親の介護は平均4年、費用は800万円。介護地獄を避けるためにすべきこと

日刊SPA!

 両親の介護は中年男性に差し迫る問題のひとつだが、お金の準備を怠らなければ、受けられるサービスの選択肢を増やせるし、介護する側の気持ちも楽になる。その手法を、19年間両親の介護をした経験を持つ介護アドバイザーの横井孝治氏はこう話す。

◆子供の幸せは親の幸せ。生活を壊さない親の介護

「介護サービスの開始や介護施設の入居から亡くなるまでを介護期間とすると、期間は平均4年前後で、費用は800万円ほど。ただ、サポートできるように親のそばにいる見守り介護を含めると、一人当たり1000万円程度は見ておきたいところです」(横井氏)

損害保険ジャパンの介護費用に関するアンケート調査結果をみても月13万円ほどの支出が必要だが、まずは親の資産から月の捻出額を出す。

「これだけで親は嬉しいものですが、週1回1分の電話でのコミュニケーション。そのなかで、1年くらいかけて親の年金額、貯金などの資産を確認します。要介護になる原因の1位、2位である認知症と脳血管疾患によって判断能力を失うと、銀行口座を凍結されて親の資産を介護に充てられなくなり、介護の質を落とさないといけなくなります。家族用のキャッシュカード『代理人カード』には必ず触れておきましょう」

◆デイケアや施設のサービスは千差万別

続いて、自分たちの生活を守った上で使えるお金を算出する。

「すべて背負い込む必要はありません。個人でも加入できる団体会員向けの『親の介護保険』や年金を担保に融資を受けられる『年金担保融資』など、準備のための制度はたくさんあります」

デイケアや施設のサービスは千差万別だが、親が幸せだと感じるには安心・安全が担保されてこそ。

「利用者の笑顔。これは近未来の両親の姿。また、働く人の仕事中と休憩中の笑顔は、仕事へのやりがいを表しています。これら3つの笑顔を見学時に確認した上で、サービスや施設を選んでください。最後に最も大切なのは、『仕事を辞める』『結婚を諦める』といった身を滅ぼす介護は、絶対にしないことです」

情報を集め、無理をしない。これこそが、子供の幸せを願う親の心に寄り添った最高の介護といえよう。

◆知っておきたい制度・サービス

▼代理人カード

口座名義人のキャッシュカードと同様に利用できる家族用のカード。あらかじめこれを作っておけば、親が認知症などになってもお金を下ろすことが可能に

▼日常生活自立支援事業

専門の研修を受けた生活支援員が家まで訪れてくれる。公共料金の支払いといった金銭管理や各種サービスの利用、見守りなどの支援を受けられる

▼親の介護保険

ANA、JAFなど、団体会員向けに発売されている介護保険。会員になれば個人でも加入できる。例えば、コープの「親の介護補償保険」では「父親が75歳なら月7850円で、一時金として300万円の補償」を受けられる

▼年金担保融資

法律で唯一認められた、年金を担保に融資を受けられる制度。最大で200万円まで。ただし、2022年3月で廃止となる予定。また、要介護になると申請できないので要注意

【介護アドバイザー・横井孝治氏】

All About「介護」ガイド。19年間両親の介護をした経験を持つ。現在は、介護関連の複数のWebサービスを運営する傍ら、講演を通して情報を発信している

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[[年収500万円]でリッチ生活]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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