【正直レビュー】猛暑の救世主となるか!? 60秒でドリンクを氷点下まで冷やすと話題の「氷点下ボトル」を過酷な条件で使ってみた



全国で過去最速の桜開花宣言など、暖かい日が続く日本列島。このまま夏も厳しい暑さになるのだろうか。

熱中症対策には水分補給が大切だが、従来の「飲み物を冷やす」から、「容れ物を冷やす」という逆転の発想で注目の水筒があるという。

クラウドファンディングで、目標金額に対して2012%の資金調達を果たす人気。十分な手応えを得て、このたび一般発売されたというので、その実力を容赦なく検証してみた。

・ON℃ZONE 氷点下ボトル(400ml:税込3850円 / 555ml:税込4400円)

その商品とは、株式会社ドウシシャ『ON℃ZONE~オンドゾーン~』シリーズの「氷点下ボトル」。

個性的なネーミングの由来は「冷凍庫で凍らせた本体に、飲み物を入れて60秒で氷点下まで下がります。氷点下になった後は、7時間後も氷点下をキープします」という驚異的な性能から。

カラーバリエーションはゴールド、シルバー、ホワイト、オリーブグリーン、ブラックの5色。筆者が購入したのはブラックだが、濃紺に近く、高級感のある良い色だ。

容量は400mlと555mlの2サイズ。後者は500mlのペットボトルをそのまま移し替えられるので便利だと思い、今回セレクトした。

性能の秘密は冷却剤。真空断熱構造と冷却剤をステンレス3枚で挟み込んだステンレス3層構造だという。そのせいで、本体だけで700g近く(555mlの場合)と、かなり重い!

・検証開始

まずはマニュアルどおりに使ってみる。使用前に冷凍庫で12時間以上冷却することが必要。

1晩冷やしたボトルは、一瞬にして内側に結露が発生するほど冷え冷え。外側も多少は結露するが、もとからザラザラした質感なので筆者は気にならなかった。

ここに「十分に冷えた飲み物」を注ぐ。品質検査では4℃前後に冷やしたスポーツドリンクで計測したようだが、筆者宅の冷蔵庫では7℃が限界。

水を注ぎ入れると、ボトルの内側がゆらゆらと凍結し始める。プラスチックのスプーンなどでかき混ぜるとさらに効果的とのこと。

5℃……4℃……とみるみる温度が下がり……

ああっ、惜しい! 0.1℃が限界だ!!

氷点下ならずー!! やはり開始温度が高かったか。しかしほぼ0℃だから、コップに注ぐと冷えっ冷えだ。お腹が弱い筆者は口にするのをためらうレベル。

ところで、キンッキンに冷えた飲み物が欲しい人というのは、帝愛グループの地下強制労働施設で働いている人か、屋外で移動や労働をする人だと思う。真夏の暑さの中でボトルを持ち歩いたときに、どれだけ保冷してくれるか、が大事だろう。

品質検査は室温20℃ ± 2℃で計測しているが、それだとちょっと現実的でない。さすがに春先のいまは炎天下を再現できないので、代わりに浴室暖房乾燥機をつけた風呂場に放置してみたい。28℃前後を保つはずだ。

・風呂場に放置してみた

2時間経過────

しまった、やり過ぎた! 室温33℃超えになってしまっていた。浴室暖房なので温度のコントロールが難しい。中の水はどうなっているだろうか?

ウソだろ!? 開栓すると、うっすらと薄氷が浮いている。

そして水温はまさかの0.9℃! ほとんど変わっていない!! 驚異の保冷力である。

まだまだこれから! 再びフタを閉めてさらに2時間、放置してみる。実験開始から4時間、浴室の温度は28℃から30℃といったところ。

水温は3.4℃! まだ冷蔵庫から出した直後よりも冷えている。

さらに2時間後。実験開始から優に6時間が経過した時点で6.3℃となった。これは最初にペットボトルを冷蔵庫から出したときとほぼ同じ温度。

氷点下を維持はできなかったが、実際の使用場面では実験室と違って気温も上下するし、何度か開栓して中身を飲んだりする。そういった悪条件が重なっても冷蔵庫で冷やした状態が6時間は持続する、と考えていいだろう。すごい!

