【映画コラム】超常現象を描いた2本の映画『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』『ホムンクルス』

テレビファン


 今週は、4月2日から公開される、超常現象を描いた映画を2本紹介しよう。

まずは、韓国ドラマをリメークしたテレビシリーズを映画化し、謎の無線機でつながれた現在と過去の刑事が未解決事件を解決していく様子を描いた『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』から。監督は『探偵はBARにいる』(11)などの橋本一。

2021年、高速道路でハイヤーが暴走し、政府高官(杉本哲太)が事故死した。長期未解決事件捜査班の三枝(坂口健太郎)や班長の桜井(吉瀬美智子)は、この事故が仕組まれた可能性があるとみて捜査を開始する。

一方、09年の東京でも政務官が相次いで交通事故で死んでいた。当局が事故として処理する中、刑事の大山(北村一輝)は、事件性を疑っていた。そして、23時23分、つながるはずのない無線機が再び鳴り出し、三枝と大山の交信が復活する。

このシリーズのコンセプトは「過去を変えることで、現在も違った運命を迎える」ということ。それ故、キャッチコピーは「過去を変えて、未来を救え。」「諦めなければ未来は変わる」となる。

韓国ドラマの中には面白いアイデアのものが少なくない。だから、ハリウッドや日本も、こうしてリメークするのだろう。この映画の場合も、二つの異なった時代を並行して見せる、過去を変えた結果の違った現在を見せるという、映画ならではの表現方法が生かされている。

ただ、無線機が現在と過去をつなぐという設定を知ったとき、ヒロインが落とした携帯電話が時空を超えて明治時代の若者の手にわたるが、2人は会話をするだけで決して会えないという、夏帆主演の映画『東京少女』(08)のことを思い出した。韓国ドラマの脚本家は、意外とこの映画を参考にしていたりして…。

続いては、カルト的な人気を誇るという山本英夫の漫画を『呪怨』(03)などの清水崇監督が映画化した『ホムンクルス』。

記憶を失い、車上生活を送る名越進(綾野剛)の前に、ある日、医学生の伊藤学(成田凌)が現れ、頭蓋骨に穴を開け、第六感を芽生えさせるトレパネーション手術をすることを持ちかける。

術後、名越は、右目をつむって左目で見ると、人間が異様な形に見えるようになる。伊藤は「他人の深層心理が視覚化されて見えている」と説明し、その異形をホムンクルスと名付ける。名越はその能力を使って心に闇を抱える人たちのホムンクルスを消していくが…。

ホムンクルスとは、ラテン語で小人の意味で、ヨーロッパの錬金術師が作り出す人造人間、あるいはそれを作り出す技術のことを指すらしい。

この映画の、VFXで描かれたホムンクルスは、グロテスクだったり滑稽に見えたりもするが、それを見せることが主体ではなく、超常現象を媒介としたトラウマからの解放を描いた心理劇的な要素が強かった。

見る前は、清水監督故、もっとホラーっぽいものを想像していたのだが、そこは大きく違っていた。成田のエキセントリックな魅力が全開。むしろ、彼が演じた伊藤の方が主人公に思えてくるほどだった。(田中雄二)

当記事はテレビファンの提供記事です。

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