アニメ映画の栄冠はどの作品に!?日本アカデミー賞「最優秀アニメーション作品賞」をスバリ予想!

Oh!My!アニメ

 

2021年3月19日、日本の映画賞としては随一の知名度を誇る『第44回日本アカデミー賞』授賞式が開催されます。

日本アカデミー賞では、作品賞や監督賞、主演男優賞、主演女優賞などの主要部門から製作陣をねぎらう部門に至るまで、様々な賞が設けられていますが、今回注目してほしいのが、“優秀アニメーション作品賞”。

一年間に数多の長編アニメーション映画が製作される中から「これぞ」という作品が優秀賞として5作品選出。さらにその中の1作が、最優秀賞として授賞式で発表されます。

本年は果たしてどの作品が最優秀賞に輝くのか、予想していきたいと思います!

 

 

『優秀アニメーション作品賞』受賞作品

本年の日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した映画は以下の5作品。それぞれのあらすじと、どんな作品なのかをまずはおさえていきましょう。

 

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

■あらすじ:
かつては兵士として戦い、戦闘兵器のように扱われていた少女・ヴァイオレット。戦争も終わり、戦う必要がなくなった彼女は、代筆業に従事していた。心を育む機会が与えられなかった彼女は、自分を育ててくれた上官であるギルベルト・ブーゲンビリアの遺した言葉を理解しようと、彼を想う日々を過ごしていた。
そんななか、ヴァイオレットが勤務する郵便社の倉庫で1通の宛先不明の手紙が見つかり、事態は急変するーー。

 

本作は、TVアニメシリーズ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の続編として描かれた劇場版。TVアニメが放送されていた頃から感動的な内容と美麗なアニメーションで高い評価を得ていました。今回優秀賞を受賞した劇場版は、根強いファン層の支持はもちろん、口コミでの高い評価を獲得し、深夜アニメ発の映画でありながらも、興行収入21億円を超える大ヒット作となりました。

コロナ禍で劇場に入場制限がかかっていた昨年9月末の公開でありながら、これだけの好成績を残せたことは驚きです。

そんな本作を制作したのは、京都にあるアニメーション制作会社・京都アニメーション。2019年の放火事件から1年を経ての新作映画ということもあり、感慨深さもより強い作品となりました。

 

えんとつ町のプペル

■あらすじ:
厚い煙に覆われたえんとつ町。人々は煙の向こうに星があるとは想像すらしていなかったが、町でただひとり、紙芝居屋のブルーノは、星のことを信じ語り続けていた。そんな彼も今は、海の怪物に食べられてしまったという噂を残し消えてしまった。

ブルーノの息子ルビッチは、学校を辞めてえんとつ掃除屋をしながら家計を助ける暮らしをしていた。みんなが星のことを信じていないなか、かたくなに星のことを信じていた。

そんなルビッチに、ハロウィンの夜、奇跡が起きる。彼の前に、ゴミから生まれたゴミ人間のプペルが現れたのだ。プペルと友達になったルビッチは、彼と共に星を見つけにいくことを決意するーー。

 

大ヒット絵本『えんとつ町のプペル』を、アニメーション技術でも世界的に高い評価を得ているSTUDIO4℃が映像化。監督には『アニマトリック-BEYOND』『ベルセルク黄金時代編I覇王の卵』などでCGを手がけた廣田裕介さんが、監督として初登板となりました。

絵本の著者である西野亮廣さんは、本作でも脚本・製作総指揮を担当。映画の製作だけでなく、子供たちに鑑賞券をプレゼントをするクラウドファンディングなどのプロモーションにも参画。クラウドファンディングではなんと総額1億円もの支援を獲得する快挙を果たしました。

そういった厚い支持は興行成績にも表れており、新型コロナウイルスの感染が再び拡大しはじめた昨年末に公開しましたが、それに抗うようにロケットスタートを切った本作は、興行収入20億円を超えるロングラン上映作品となりました。

 

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

■あらすじ:
大正時代、鬼によって家族を惨殺されたことをきっかけに、竈門炭治郎は鬼殺しの役を担う鬼殺隊に入隊し、仲間の善逸と伊之助、そして鬼に変えられてしまった妹・禰豆子と共に、鬼を倒し、人々を救うために各地を周っていた。

