音楽の新時代を牽引する「TuneCore Japan」 - その革新的サービスは世界をどう変える?


昨今、音楽業界を席巻している配信サービス「TuneCore Japan」をご存知だろうか? 簡単に説明すると、自分の音楽を手軽に音楽ストリーミングサービス、いわゆるサブスクへ配信できるツールのことで、レーベルや事務所を通さず、誰でも手軽に利用できる。しかも、登録料を払えば手数料などのマージンは発生しない、アーティストファーストな仕組みとなっている。

昨年は瑛人さんの『香水』が爆発的なヒットを記録したが、この大ブームもTuneCore Japanなしには起き得なかったと言われている。今回、TuneCore Japanの担当者に話を聞く機会を得たので紹介していこう。
○そもそも「TuneCore Japan」って、どんなサービス?

そもそも、TuneCore Japanとはどんなサービスなのか。自ら音楽活動を行っている人でもない限り、名前は知っていても、その内容までは知らないという人も多いだろう。

TuneCore Japanをひと言で表すと「音楽のデジタルディストリビューションサービス」。Apple MusicやAmazon Music、LINE MUSIC、Spotifyなど、いわゆる「サブスク」と呼ばれる音楽ストリーミングサービスに、まとめて楽曲を配信してくれるサービスのことだ。

2006年にアメリカで「TuneCore」がローンチし、6年後の2012年には「TuneCore Japan」がスタート。当初はまだ音楽のサブスクサービス自体が珍しい時代だったが、ここ2~3年で急速に世界的に浸透し、TuneCore Japanも右肩上がりで利用者が増えているという。

TuneCore Japanの担当者によると、その最大の特徴は「誰でも手軽に音楽が配信できる」ことにあるそうだ。

「『弾き語りで自分の曲を作りました。それを録音してみたので、TuneCore Japanを使ってApple MusicやSpotifyでリリースしました』といったことが可能です。本当に誰でも利用できるので、独立系のアーティストやレーベルなどから幅広く使われています」(TuneCore Japan担当者)

登録料は、シングルであれば1曲につき年間1,551円、アルバムであれば1枚につき年間5,225円。最短2日で販売開始にまで至ることができる。しかも、再生数に応じた手数料などは一切かからず、収益の100%がアーティストに還元されるという、実に画期的な仕組みを採用している。

「曲の登録には審査が必要らしい」という話も一部で独り歩きしているが、決して運営者が楽曲のクオリティを審査しているわけではない。

「そもそも私たちは楽曲の内容自体を審査しているわけではありません。“審査”というのは、あくまで音楽のデータ形式やアルバムジャケットの解像度などが各配信サービスに適したフォーマットになっているかどうかを確認しているだけで、どちらかといえば“検品”といったニュアンスかもしれません」(TuneCore Japan担当者)
○爆発的な『香水』ブームはどのように生まれたのか

『香水』の大ヒットの裏にもTuneCore Japanの存在があったと言われている。2020年に爆発的な人気を博した『香水』だが、実はTuneCore Japanでリリースされたのは約2年前、2019年4月21日のことだった。

「2019年末から2020年頭くらいにかけて、急激に再生数が伸びていることに私たちも気付きました。どうしてだろうと思って調べてみると、どうもTikTokやSNSでバズり始めているらしい、ということがわかりました。

2020年5月に、TuneCore Japanが運営している『THE MAGAZINE』というオウンドメディアで瑛人さんにインタビューしたのですが、当時はまだ瑛人さん自身も、『インタビューなんて初めて受けますよ』なんて言っている状態でしたね」(TuneCore Japan担当者)

その後は人気お笑いコンビ「チョコレートプラネット」をはじめ、多くの芸人やアーティストが『香水』を歌った動画をYouTubeにアップ。あっという間に日本中で大ブレイク。昨年5月に初めてインタビューを受け、その7ヶ月後には紅白歌合戦に出場していたと考えると、まさに新たな時代の始まりを象徴する出来事だったといえる。

「音楽はまずリリースされていないと、作品として世の中に流通していきません。ゼロを何倍にしてもゼロのままですからね。でも、瑛人さんの場合は、TuneCore Japanで作品がリリースされていた状態だったので、ブレイクするための基本的な条件はあったのだと考えています」(TuneCore Japan担当者)

本家であるアメリカの「TuneCore」を見てみると、例えばアトランタ出身のラッパー・RUSS(ラス)は1曲につき約1億円を稼いでいるリリースもあるそうだ。「世界でもっとも成功したインディペンデントアーティスト」と呼ばれ、これまでトータルで10億円以上もTuneCore で収益を得ているという。もちろん、これは音楽配信の収益に限った話で、YouTube動画などの広告料を合わせれば、途方もない額を稼ぎ出していると考えられる。

ちなみにTuneCore Japanでも、2019年末までの期間に、利用アーティストたちへ累計で100億円を還元しているという。
○「TuneCore Japan」で夢と本業を両立できる!

