HSP“繊細さん”な私の恋愛。デートから帰ると「ヘトヘトで動けない」

女子SPA!

「嬉しいことや楽しいことを、恋人と一緒に素直に喜んだり楽しんでみたい。……でも私にはそんな“普通のこと”ができないんです」

上京して今年で2年目の丹波美海さん(29歳・食品メーカー)は、うつむきがちに小声でつぶやきます。近年、感受性が強く敏感な気質をもった“とても繊細な人々”HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)という人々の存在が注目されています。実は丹波さんもその当事者。子どものころから必要以上に他人の言動を気にしてしまい、大人になった今も恋人とすぐに破局してしまうことが悩みだそうです。一体なぜでしょうか。

◆疲れてる? ムリしてる? 彼の態度が全て気になる!

「すぐ別れてしまう理由は自分でも分かっていて、気にしすぎ、考えすぎ、相手の気持ちを‟勝手に想像しがち”なんです。たとえば彼氏とデートの予定を決めていたとき、こちらがなにか提案して、『あ、ああ、それいいね』と、彼の返事がほんの一瞬遅れたとします。そこに私は引っかかってしまって、『今一瞬言葉に詰まったよね。え、そんなに行きたくないの? 無理やり付き合わせちゃってる?』とネガティブな想像に一気にモヤモヤっと包まれてしまうんです」

けっして彼を責めているわけではなく、いつもと違う相手の反応を見て不安を感じてしまう丹波さん。

「そうなんです。だから彼に『ムリしてない?』『疲れてるなら今度でいいよ?』と聞くと、大抵『大丈夫だよ』と返ってくるのですが……」

彼のその返事でより一層モヤモヤが増幅するそう。

「その大丈夫っていう言葉も『(疲れていないし、無理もしていないよ)大丈夫だよ』っていう意味もあれば、『(疲れているし、ぶっちゃけ結構しんどいけど……)大丈夫だよ』という風にもとれますよね。そして私は元々自分に自信がないネガティブ野郎なので、たいてい後者として受け取っちゃう。彼に無理をさせていて一人で空回りしていた自分が恥ずかしいやら、申し訳ないやら。一気にいろんな感情が暴走してしまって、『え! 疲れているなら無理しなくてもいいのに、本当は行きたくないんでしょう』と、彼を心配する気持ちと、『でも、あたしは行きたかったのにな……』とすねる感情がいつもぐちゃぐちゃになるんです。すべては私が勝手に想像しているだけなんですけどね」

◆デート終わりには、疲れ果てて動けなくなることも

「一度自分の感情がこじれるとありえないくらい面倒くさくなる」と自己分析をする丹波さんですが、暴走は落ち着くどころかさらに加速します。

「私が面倒くさいことを言っているのはわかっているんです。でも、彼がそれを聞いて眉間にしわを寄せたり、ため息をつかれたりすると、『うわああ、デートを楽しみにしていたのは私だけだったんだ。恥ずかしっ……!』と、余計に自己嫌悪におちいってしまうんです。彼のささいな変化や反応に敏感だからこそ、揉めれば揉めるほどネガティブな仕草が気になってしまう。そうして勝手に暴走して、勝手に疲れて、いつも相手から『ごめん、もうついていけない』とフラれるのがお決まりのパターンです」

ほかにも、デート中にも相手が少しでも疲れた素振りをみせると、「疲れたなら休もう」「もしかして楽しくない? 〇〇くんは何がしたい? どこに行きたい?」とすべてを相手優先で過剰に気を遣ってしまうそう。

「常に相手の顔色を気にして自分のことは二の次、三の次。だから知らないうちに限界を超えて相手に気を遣ってしまい、気が付いたら精神的にヘトヘトになっていることもしょちゅうでした。楽しかったはずのデートも、帰宅した途端一気に疲れ果てて、玄関先に座り込んで動けなくなることもありました」

◆私が付き合ってはいけない男性のタイプ

相手のささいな言動に過剰反応し、気を遣ってしまう丹波さん。体を張っていくつもの修羅場を経験する中で、自分のような繊細さんが“避けるべき男性のタイプ”が見えてきたそうです。

「なぜか歴代の彼氏の大半が、感情の起伏が激しい人でした。機嫌が悪いとすぐ舌打ちをしたり眉間にしわを寄せたり。私のことで怒っているわけではなくても、隣に機嫌が悪い人がいると必要以上に自分から『大丈夫?』『どうしたの?』と気を遣って寄っていってしまうのはHSPの特徴です。

そして、すぐに大声を出したり暴言を吐く人も苦手です。ただでさえ相手の言動に敏感なのに、大声を出されると自分に関係なくても委縮(いしゅく)して固まってしまうんです」

元カレがテレビに向かって愚痴を言っていたり、声を荒げているだけで、まるで自分が怒鳴られているようで辛かったそうです。

「あるとき、ふと『私には誰が気を遣ってくれるんだろう』と疑問を覚えて。私は彼に過剰に気を遣ってフォローするけれど、歴代の彼はいつも“自分が中心”。とにかくいつでも主語は自分。『俺は〇〇がしたい』『俺は〇〇に行きたい』『俺は今そんな気分じゃない』って。一方で私はどうかと言えば、『彼は何がしたいのかな』『彼は今どんな気分なのかな』って私の中の主語も彼になっていた。いないんですよね、“私”が。……なんか気が付いた途端自分がかわいそうに思えてしまって、自分のことをもっと大事にしなきゃと思えたんです。そして別れを決意しました」

◆やっと出会えた、自分にピッタリと思える恋人

現在は感情の起伏があまりない、とても穏やかな彼と出会うことができたそうです。

「これまでの彼とは真逆で、一切何があっても動じないし波が立たない“凪(なぎ)”のような彼氏です。でも私がささいなことにでも過剰に反応したり、必要以上に言葉の裏を読もうとしてしまうので、バランスが取れているというか……。

ネガティブに暴走しそうな私を横目に、『まあ悩んだらとりあえず美味しいもの食べようよ』『お腹いっぱいになれば余計なこと考えずにすむよ~』って、いつもニコニコしてくれる。まるでアニメ『クレヨンしんちゃん』のボーちゃんみたいな人畜無害の人ですが、その包容力が余裕のない私を包み込んで一瞬にして落ち着かせてくれる。ネガティブ思考はまだ完全には治りませんが、彼のおかげで、“敏感すぎる自分の特徴”とゆっくり向き合えそうです」

人の言動に、心を揺さぶられてしまう繊細さん=HSP。その生きづらさは計り知れませんが、私たちも、誰といるときが一番“素の自分”でいられるのか、笑顔になっていることが多いのか。過剰に気を遣いすぎていないか、無理をしていないか。ときには改めて振り返ってみてもいいかもしれません。

―私のコンプレックス―

<文/赤山ひかる>

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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