『珈琲いかがでしょう』中村倫也が見せる多面性、癒しだけじゃない味わい深さ

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鈴のついたタコのキーホルダーが揺れる車内。青山の気の抜けた口笛、バックミラーに映る表情。都会のビル群の中走る移動販売車の空気を引き継ぐように、オザケンの優しく熱い歌声が響く。カチャっとトランクを開けて、エプロンをキュッとしめて、ドリッパーをセット。静かにお湯を注ぐと、珈琲のいい香りが画面からしてきそうだ。

先週スタートしたドラマ珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系、毎週月曜よる11時6分から)。主人公・青山が「中村倫也にしか見えない」と言われていたコナリミサト原作の人気漫画を、その中村倫也主演で実写化。監督・脚本を務めるのは、映画『かもめ食堂』などで知られる荻上直子。ドラマは冒頭から、映画を観ているかのような空気感で、音、映像、音楽、そして中村演じる青山の佇まいが、ドラマ『珈琲いかがでしょう』の世界へ丁寧にふわっと引き入れた。

よる11時6分からの約1時間の枠で、少なくとも第4話まで各話2編を放送することが明らかになっている本作。初回の第1話では「人情珈琲」と「死にたがり珈琲」の二編を放送。「癒されました」「近くにこんな珈琲屋あったら通いそう」「色んな言葉にグサグサ共感」「心に染み渡る」と早速多くの視聴者の心を掴んだようだ。そんななか中村倫也が見せた“変化や多面性”は、癒しだけではない味わい深さを、第2話以降も生み出していくのだろうと感じた。

「丁寧に、誠実に」を心掛けて仕事をしてきた垣根(夏帆)。

心を込めて書いた手書きのお礼状も、「テンプレ入力でいい」「かえって気持ちが悪い」と言われてしまう。そんな垣根がいい匂いに導かれ向かった先に、まるで湯気に包まれたようなやわらかな空間で、落ち着いた癒しオーラを放つ青山(中村倫也)。丁寧に時間をかけて珈琲を淹れ、垣根の“黒いモヤモヤ”に耳を傾け、「素敵です。僕は好きです、そういう心がけ。」「見てる人はちゃんと見てくれますから。大丈夫です」なんて肯定されたら、もう常連客確定。丁寧にやることに意味がないのか…と垣根が絶望感に駆られていると、「全員に通じるものって、案外つまならないのかもしれないなぁって。誰かにとっての特別であれば、それがいいです」と、珈琲店である自分の仕事を重ねて言葉を返す青山。口数が多いわけではないが、話を聞く表情にも包み込むような広さがあった。

「こんな昼下がりの日は、死にたくなる」。
晴れた穏やかな休日。またもやわらかな映像のなか、美貫地谷しほり)が発した一言で、一気に苦みを帯びる2杯目「死にたがり珈琲」。

手すりに片足をかけた美咲に目を丸くする青山(中村)の表情は、一杯目の「人情珈琲」にはなかった表情。

無言のキラースマイルの威力も、相手のペースを受け入れる度量も、ドリップの美しい所作も同じだが、どこか少し雰囲気が違って感じる。

「“死にたくなるようなドラマティックなツラいことがないっていうのがツラいっていう、クソなめた理由」で死にたがる美咲を、青山は“冒険”へ連れ出した。といっても、近所のカレー店。無難な中辛でなく激辛をチョイス。カフェオレにガラムマサラを一振りするだけで、まるで変わるカフェオレの味。「どうぞ」と女の子がプレゼントしたピンク色の折り紙の花。ベージュ一色のカフェオレ女に「生きてるっていいかも」と彩りが与えられた。

