KAAT キッズ・プログラム、10年目のテーマは「夏休み」 振付家・北村明子演出による新作ダンス公演を上演

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2021年7月12日(月)~19日(月) KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて、KAAT キッズ・プログラム 2021『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』が上演されることがわかった。

KAAT 神奈川芸術劇場が、2011年の開館時より開催している「KAAT キッズ・プログラム」、10年目となる今年は「夏休み」をテーマに、振付家・北村明子演出による新作ダンス公演を行う。「夏休み」には死者を迎え入れるお盆の時期も含まれている。「精神の移動」「死生観」「自然の一部としての身体の躍動」などをキーワードに、子どもたちが言語ではなく身体を通じて、生死や自然について新たな発見・体験ができる作品づくりを目指すそうだ。

振付・演出の北村明子は、高い身体性と映像・照明などを駆使した力強い表現が高く評価されており、KAATでは、2018年に KAAT DANCE SERIES『土の脈』を上演。インドの作曲家や、カンボジア・インドネシアのダンサーなど文化の異なるアーティストとの作品創作を通じ、言語以前の人間の根底にある記憶を呼び起こすような表現に成功した。本作では、感受性の豊かな子どもたちに言語を超えた身体表現で訴えかける。
KAAT DANCE SERIES Cross Transit project『土の脈』(2018) 撮影:大洞博靖
KAAT DANCE SERIES Cross Transit project『土の脈』(2018) 撮影:大洞博靖
KAAT DANCE SERIES Cross Transit project『土の脈』(2018)  撮影:大洞博靖
KAAT DANCE SERIES Cross Transit project『土の脈』(2018) 撮影:大洞博靖

また、舞台美術には、自然と生き物をモチーフに身体や生命について訴えかける作品を数多く手がけてきた若手の現代美術家・大小島真木を迎える。フランスでの個展開催、VOCA 奨励賞の受賞、さらに2017年にはアニエス・ベー主宰による海洋調査船タラ号のプロジェクトに参加するなど、若手の美術家として国内外で期待を集めており、こどもたちの様々なイメージを沸き起こさせる舞台美術を作り上げていく。
"L’oeil de la Baleine /鯨の目 " パリ・アクアリウム、フランス Aquarium of Paris Cineaqua, Paris, France Year 2019 Photo by Serge Koutchinsky
"L’oeil de la Baleine /鯨の目 " パリ・アクアリウム、フランス Aquarium of Paris Cineaqua, Paris, France Year 2019 Photo by Serge Koutchinsky
"Golem / ゴレム" 練馬区立美術館「Re construction 再構築」 "Re construction" in Nerima Art Museum Year 2020
"Golem / ゴレム" 練馬区立美術館「Re construction 再構築」 "Re construction" in Nerima Art Museum Year 2020

本公演では、北村明子が構築する身体表現と世界観に、大小島真木の若手ならではのエネルギッシュな美術視点を加え、視覚と体感によって「夏休み」という広くて自由なイメージの世界へと、大人も子どもも旅立てるような作品をおくる。
【あらすじ】
夏休み、子どもたちは大好きだったおばあちゃんに会いに、とある公園からボウケンに出かけると、
森の精霊たちの導きによってククノチと出会う。
ククノチとは、日本神話に登場する木の神様のこと。
子どもたちは様々なボウケンを経て、自然や祖先などとの関わりを学び、現代に戻ってゆく……。


北村明子 コメント

北村明子
北村明子

夏休みというテーマから湧いてきたイメージは死者を迎える儀礼である「お盆」です。
死者・自然・生命……日本の豊かな文化が脈々と伝えてきた死生観をめぐり、時空を超える想像力の冒険体験が身体の躍動をもって子どもたちに語りかけるような、ファンタジックな表現をお送りします。
そして、移動に制限が掛かっている今、「精神の旅」とも言える、私たちと祖先との繋がりを改めて考えていきたいと思っています。都市にいながらにして、お盆という昔ながらの儀礼に乗って、異世界に冒険に出ること、自然に触れること・死者が語りかけてくることが、子どもたちにとって新しい世界の始まりになるような、そんな体験ができる作品を目指します。自然の中にある身体ってなんだろう、自分の存在とはなんだろう……この問いかけを、作品を通じて子どもたちと発見していきたいと思います。

大小島真木 コメント

大小島真木
大小島真木

日本には四季があるということを、海外を旅するとあらためて自覚させられます。

たとえばインドネシアのような常夏の国にいると、季節という概念自体を忘れてしまいそうになります。日本では夏になると怪談話が盛り上がりますが、確かに思ってみると常夏のジャングルにいると、生きとし生けるものとともに死の国の精霊たちもまた、そこに住まっているような感覚になる時があります。これは極寒の地ではなかなか感じられません(寒い地域にはまた違う神秘があります)。多分、夏がもたらす生の光の強さが、死の影をも濃くしているのではないかなと想像します。

今回の舞台美術において意識したのは、一つの舞台上で生の世界と死の世界を行き来できる空間を作るということです。実はその二つの世界はそんなにパキっとは分かれていないのかもしれません。それこそ私たちの身体の中にも実は生と死が常に裏表になって存在しているのかもしれない。そんなことを皆さんと一緒に想像してみたいと思っています。

なお、本公演では、公演参加型の関連ワークショップが開催される。ひとつは、「お面づくり体験」。KAAT1 階アトリウムに特設コーナーを設置し、ボウケンに必要なアイテムであるお面を、開演前に子どもたちが無料で工作することができる。お面は美術の大小島真木がデザイン・監修しており、子どもたちの数だけ、オリジナリティあふれるお面が出来上がる。また、公演の中で、子どもたちに作成したお面をつけてもらうことで、舞台と客席の枠を超えた一体感を生み出す。

もうひとつは、「5分間ダンスレッスン」。開演前の客席でダンサーが5分間程度のダンスレッスンを行う。客席に座りながら、足踏みをしたり手を振ったり、ダンサーと一緒に身体を動かすことができる。また、公演中にもダンサーと一緒に踊るシーンがあり、客席にいながら、公演に参加することができる。

ふたつのワークショップは、毎公演行われる。子どもたちがただ公演を見るだけではなく、公演に参加でき、KAATに足を踏み入れた瞬間から今回のキッズ・プログラムを体感できるような空間を目指すそうだ。

当記事はSPICEの提供記事です。

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