシーンというと開会式や閉会式も心配だが、マスクを外したくなるような東京の7月の湿度と気温にも不安があると同紙は報じている。

IOC五輪執行局長のクリストフ・ドゥビ氏は、安心安全な大会開催のための英知を絞り、大変な努力をもってプレーブック(規定集)が作成されたと強調しているが、スポーツの世界で密を避けることは非常に難しい。

日本のラグビー界では、リコーの選手やスタッフら22人の新型コロナ感染が判明し、プレーオフトーナメント準々決勝の出場中止が発表されたばかりだ。

■最大9万人の来日に対応できるのか


ちなみに、5月1~6日に東京で行われる五輪最終予選をかねた飛込みワールドカップ2021について、オーストラリアは「ワクチンが行き渡らず、現時点では安全ではない」と判断。選手団を派遣しないことにした。

海外の選手や関係者が最大で9万人も来日するとされる東京五輪。ワクチン接種が義務ではないうえ、英語でのコミュニケーションが難しい人々も大勢やってくる。

「#看護師の五輪派遣は困ります」がTwitterのトレンド入りを果たしたが、辞退が続いた大会ボランティアも、その後に必要な人数分を確保できたのだろうか。

・合わせて読みたい→モト冬樹、池江璃花子選手の内定に言及 「無理やりでも五輪をやってあげたい」

(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

当記事はしらべぇの提供記事です。

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