途中、「もう死にたい…」という美咲の言葉に静かに反応し、「どうかしました?」といつもの穏やかな調子で言うまでには、何か思うところがあるような奥行きも。美咲の話を聞きながら「心を閉ざして、何も感じないようにしてる方が楽なことってありますよね」と話す青山の過去にはやはり何かありそうな含み。青山の過去を知るカレー屋の店主と会話するときには、少し冷めたような目でどこか危険な香りも。こういう何か陰を背負っている人物は、中村倫也にもってこいの役どころだろう。「皮肉なもんだな、明日死ぬかもしれないやつ、目の前にして」「長く一か所にいるとやばいぞ」という店主の言葉。曇る表情の理由は…?「そして、飴をかじりながら「へへへ…」と不気味に笑う謎の男(磯村勇斗)の存在も気がかりだ。

初回放送直前のスペシャル生配信で、中村が「相対する人によって微妙に青山の喋り方が違う」「相手に寄り添って引き出してっていうことをやる役だったので、そうなったんだろうなと思う」と話していたが、さっそく一杯目と二杯目でその違いが出ていたように思う。事前のインタビューでも、「種類が違う物語があって、それに適した青山の言葉だったりね、適した見え方だったりっていうのがあって、それがどれも違う」と話していた。そうなると、第2話以降も多数登場するゲストに対してどんな青山が見られるのか、ますます楽しみになってくる。おまけに、Paraviで配信されているオリジナルストーリー『珈琲”もう一杯”いかがでしょう』では、カレー屋での続きのやりとりや、さらなる美咲の大冒険も。美咲と青山が頭を下げ合う微笑ましい場面や、青山が急にたじろぐ可愛らしい一面まで。本編にはない表情がさらに出てくるのだから楽しみは尽きない。

あっという間の初回の1時間で、全体を流れる癒しの空気のなかに、さまざまな表情を見せたドラマ『珈琲いかがでしょう』。第2話は「キラキラ珈琲」「だめになった珈琲」の二編。



ゲストには山田杏奈臼田あさ美が登場する。ストーリー展開とともに、ホスト的立場である中村が山田、臼田と対峙することによってどんな反応を起こし、どんな表情を見せるのか大注目だ。

慌てて引き返そうとするが、雅は田舎生活がとにかくイヤで、可愛い自分は東でも通用するはずだと訴える。既にオーディションを受けることも決めていた。「東で何かしらになりたい」…何を言っても引き下がらない雅に根負けした青山は、親へ報告することを条件に連れていくことに。早朝、東京に到着すると、青山は雅に、キラキラしたピンク色のかわいい珈琲・ロサメヒカーノを淹れるのだった。

東京では、雅のインスタのファンだという、礼(臼田あさ美)の世話になることになっていた。

原宿で落ち合い、オーディション会場へ連れて行ってもらう間にも、スカウトされたり、かわいいものに囲まれたり。期待感がますます高まっていくが、やがて雅はキラキラしているように見えた東京の現実を思い知ることとなる――。

「だめになった珈琲」

ある日、礼のルームメイト・ヤイ子(三浦透子)が、突然出ていくと言い出す。最近の礼の行動にもうついていけないという。何を言っても投げやりな態度に、ヤイ子は「本当にダメになったね」と言い残し去っていく。そんな独りぼっちになった礼の部屋に、青山が訪ねてくる。

雅が部屋にスマホを忘れたといい、早速探し始めると、雑然とした部屋から古びたエスプレッソマシーンが出現。礼は機械を懐かしそうに見つめながら、上京した頃のことを青山に話し始める。

画家を目指し美術専門学校に通っていた礼は、美術館・映画館・本などあらゆるものから吸収しようと毎日必死だった。だがなかなか日は当たらず、一方で同級生は雑誌に掲載されたり、展示会に声がかかったり、差が開くばかり。妬み・嫉み・ひがみ――様々な負の感情が、理想と現実のギャップに苦しむ礼の心を蝕んでいった。エスプレッソマシーンが動かなくなったのも、ちょうどその頃だという。

■『珈琲いかがでしょう』
第2話 4月12日(月) 23:06~24:00(5分拡大)

(C)「珈琲いかがでしょう」製作委員会

当記事はdwango.jp newsの提供記事です。

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