『ズムサタ』土曜朝を開拓して25周年 総合演出が明かすイズム「何事に対しても優しく」


●新総合司会・梅澤廉アナでリニューアル
“ズムサタ”の愛称で親しまれる日本テレビ系情報番組『ズームイン!!サタデー』(毎週土曜5:30~)が、あす4月3日の放送で、1996年4月の放送開始から25周年を迎える。このタイミングで総合司会を辻岡義堂アナウンサーから梅澤廉アナウンサーにバトンタッチするなど、リニューアルが行われることになった。

あの『ズームイン!!朝!』から40年以上続く“ズームイン”ブランドを受け継ぐ同番組。そのイズムや、25年にわたって支持を受け続けてきた秘けつを、総合演出を務める東阪企画取締役の高井健司氏に聞いた――。

○■40年以上続く“ズームイン”の伝統

「“朝でホットでジャーナル”というのが『ズームイン!!朝!』のキャッチフレーズだったのですが、そこから分かれてできた『ズムサタ』は“ジャーナル”の部分も残しつつ、土曜の休みの朝に楽しくやろうという精神です」と、そのイズムを語る高井氏。

毎回オープニングでは、出演者たちが屋外から登場するのが伝統で、「外の景色をふんだんに見せて、朝の様子を見せていくというのも“朝でホット”の1つです」。また、「出演者が立ちスタイルで伝えるというのも、朝の躍動感を出そうという狙いで続いているイズムですね」と明かした。

“ズームイン”のイズムを最も象徴するのが、人差し指をカメラに向ける“ズームイン!!ポーズ”だ。歴代のキャスターがそれぞれオリジナルのポーズを確立しており、「『ズームイン!!朝!』初代総合司会の徳光(和夫)さんは初期の頃にいろんな“ズームイン”をして、2代目の福留(功男)さんはサイドスローから、福澤(朗)さんは指をパチンと鳴らしていました」と、その動きに個性が反映されている。

辻岡アナの場合は「誰よりも目線を低くという意味で、ちょっと姿勢を低くしているんです」といい、次の梅澤アナについては、「今一生懸命考えています。初回の放送で披露するので、ぜひ楽しみにしていただければ」と予告した。
○■“おしゃべり”のようなナレーション

土曜の朝に情報番組を“開拓”した『ズームイン!!サタデー』。その後各局も追随し、ライバル番組がひしめいているが、パイオニアとしてどのように差別化を図っているのか。

「ニュース以外のコーナーでは、ナレーションを“おしゃべり”のように話すことを心がけています。周りの出演者や、テレビの前のお客さんも意識して話しかけるようにしているんです。これは『ズムサタ』独自の手法で“トークナレーション”と呼んでいるんですが、親しみやすく身近に情報を伝えることは、とても気にしていますね」

それは、平日に比べゆったり過ごす人が多い土曜朝の生理を意識したもので、「何事に対しても優しくあろうというのが“ズムサタイズム”なんです」と強調。これは、視聴者に向けてはもちろん、出演者同士のコミュニケーションにも生きており、「“優しさ”というのは、特に今コロナ禍でもありますし、すごく必要な部分ではないかと思っています」と話した。

その考えを体現するのが、出演者のニックネームだ。羽鳥慎一の「バード」、望月理恵の「モッチー」、そして辻岡義堂の「ギドー」と、放送中に呼び合い、テロップにも表示されている。

この風習は「羽鳥さんあたりから始まったんですけど、まず視聴者の皆さんからニックネームを募集、その中から抜粋して決めることになっています!」と、4月から総合司会を務める梅澤アナのニックネームも、慣例に従って5月上旬をめどに決定する予定だ。

●福澤朗・羽鳥慎一・藤井貴彦…大活躍の歴代総合司会者

歴代の総合司会の面々を見ると、福澤朗、羽鳥慎一、藤井貴彦と、その後大きく羽ばたいて活躍するアナウンサーがそろっている。

その理由は「ニュースコーナーだけだったらニュースだけやってればいいんですけど、北朝鮮からミサイルが飛んできたり、大雨や大地震があったらきちんと対応しなければならないし、スポーツコーナーも担当しなきゃいけないし、エンタメでも出演者を回さなきゃいけないし、もちろんオープニングは軽やかに朗らかにトークをしなきゃいけないというように、あらゆる番組のMCの要素が詰まってるんです。だから、相当しんどいと思いますが、すごく勉強になる。それが次のステップへの糧になってるんじゃないですかね」と、鍛えられる場になっているようだ。
○■最古参・望月理恵の一番の魅力