冷たい飲み物が欲しければ魔法瓶でいいだろ、と思うかもしれないが、魔法瓶はあくまでも温度をキープするもの。一方の「氷点下ボトル」は、それ自体に飲料の温度を下げる力があり、冷蔵庫を持ち歩いているようなものだ。

ところで……

ここまでやっておいて水を差すようだが、ボトルを12時間冷凍した上で、十分に冷やした飲料を入れるという前提条件はなかなかに厳しいハードル。たとえば朝8時に家を出たいとしたら、前夜8時には冷凍庫に入れておかないとならない。

「そんな早く帰ってこねーよ!」という人もいるだろうし、コンビニで買ってから少し持ち歩いてしまったペットボトル飲料では実力を発揮できないということになる。

もう少し現実的な条件で検証してみたい。

・第2ラウンド開始

ボトルを冷凍庫で凍らせる時間を、半分の6時間にしてみる。夜遅くに冷凍庫に投入して、翌朝に使うイメージ。

さらに、あらかじめ冷えた水ではなく、常温18℃の水道水を投入。ほぼ室温と同じだ。条件としては最悪といえる。

ボトルに注いでみると……60秒後には6℃、120秒後には5℃にまで下がった。さすがに氷点下にはならないが、冷蔵庫で軽く冷やした水程度にはなる。一気に13℃ほど下がったことになり、これはかなりすごい。

その後、昨日と同じく高温の浴室に放置。

2時間後に水温を測ってみると6.3℃。

30℃近い外気に影響されず水温キープ。なかなかの実力を発揮している。

しかし4時間後には一気に上昇して11.9℃、6時間後には15.9℃となった。ここまでくると「う~ん、ぬるい!」という感想。

説明書には「冷えていない飲み物を注ぐと、すぐに保冷効果がなくなります」とあり、やはりスタート時点の温度がキモのようだ。

ちなみに、あいだをとって冷却時間半分、冷蔵庫で冷やした水(冷却時間6時間、水温7℃)で試したところ、60秒後4.3℃。2時間後5.0℃、4時間後8.3℃、6時間後11.0℃という結果だった。

・マメな人なら使える

結論。マニュアルに沿った使い方をしたなら、これまでの水筒にはない、驚異的な保冷力を発揮する。

ただし、その「マニュアルに沿う」というのがなかなかに難しい。セールスポイントである氷点下を体験するには、「かなり厳密に条件を守ることが必要」というところ。

また、冷却剤の性質上、デリケートな取り扱いが求められる。

たとえば熱湯は大敵で、食洗機や煮沸消毒は不可。水もれのないよう密閉することから、アルコール、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料など、入れられない飲料も多い。

凍らせる際は冷却剤が偏らないよう縦置きにするため、深さ(高さ)のある冷凍室が必要。ボトル自体がかなりの重量物になっていることも女性には気になるかも。

コンセプトは素晴らしく、保冷力も文句なしだが、持ち歩くには技術の発展が待たれる意欲作、という印象だ。

同社では同じシリーズでフリージングタンブラー、フリージングジョッキも販売していて、自宅で使うことを前提としたそれらの商品であれば重さは関係ない。「持ち歩かない」「すぐ飲む」「十分に冷えた飲み物を注げる」という条件下なら、ビールなどかなり爽快な飲み心地を体験できるのではないかと思う。

もし車通勤などで重さが気にならず、毎晩規則的にボトルと飲料を冷やしておけるマメな人なら利用価値あり! 氷点下とはいかずとも、外出先で冷えっ冷えの飲み物が手に入る。参考にしていただきたい。

参考リンク:Doshisha Marche(ドウシシャ マルシェ)「氷点下シリーズ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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