成果を上げながら定時で帰る仕事術 第97回 やりたい仕事を任せてもらうために、まずは目の前の仕事に集中しよう


本連載の第96回では「新入社員や異動してきた社員の質問や発言を改善のチャンスと捉えよう」と題し、新しく部署に参画した人からの質問や意見を業務改善のきっかけにしましょう、とお伝えしました。今回は特に新社会人の方に向けて、自分のやりたい仕事を任されるようにするための方法についてお話をします。

「こんなつまらない仕事をするためにこの会社に入ったわけじゃない」
「プロジェクトをリードするエキサイティングな経験が積めると聞いていたのに話が違う」

この春から新しく会社に入った新社会人の方の中には、こんな不満を抱いているという方もいるのではないでしょうか。「せっかくやりたい仕事があって熾烈な競争を死ぬ物狂いで勝ち抜いてきたというのに、こんなつまらない仕事しか任せてもらえないなんて冗談じゃない」と思うのも無理はありません。特に大学のサークルやゼミ、バイト、ボランティア活動などで大人数をマネジメントしたり、交渉をまとめたり、プレゼンしたりと活躍してきた自負のある人ほど納得がいかないと感じているのではないでしょうか。

しかし、逆説的ですが求めている仕事を任せてもらいたいと思うなら、たとえどんなにつまらなかったとしても、まずは目の前の仕事で成果を上げ続けることが絶対に必要です。以下ではその理由を説明します。
○そもそも会社には学生時代に活躍してきた人材がゴロゴロいる

厳しい就活競争を勝ち抜いてきた経緯や学生時代に活躍してきた自負があったとしても、周りの先輩社員や同期の社員も同じように熾烈な競争を勝ち抜いて入社している以上、似たような経験を経て会社にいるはずです。自分だけが特別な経験をしているとか、高い能力を持っているに違いないと思うのは奢りでしかありません。

そして入社時の経験や能力にそれほどの違いがないのであれば、高度な仕事ができるかどうかは入社後に経験した仕事の量と質がものを言います。より多くの仕事をこなし、その中で複雑な問題の解決など難易度の高い事柄などに対応する機会があれば、その分だけ自分より仕事ができるのは当然のことです。そうした背景を踏まえると、入社して間もない自分が経験豊富な先輩社員と同じように高度な仕事をできるはずだと考えるのは無茶な話でしかありません。
○未経験の人に重要度の高い仕事は任せられない

また、仮に100歩譲って新入社員が先輩社員に劣らず優秀だったとしても、経営者の視点に立つと入社間もない新入社員に重要な仕事を任せることができない事情が分かります。重要な仕事というのは顧客や取引先、或いは他部署などの周囲の人や会社の業績、信頼などに大きな影響を与えるもののことが多く、失敗したときのダメージが大きいものといえます。

これは病院の業務にたとえると、重篤な病に侵された患者の心臓移植の手術を経験値ゼロの新米外科医に任せるようなものです。院長や、まして当の患者の立場に立ったらありえないと思いますよね。重要な仕事を新入社員に任せるというのは、会社にとって、そして周りの関係者にとってそれだけリスクが高いということなのです。
○目の前の仕事で成果を上げ続けることがやりたい仕事をする近道

入社した時点では、新入社員に対する信頼はプラスでもなくマイナスでもない、ほぼゼロの状態といえます。結局のところ、先輩や上司、或いは顧客や取引先などから信頼を得て自分のやりたい仕事を任せてもらうようになるには、どんなにつまらなくても今目の前にある仕事を着実にこなして成果を上げ続けるしかないのです。

ちなみに今の仕事が「つまらない」と感じていたとしても、見方や取り組む姿勢を変えることで「面白い」仕事にできるかもしれません。例えば営業会議に使うプレゼン資料に必要なデータ収集の仕事を任されていたとして、それを単なる作業として捉えれば「つまらない」と感じるかもしれませんが、「この会議で最高の営業戦略を立てて、ひいては多くの顧客に喜んでもらうためにこのデータが必要だ」と捉え直せば、自分の仕事の意義を再認識して面白いと感じられるかもしれません。

また、同じケースにおいて「上司からはデータ収集と取りまとめを3日以内にやるように指示されたけれど、半日で完了して驚かせよう」とこっそり決意して、そのための工夫を試してみるというのも、仕事を面白くするのに効果的かもしれません。

このように、漫然と「データを収集する」という仕事を単なる作業としてこなしていくのが「つまらない」と感じていたとしても、その最終的な目的を捉え直したり、自分でチャレンジングな目標を立てたりといった工夫をすることによって面白くすることは幾らでもできるはずです。

仕事がつまらなければ自分で面白くしてしまえばいいですし、それによってモチベーションを上げて全力で取り組むことで周囲からの信頼を得て、元々やりたかった仕事を任せてもらえるようにしましょう。

相原秀哉 あいはらひでや 株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役 慶應義塾大学大学院修了後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)入社。グローバルスタンダードの業務改革手法、Lean Six Sigmaを活用したコンサルティングを得意とし、2012年に日本IBMで初めて同手法の伝道師 "Lean Master"に 認定される。その後、幅広い組織や個人の生産性向上に寄与するべく独立。生産性向上による働き方改革コンサルティングや、コンサルティングスキルを実践形式で学べるビジネスブートキャンプを手掛ける。著書に『リモートワーク段取り仕事術』(明日香出版社)がある。 この著者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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