そんな男性キャスターたちとタッグを組んできた望月理恵は、ズムサタ最古参として16年半にわたり番組を支え続けている。彼女の一番の魅力は「おしゃべり」だという。

「モッチーさんはラジオをずっとやっていたのですが、ラジオの人って臨機応変にしゃべるのがめちゃくちゃうまいんです。サッシャさんを起用しているのもそういう理由なんですけど、原稿を読んでいるようで、おしゃべりをしてるようなシームレスなところで、ちゃんとものを伝えられる“正確なおしゃべり”ができるのが大きいですね」

この特性が表れるのが、ゲストを迎えてトークを繰り広げる「スナックモッチー」のコーナー。「相手の話を楽しく引き出すのが、めちゃくちゃうまいですよね。4月3日の放送は所ジョージさんに出ていただくのですが、所さんが収録終わってから『こんなに楽しくしゃべったの、久しぶりだよ』とおっしゃっていたそうです」と、頼れる存在になっている。
○■SDGsにコロナ禍ならではの企画…リニューアルで新施策

25年にわたり支持を受け続けてきた秘けつは、前述の“イズム”を継承する一方、時代に合わせた変化も取り入れることだという。

「半年に一度は、どこかを必ず変えるようにしています。僕の演出のモットーは“変わることが変わらないこと”。“ズムサタイズム”というはっきりしたものは変えませんが、他はどんどん変えていく。演出方法も、取り上げるネタも、スタッフの働き方もいろいろ変えているんです。常に変化し続けているので、あまり気づかれないんですけど、1年前と比べると全然違う番組になっていると思います」

その言葉通り、梅澤アナの加入に合わせて、4月から新たな試みを次々に実施する。お天気キャスターを月替り制にし、4月は声優の斉藤朱夏が担当。「映画界やYouTube、SNSなど、テレビ以外の場所で話題になっている人気者に加わってもらい、『ズムサタ』の魅力を広げてもらいたいと思います」と狙いを語る。

ほかにも、梅澤アナが環境関連で活動している人を取材する月1回のコーナーや、日本語ができる海外の人たちに日本のエンタメや文化についてコメントしてもらうコーナーなどを計画。SDGsへの意識や、コロナ禍の状況を生かした企画を展開していく。

●梅澤アナ、起用の決め手は南原からのツッコミ反応
4月3日の放送から加入する梅澤アナの起用は、高井氏からの指名で決まったそう。

「『ヒルナンデス!』に最初に登場したとき、梅澤はまだ2年目で、生中継のコーナーを担当しても全然ダメだったんですけど、スタジオの南原さんからツッコまれて、それに対する反応がとても面白かったんです。とても素直で好感が持てて、あの姿をずっと覚えていたんですよ。そういうキャラクターや素養を持っているアナウンサーは、きっと人の話をうまく引き出せるだろうし、お客さんにも嫌われないだろうから、素直で優しいことが一番の『ズムサタ』にぜひと思いました」と期待をかけている。

そして、梅澤アナに引き継ぐ前任の辻岡アナに、「本当にありがたかったです」と感謝。長年番組を支えてきた宮本和知氏が2018年末、急きょジャイアンツのコーチに就任して卒業するという緊急事態に見舞われたが、人気コーナー「プロ野球熱ケツ情報」のバドンを見事につないだことが印象深いという。

「宮本さんの代わりをギドーにすると決めてから、彼は本当に大変だったと思います。でも、陰でいろいろ苦労や努力を重ねて、ジャイアンツの皆さんに愛されて、あのコーナーを再構築してくれたので、本当に『ご苦労さまでした、ありがとうございました』と言いたいです」と、ねぎらいの言葉をかけた。

●高井健司1964年生まれ、京都府出身。同志社大学卒業後、1988年に東阪企画入社。『ズームイン!!朝!』『ズームイン!!SUPER』などを担当し、06年より『ズームイン!!サタデー』の総合演出を務める。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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