TuneCore Japanを利用している日本人アーティストには錚々たる顔ぶれが揃う。

「インディペンデントなアーティストで言えば、BAD HOPや舐達麻、t-Aceもそうですし、例えば電気グルーヴや赤西仁さん、錦戸亮さんなど、大きな事務所から独立した著名アーティストたちも多数使っています。YouTuberで言えば格闘家の朝倉未来さんやヒカキンさんもTuneCore Japanを使って曲をリリースしています」(TuneCore Japan担当者)

まさに今の時代をリードするアーティストや有名人たちが、こぞってTuneCore Japanを利用しているのだ。

もちろん、著名人だけではない。

「TuneCore Japanで楽曲配信し、配信から得られる収益で、アルバイトを辞めることができたというアーティストもたくさんいます。本業も続けながら、音楽で副収入を得ている人も少なくありません」(TuneCore担当者)

ひと昔前なら、若者に「音楽活動を続けるか、就活するか」の二択が迫られる時代だったかもしれないが、今は会社員として働きつつ、夢も追いやすい時代になったのかもしれない。

TuneCore JapanはSNSとの相性も抜群だ。「インフルエンサー」と呼ばれるほどの人気がなくとも、自らのSNSアカウントのフォロワーを増やし、TuneCore Japanでリリースした音楽を上手く告知していけば、多くの人にリーチできる。『香水』ほどの爆発的ヒットは難しくとも、生活できるだけの収益を得ることだって夢ではない。

「自分のペースで活動できるというのもTuneCore Japanの魅力です。インディペンデントなアーティストでも、例えばどこかのレーベルと契約してツアーを組むとなれば、本業に支障を来すでしょう。でも、TuneCore Japanを使って自分で楽曲を配信すれば曲のリリースのタイミングも自分でコントロールできますし、ツアーも休日に合わせて行うなど、自分で決められます」(TuneCore Japan担当者)

“多様化”の波は音楽カルチャーの世界にも押し寄せ、現在はグローバル規模で『香水』のようなインディペンデントな音楽のシェアが広がっている。TuneCore Japanは、まさに音楽の“多様化”の流れを強く推進する原動力となり得る存在なのである。
○中国の音楽シーンにもリーチ。TuneCore Japanの今後に注目

2021年3月には、TuneCore Japanが中国大手配信ストア「Tencent」と「NetEase」への楽曲提供の開始を発表した。これも実に大きな一歩だったという。

「中国のストリーミングサービス・ユーザーの80~90%がTencentとNetEaseを使っています。TuneCore Japanでは先日、ここに直接的に音楽を配信できるようになりました。これまで中国に配信するときは、間に代理店が入って手数料を取られるのが普通だったのですが、TuneCore Japanは『アーティストに100%還元』というビジネスモデルをそのままに、中国への配信が可能になったんです」(TuneCore Japan担当者)

10億人を超える中国人に直接アプローチできるようになったということは、すなわち、ユーザーの分母が一気に激増したことを意味する。

「これによってリターンも大きくなるかもしれませんが、まだあくまで音楽を商品棚に置けるようになっただけの状態です。そこからいかに商品を手に取ってもらうか、アーティスト側のアプローチが重要になってきます」(TuneCore Japan担当者)

例えば中国版ツイッター「Weibo」や中国版TikTok「Douyin」など、中国のSNSを駆使しながら自らの音楽を宣伝していくなど、新たな工夫が求められるだろう。慣れない作業に骨が折れるかもしれないが、ヒットすればリターンは大きく、実に夢のある話である。

昨年の瑛人のようなブレイクが見込めるアーティストもすでに何人か出てきているという。TuneCore Japanの公式プレイリストや、TuneCore Japanが運営するWebメディア『THE MAGAZINE』の公式プレイリストでは、今後注目のアーティストまとめているので、そちらにも注目しつつ、新たな音楽の時代を楽しみたい。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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