“肉汁ドバドバ”はNG!? ハンバーグ大師匠・五島鉄平に聞く「イケてるお店」の見つけ方

まいじつ



『洋風食堂 はしぐち亭』のハンバーグ(写真=五島鉄平)

子どもから大人まで大好きなメインディッシュとして、長く愛されているハンバーグ。最近ではYouTubeや地上波における『スピードワゴン』井戸田潤もとい〝ハンバーグ師匠〟の活躍もあり、一層食卓での存在感がアップしている。

本稿では、ハンバーグ師匠とも共演している〝ハンバーグ大師匠〟こと五島鉄平氏にインタビューを敢行。約12年かけて2000店舗以上を回り、ハンバーグを食べ続けてきたマニアの観点から、こだわりのポイントやイケてるお店の見つけ方などを語ってもらう。

“肉汁ドバドバ”はアウト!?



ハンバーグに関する同人誌を持つ五島氏(写真=川崎かほ)

もともとハンバーグが好きで、「気づいたら外食するたび無意識にハンバーグを食べていた」という五島氏。せっかくならブログを書いて小銭を稼ぎたいと思い立ち、そこからほぼ毎日ハンバーグを食べる日々がスタートした。そこで〝メンチ先輩〟なる会社の先輩に面白がられ、メニューにハンバーグがあるお店に行けば、いつでもどこでも食べさせられるという状態に。現在でも、平日のランチはハンバーグばかりだという。

そのうちテレビ業界の関係者の目に留まり、『ヒルナンデス!』や『嵐にしやがれ』(ともに日本テレビ系)、『マツコの知らない世界』(TBS系)など、数々のテレビ番組に出演。さらに、ハンバーグを愛するがあまり、同人誌まで発行するようになった。

――たくさんのハンバーグを食べてきた五島さんですが、とくにどんなハンバーグがおいしいと思いますか?
五島氏:A5ランクの和牛みたいな、高い肉を使ってないハンバーグ。いい肉はステーキで食べりゃいいんですよ。ハンバーグは、合いびき肉とか、豚100%とかでいい。雑多な料理なんだから。

――じゃあ、「これだけはゆずれない」というハンバーグへのこだわりは?
五島氏:態度の悪い定食屋のオバサンが作ったハンバーグは好き(笑)。というのはおいといて、ナイフを入れた瞬間、アホみたいに肉汁が出てくるハンバーグはダメだなって思う。最後の一口までジューシーでおいしいハンバーグにしてくれるならいいけど、大体は後半になるにつれてパッサパサになるから。で、そういうところに限って鉄板にのせてハンバーグを出すのよ。肉汁が蒸発して、余計にまずくなっちゃうのに。

好きな店は“ストーカー”のように追いかける



『洋風食堂 はしぐち亭』の外観(写真=五島鉄平)

五島氏によると、おいしいハンバーグを出すお店には、ある共通点が存在するらしい。その特徴とは、〝凝ったメニューがある〟ということ。前菜のサラダしかり、スープしかり、なんらかのこだわりがあるお店は、ハンバーグにも手を抜かないのだ。家庭でも作れるハンバーグにお店独自のひと手間を加えることで、そこでしか出会えない味を作り出すのだろう。それゆえ五島氏がお店を探す際は、ハンバーグ以外のメニューに注目しているという。

今回のインタビューで五島氏にイチオシのお店を尋ねると、東京都世田谷区経堂にある『洋風食堂 はしぐち亭』の名前が挙がった。牛すじのマスタードライスである「ちとかライス」をはじめとして、思わずヨダレが出そうなメニューが並ぶ洋食店だ。

――なぜ『洋風食堂 はしぐち亭』がイチオシなのですか?
五島氏:このお店にはストーリーがあるからね。初めは千歳烏山にあって、そこでハンバーグを食べた時にパテもおいしくて、デミグラスソースもおいしくて、いいなって思ってたんだけど、ある日行くとお店が閉店してたの。でも、どうしてもまた食べたくて、ネットでずっと検索してたら、3年後ぐらいにようやく経堂で再オープンしていることを知って。

――そんなに長い間探してたんですか?
五島氏:ストーカーみたいで若干気持ち悪いんだけどね(笑)。もうあのハンバーグを食べられないと思うと惜しくて。見つけた時は「あのハンバーグをもう一度食べられる!」ってうれしくなってきた…っていうストーリーがあるお店です。


『洋風食堂 はしぐち亭』のハンバーグ(写真=五島鉄平)

実際に筆者もハンバーグを食べてみたところ、思わず「うんまっ」と声が出た。しっとりとした舌触りのパテは塩味のバランスが非常によく、香りのよいデミグラスソースと相性抜群。ソースは濃厚すぎず、さらりとしているので、肉そのもののうまみをしっかり引き立てている。また、付け合わせの野菜とパスタにソースをからめて食べるのもたまらない。

――めちゃくちゃおいしいですね。
五島氏:でしょ! そりゃ、ストーカーにもなるよね(笑)。ここのデミグラスソースがクセになるんだよ。

かつての『洋風食堂 はしぐち亭』のように、五島氏がストーキングを続ける〝今はなき名店〟は10店舗ほどあるそう。いつかお店が復活を遂げた暁には、SNSなどで情報を流してくれるだろう。

なお、五島氏は現在〝ハンバーグ友達〟を募集中らしい。週に3回、5年間以上ハンバーグを食べている人か、1000店舗を回った人が条件なので、我こそはという人は連絡してみるといいかもしれない。

文=川崎かほ