節約志向の人たちの“実はドケチな生態”。キャッシュレス決済で発覚

日刊SPA!

 新型コロナの影響で我々のライフスタイルには大きな変化が起きた。在宅勤務や外出自粛でおうち時間が増加、それに伴って家電やインテリアを買い揃えたという人も多いかもしれない。その一方で、会社の業績低迷などで所得が目減りするなか、「節約志向」も高まっている。

ビッグローブ株式会社が全国の20代から60代の男女1000人に対して『2020年のお金の使い方』についてアンケート調査を行ったところ、8割が節約志向と回答したという。特に「外食」「娯楽」「ファッション」「交通」にかける費用が減少しているそうだ。また、キャッシュレス決済の頻度が増えたと答えた人が5割超。人との接触が避けられるうえ、現金よりも少しお得な場合が多い。

そんな節約志向も度を越せば「ケチ」の領域。そのスケールが小さければ小さいほど、遭遇した人の記憶には強く残るというものだ。今回は「ありえない」と嘆く4人のエピソードを紹介しよう。

◆飲食店の配達スタッフと揉める上司「容器代を取るなんて詐欺だ!」

まずは、コロナ禍ならではの「ケチ」。千葉県内の建設会社勤務・坂本勇大さん(仮名・30代)は、会社でのランチ時に飲食店の配達を頼もうとしたところ、上司からの「今日は奢ってやる」という突然の申し出に喜んだ。

「上司が『今流行りのなんとかイーツか?』と近寄ってきたかと思うと『俺の分も頼んでくれ、全部払うよ』と言ってくれて。部下たちは小躍りしていました」(坂本さん)

いわゆる出前方式で、食事は間も無く届けられたが、いざ支払いの段階で、配達に訪れたスタッフと何やら揉めていた上司。

「話を聞いていると、容器代が一人20円かかるということで『そんな話は聞いていない』と上司が怒っていたんです。全部で5人分ですから、たったの100円。私が慌てて支払いましたが、食事中も『俺が奢ってやった』とか『容器代を取るなんて詐欺だ』と。大声で喚き散らすので、ご飯も全然おいしくありません。もう二度と奢ってもらうのはよそうと、固く決心した瞬間でした」

◆コロナ禍で業績アップ、上司からプレゼントをもらったが…

昨年、上司からあるプレゼントを受け取った神奈川県内の貿易会社勤務・渡辺真由美さん(仮名・40代)の体験談。

「コロナ禍による不景気のなか、うちの会社は業績が良く、臨時ボーナスまで出たんです。気を良くした上司が部下10人にくれたのは、宝くじ10枚ずつ、一人当たり3000円分のプレゼントでした」(渡辺さん、以下同)

合計3万円分のプレゼントとは太っ腹だが、宝くじにかんしては、万が一、誰かが高額当選すれば、のちに面倒なことになってしまうのではないか……そんな笑い話を同僚としているうちに、抽選の日がやってきた。

結論から言えば、誰一人として当選者は出なかった。「全員外れた」と話していると、そこに上司がやってきて……。

「一人150円返せ、と。10枚は連番だから、一人必ず300円は当たっているはず、半分は返せ、それで痛み分けだ、みたいな。くれたんじゃなかったの? と思いつつ、作り笑顔で150円を渡しました。いい上司なんですけど、すっかり興醒めですよ」

◆デートで手数料をめぐってトラブル

東京都内のイベント会社勤務・倉田祐子さん(仮名・20代)は、彼氏とのデートで嫌な思いをしたという。

「彼氏との数度目のデート。東京・西麻布のレストランで食事をして、そのまま新宿のホテルに宿泊。彼氏が『今日は俺が払うから』と言ってくれて、お姫様気分を楽しんでいたんですが……」(倉田さん、以下同)

付き合いたての若いカップルにありがちな「男が経済力をアピールする」パターンとも言えるが、ホテルのベッドに横たわり、くつろいでいた時だった。

彼氏が突然起き上がると、自身の財布から中身を取り出し、何やらスマホで計算している模様。次の瞬間、「あーっ!」という素っ頓狂な声をあげたかと思うと、倉田さんに向かって衝撃の「ケチ」を炸裂させたという。

「レストランの領収書を計算し直すと、カードで支払ったことに対する手数料が数%加算されていたようでした。そうなんだ、と思っていると『手数料分だけは払って』と真顔で言ってきた」

せっかくの良いムードも台無し。驚いた倉田さんは、言われた通り財布から小銭を取り出して彼氏に渡した。すると、彼氏はレストランに電話。そもそも、店側がカード決済に対して「手数料」を請求することは、カード会社が定めた規約に違反している場合もあるとかで、彼氏はレストランの担当者を劣化の如く問い詰めていた。

「後日、手数料の数百円が戻ってきたと嬉しそうに話していました。ご飯もホテルも奢ってくれましたが、私への返金はなし。そんなに手数料分がほしかったんですかね。理解できず、冷めてしまって2か月で破綻しました」

◆交通系ICカードを利用した差額の数円を横領

キャッシュレス決済が広がる現状の隙間をついたケチが、その身を滅ぼすような事態にも――。

「営業などで電車やバス移動する際の料金は、今やぜんぶ電子マネー。いちいち切符を買う手間も省けて楽だし、通常運賃より数円安くなるのも地味に嬉しい」

東京都内の会社に勤める金田晋一さん(仮名・30代)は、その月末もいつものように交通費などの経費精算を行っていたのだが、音もなく近寄ってきたのは経理担当の男性上司。

金田さんが精算する様子をじっと見ていたが、交通費の部分を見てこっそり耳打ちしてきたのだという。

「電子マネーで168円しかかかっていない地下鉄の運賃について『切符を買った時にかかる正規運賃の170円にして計算してくれないか』と言われました。耳を疑いましたが、細かい金額の計算が面倒だという上司に『たった2円だから』と言われ、そのまま従いました」(金田さん、以下同)

翌月、金田さんが先払いしていた経費が戻ってきたが、明細を見ると、戻ってきた地下鉄代は168円。上司に従い、170円の返金が受けられるはずだったが……。

「じつは差額の2円を、立場を悪用した上司が着服していたことが発覚したんです。ほかの社員も、上司に言われて同様の精算をしていたそうで、社内でも問題になりました。上司は横領の疑いで即経理部から外されましたが、社内調査の結果、横領の総額は2000円ほど。きっと、金額以上に書類などをちょろまかすのに手間がかかったはず。ケチなうえにみっともないし、たった2000円で立場も失ったんです」

金田さんは「異常なほどのケチは身を滅ぼすと実感しました」と苦笑いする。

小さな金額に固執しすぎることでまわりが見えなくなって信頼を失う。その結果、自分の首を絞めてしまうこともあるのだ。節約志向を通り越して「ケチ」の烙印を押される前に、我が身を振り返っておきたい。<取材・文/森原ドンタコス>

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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