映画『聲の形』を絶対に観るべき感動の理由。耳の聴こえない少女と、彼女をいじめていた少年との交流が…

うちのテレビは映らない。

こんにちは、ライターの藤間紗花です。

我が家の43インチの液晶テレビには、地デジ放送が映りません。チャンネルボタンを押しても映るのは暗闇だけ。

ではなぜ液晶テレビがあるのかといえば、大きな画面でAmazonプライムビデオなど動画配信サービスを楽しむためです。

この連載では、テレビでネット動画を楽しむ私が、個人的おすすめをレビュー&レコメンドしていきます。

アニメ『不滅のあなたへ』が放送開始に……!

4月といえば、アニメやドラマの新シーズン。映らないテレビしか持っていない私はリアルタイムで観られないわけですが、話題作が続々と放送スタートする、ウキウキしてしまう季節です!

私が今期楽しみにしているのは、アニメ『不滅のあなたへ』。原作は週刊少年マガジンで2016年から連載されている人気漫画です。

 

 

作者の大今良時先生といえば、前作『聲の形』も、当時大きな話題を呼んでいました。2016年には京都アニメーションの手によって映画化もされ、大今先生の代表作のひとつとなっています。

 

 

人間のリアルな感情を描いた『聲の形』

今となっては、『聲の形』の大ファンである私ですが、話題を集めていた当時は、どうしても読んでみようという気持ちになれませんでした。

というのも、この作品の主人公は、聴覚障害を持つ女の子と、彼女をいじめた経験を持つ男の子。2人のふれあいを中心に、孤独や後悔、嫉妬や苛立ちといった人間の持つ“黒い気持ち”がリアルに描かれています

当時まだ20代前半だった私は、この作品を読むことで深く傷ついたり、自分自身の学生時代を思い返して後悔に苛まれることがあるかもしれない……と思い、向き合う勇気を持てなかったのです。

しかし、自粛生活の続く昨年のこと。ステイホームが呼びかけられるなかで、さまざまな出版社が人気漫画の数話限定無料公開をしていました。「この機会にこれまで読んでこなかった作品を読んでみようかな」と思っていたところ、目に入ったのが『聲の形』。今こそ読むときかもしれないと思い、無料配信分を読んでみることに。

無料配信分を読んで衝撃を受けた私は、そのまま電子書籍で全巻購入し、号泣しながら一晩で読破。「この感動を誰かと分かち合いたい……!夫にも読んでもらおう!」と、気がつけばそのままコミックスもネット通販で全巻購入してしまいました。

それから映画はなかなか観る機会がなかったのですが、いつものようにAmazonプライムビデオをスクロールしていると、レンタル配信されているではないですか!しかもレビューの評価もかなり高い……!

というわけで、今回は映画『聲の形』をチェックしてみましたよ~~!

 

 

抱え続けた後悔と、始まる友情。

まずはあらすじからご紹介。

主人公は、高校3年生の少年・石田将也(いしだしょうや)。アルバイト代や身の回りのものを売り払って170万円を貯めた石田は、母親にそのお金を渡したあと、自らの命を絶とうと考えていました。

石田には小学生時代、クラスメイトの西宮硝子(にしみやしょうこ)をいじめていた過去があります。先天性聴覚障害を抱えている西宮は常に補聴器を耳につけていましたが、石田は何度となく補聴器を奪い捨てていました。170万円は、石田の代わりに母親が支払った補聴器の弁償代だったのです。

耳の聴こえない西宮のために授業が中断することもあり、クラス全体が彼女を疎ましく思い孤立させていたものの、西宮へのいじめが問題視されたとき、学級裁判で断罪されたのは石田一人でした。それ以降、石田は“いじめられる側”へ転落し、自分が西宮へしたような仕打ちを周囲から受けるようになります。

西宮自身は石田やクラスメイトを責めることはなく、いじめられていたのも「自分のせいだ」と考えていました。さらに、いじめを受けるようになった石田をかばうようなことも……。

自分や周囲へ「友達になりたい」という純粋な気持ちを持ち続ける西宮の優しさに気が付いた石田は、彼女に感謝と謝罪の気持ちを抱くものの、ほどなくして西宮は転校。ひとりぼっちになった石田は、それから高校3年生になるまで、後悔の気持ちを抱き続けていたのでした。

弁償代を返済したあと、命を絶つ前に西宮のところへ行かなくてはと、彼女の通う手話講習会へやってきた石田。この日のために覚えてきた手話で、小学生時代に自分がしてしまったことを後悔していること、西宮と改めて友達になりたいと思っていることを伝えます。

手話を通じてようやく会話することができた2人。西宮が友達になりたいという申し出を受け入れてくれたことで、石田は命を絶つことを思いとどまることに。その後2人は交流を深めていくことになるのでした。

原作にはない、いじらしいシーン。

先述のとおり、『聲の形』の一番の魅力は、人間の持つリアルな感情が描かれていること。

2時間尺の映画では主人公2人にのみフォーカスが当てられているものの、2人の小学生時代のクラスメイトである植野直花(うえのなおか)の感情も、密に描かれているように感じました。ここからは少しだけネタバレを含みます……!

小学生当時から石田に好意を寄せていた植野は、西宮への仕打ちを後悔している石田とは対照的に、「西宮さんさえいなければ、クラスみんなハッピーだった」と思い続けています。

高校生になり再会したあとも、度々「あんたが嫌い」と正直に西宮に伝える植野。しかし西宮は「ごめんなさい」「私のせい」と言うばかりで、植野は「あんたは当時から私と話す気がない」と嫌悪感をあらわにします。

側から見ていれば、聴覚障害を持つ彼女につらく当たる植野はひどい人間に映るかもしれません。自分の気持ちを大声で叫ぶ植野の姿には確かに目を覆いたくなるのですが、彼女は西宮と“聴覚障害者”ではなく、1人の人間として向き合おうとしているんですよね……。だから、自分のほうに歩み寄ってくれない西宮にもどかしさを感じているのでは、と思うのです。

その証拠に、映画ではこんなシーンが追加されています。

頑なに筆談や手話を使わなかった植野が、「バカ」と西宮に手話で伝えるシーン。

これは原作にはない描写でした。彼女なりに「西宮と話すにはどうしたらいいか」を考えた不器用な姿に、思わず涙……!植野に手話で「バカ」と言い返す西宮の笑顔もたまりませんでした。

結果、原作を読んでいる身でも2時間涙を流しっぱなしでしたね……。石田の感じる校内の猥雑なノイズや、西宮の夢の世界の静けさなどの音の表現や、キャラクターの細かな表情の描かれ方などは、さすがの“京アニクオリティ”といった感じ。改めて観てよかったと思える作品でした!

原作を読んだことのある方も、未読の方も、映画『聲の形』が気になった方はぜひチェックしてみてください!

 

映画『聲の形』が気になった人はコチラから!

 

 

 

原作『聲の形』が気になった人はコチラから!

WRITER

  • 藤間紗花
  •        

  • 自然と犬を愛するフリーライター。埼玉県出身、東京都在住。山に登る以外は、だいたい家で動画を観ています。

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