『ドラゴン桜』だけじゃない。話題作が咲き誇る春ドラマ、業界人が本当に見たいのは?

日刊SPA!

 コロナ禍が依然として続き“おウチ時間”が増えていることもあってか、今年の春ドラマは各局でかなり気合いが入っており、豪華キャストと人気脚本家による作品が盛りだくさんだ。

大ヒット公開中の映画“はな恋”こと『花束みたいな恋をした』で主演を務めている菅田将暉と有村架純の再共演で話題になっている青春ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系、土曜午後10時~ 4月17日スタート)をはじめ、“はな恋”で脚本を担当した坂元裕二による『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系、火曜21時~、4月13日スタート)、さらには石原さとみと綾野剛のドラマ初共演にしてW主演となるラブコメディ『恋はDeepに』(日本テレビ系、水曜午後10時~、4月14日スタート)や北川景子と永山瑛太が共演する『リコカツ』(TBS系、金曜午後10時~、4月16日スタート)など、期待が膨らむ華やかなドラマがズラリと名を連ねているのだ。

そんな豊作の春クールドラマの中で、ドラマ業界の関係者たちはどんな作品に注目しているのか。彼らの声を集めた。

◆コロナで放送時期が群雄割拠のクールに

まずはキー局でテレビドラマを手掛けてきた40代の元プロデューサーで現在はコンテンツ関係の事業部に勤めるA氏に、春ドラマがこれだけの話題作ぞろいになった理由を聞いた。

「阿部寛さん主演の日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系、日曜午後9時~)は本来昨年7月から放送予定だったものがコロナ過で延期となり、満を持して春クールからの放送に。その他にも別クールでの放送を想定していたものの、放送開始をスライドせざる得なかった作品がいくつかあったようで、近年でいえばもったいないくらい豪華なキャストによるドラマが重なってしまったようです。

また、コロナ以降でドラマの世帯視聴率が上昇し、見逃し配信の需要も非常に増えてきていることもあり、各局でドラマに再び力を入れようというムードが高まっていることも理由としてあると思います。ジャンルとしてラブコメディが数多く並んでいるのは、コロナ禍を意識して「できるだけ明るいモノを!」という意図があるんでしょうね」

◆久々の連ドラとなる坂元裕二脚本による会話劇の妙

そんなA氏が期待しているドラマを2作挙げてもらった。

「最も注目しているのは単発などを除くと『anone』(日本テレビ系、2018年放送)以来となる、坂元裕二さん脚本の連続ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系、火曜21時~)ですね。同作は、松たか子さん演じる“バツ3”の主人公・とわ子が3人の元夫たちに振り回されながら新しい自分を見つけていくラブコメディ。

坂元さんといえば、何気ないセリフや日常のあるあるを織り交ぜる作風が近年評価されていますが、今作ではビターでリアルな大人向けの会話劇を楽しめそうです。ただ、いわゆるF2層(35~49歳の女性)だけではなく、“はな恋”の脚本で心を掴まれた若者たちも巻き込んだヒット作になるのでは……」

◆「おっさんずラブ」「ナギサさん」の脚本家が描く異色ラブコメ

「もう一作は石原さとみさんと綾野剛さんがドラマで初共演を果たすラブコメディ『恋はDeepに』(日本テレビ系、水曜午後10時~)。キャストはもちろん、『おっさんずラブ』(テレビ朝日、2018年放送)や『私の家政夫ナギサさん』(TBS系、2020年放送)といったラブコメディで注目を浴びている徳尾浩司さんの脚本に注目しています。

テンポのよさとコミカルな展開が魅力ですが、キュンキュンとするシーンや心揺さぶる描写を描くことも非常にうまい方。同作では、石原さとみさんは海をこよなく愛する変わり者の海洋学者、綾野剛さんはイギリス帰りのツンデレな御曹司を演じるということで、これまで見たことのない2人の役どころがどういった化学反応を起こすのかが楽しみ」

◆“二番煎じ”と言われ続ける法廷・医療ドラマに期待!

続いて、ドラマ制作会社の女性プロデューサー・B氏におススメ作を聞いた。

「昨今は毎クールで刑事・医療・法廷モノドラマを放送していてマンネリ感を抱いている視聴者も多いと思いますが、『イチケイのカラス』(フジテレビ系、月曜午後9時~)には期待しています。同作は、元弁護士という経歴を持つ変わり者の裁判官・みちお(竹野内豊)と堅物裁判官の千鶴(黒木華)のバディによる法廷ドラマ。こう聞くとよくあるドラマですが、竹野内豊さんと黒木華さんの演技力は卓越したモノがありますし、医療ドラマや刑事ドラマで徹底したリサーチに基づく緻密なシナリオを書くことで有名な浜田秀哉さんが脚本を務めますし、1話ずつ見ごたえのある作品になっていると聞いています。

もう一作は『泣くな研修医』(テレビ朝日系、土曜午後11時~、4月24日スタート)。同作は、シンプルに原作小説が面白いんです。外科医を務める作家・中山祐次郎さんのデビュー作ですが、研修医のリアルな葛藤が赤裸々に描かれており、ドラマとしてうまく落とし込めれば話題になる可能性がありそう」

◆恋愛ドラマの名手が描く“入れ替わりラブストーリー”

「バズりそうな気がするのは、『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系、金曜午後11時15分~)かな。なんといっても脚本を手掛けるのは『大恋愛 ~僕を忘れる君と』(TBS系、2018年放送)、『セカンドバージン』(NHK、2010年放送)などを手掛けてきたラブストーリーの名手・大石静さんなので。松坂桃李さん演じる主人公・のぞむが恋する彼女(麻生久美子)が井浦新演じる“見知らぬおじさん”になってしまうところから始まる異色の“入れ替わり”ラブストーリーで、松坂桃李さんと井浦新さんがイチャつく姿にキュンキュンする女性視聴者が続出しそう」

◆新進気鋭の脚本家によるオリジナルファンタジー

また、脚本家にもおススメ作品を聞いた。映画やネットドラマ、マンガ原作なども手掛ける女性脚本家C氏の注目作は?

「若手の新進気鋭の脚本家と言われている加藤拓也さんのオリジナル作『きれいのくに』(NHK、月曜午後10時45分~、4月12日スタート)ですね。ほとんどの大人が“同じ顔”をした国を舞台に展開される“青春ダークファンタジー”らしいですが、唯一無二の作風でありつつ、万人受けもする脚本を書く方なので「どんな作品なるのだろう」という興味も含めて目が離せません!

もう一作は、吉田羊さんと國村隼さんが主演を務める『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京系、金曜深夜24時12分~)。ラジオパーソナリティーとしても人気のジェーン・スーさんの実体験をもとにした父と娘の日々を描く作品で、プロデューサーとして『ゴッドタン』などで知られる佐久間宜行さんが関わっている点に注目しています。バラエティで培ったノウハウと幅広い知見のある佐久間さんなので、新しいタイプのドラマになるのでは……」

豊作ぞろいの春クールドラマでヒットを収めるのはどの作品なのか? 業界人がおススメする作品とともに、まずは第1話をチェックしてみてほしい。<取材・文/木田トウセイ>

【木田トウセイ】

テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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