そんな彼らの新たな任務は、短期間のうちに40人以上が行方不明になっている“無限列車”での調査。列車に乗り込んだ四人は、先行して列車に乗車していた、鬼殺隊最強の剣士である“柱”のひとり、炎柱・煉獄杏寿郎と合流する。

談笑も束の間、ついに鬼が姿を現すが、煉獄によってたちまち鬼は退治されてしまう。無事事件は解決したかと思われたのだがーー。

 

2020年を代表するアニメーション映画といっても過言ではない大ヒット作品。そのヒットの大きさはとてつもなく、それまで日本の歴代興行収入1位だった『千と千尋の神隠し』の記録を軽々と越え、前人未到の380億円に到達。現在もその記録を更新しつづけています。

もともとTVアニメの人気が高かったとはいえ、それでもこの勢いは異常。ベースにあった作品人気はもちろんですが、そこには誰もがわかる美しさだけではなく、複雑な模様をはためかせるなど、実は高等な技術に支えられていたり、さらには映像を踏まえた音楽作りをするフィルムスコアリングを用いるたりなど、効果的な制作過程を踏んでいました。

そんな『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を手がけたのは、「劇場版 Fate/stay night」シリーズなどの制作も務めたアニメーション制作会社ufotable。本作をきっかけに、さらに多くの人に名前を知られるようになりました。

 

ジョゼと虎と魚たち

■あらすじ:
海洋生物学を専攻する大学生の恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れを見るという夢を叶えるべく、勉強とバイトに明け暮れていた。そんなある日、車椅子の少女・ジョゼに遭遇する。

彼女は祖母のチヅと二人で生活しており、趣味の絵と本、そして想像の中で生きていた。

ある日恒夫はチヅから、ジョゼの注文を聞き、相手をするというバイトを持ちかけられ、引き受ける。最初は恒夫に対して辛辣な態度をとっていたジョゼだったが、次第にそんな関係にも変化が訪れーー。

 

芥川賞作家・田辺聖子さんの同名小説を原作にアニメーション映画化をした本作。すでに2003年に妻夫木聡さん、池脇千鶴さん主演により実写映画化をしており、カルト的な名作として知られていた作品ですが、舞台を現代に改め、内容も実写映画からはアレンジ。

障がいによる隔たりや恋愛要素はもちろん、夢や、もっと根源的な人と人との交わりについて、密度の濃い物語が展開され、公開まもなく高い評価を獲得しました。

監督には『おおかみこどもの雨と雪』で助監督をしていたタムラコータローさん。声優には俳優の中川大志さんや清原果耶さん、主題歌には今人気急上昇中のEveさんを起用するなど、実写映画化当時のファンだけでなく、新たな世代にも刺さる作品に仕上げました。

 

STAND BY ME ドラえもん 2

■あらすじ:
古いクマのぬいぐるみを見つけたことをきっかけに、すでに亡くなっているおばあちゃんのことを思い出したのび太。拒むドラえもんを押し切り、タイムマシーンに乗っておばあちゃんが生きている時代に降り立ち、のび太はおばあちゃんに“再会”するのだった。

成長したのび太のことを知らないおばあちゃんだが、「自分はのび太だ」と名乗る少年をすんなりと信じ、受け入れてくれたのだった。そんなおばあちゃんが「のび太のお嫁さんをひと目見たくなった」と呟いたことでのび太は決心。なんとかして自分の結婚式をおばあちゃんに見せようとする。しかし、未来にやってきたのび太とドラえもんは思わぬ事態に直面してしまうーー。

 

ドラえもんの50周年を記念して、大ヒット映画『STAND BY ME ドラえもん』が復活。数々の名作エピソードを映像化した前作で惜しくも選出されなかった人気エピソード『おばあちゃんのおもいで』をベースに、新たなオリジナルストーリーが製作されました。

監督を務めるのは前作に続き、八木竜一さんと脚本も務める山崎貴さんコンビ。コロナ禍の影響もあってか前作ほどのヒットにはならなかったものの、再び“ドラ泣き”のワードが話題になるなど、感動の声があがる作品となりました。

アニメーションの制作についても、前作に引き続き日本のVFX制作では最高峰の白組が担当し、海外作品にも引けを取らないリッチなビジュアルの立体的なドラえもんを再現しました。

 

 

この作品に注目!個人的に受賞してほしい作品!

以上、5作品をピックアップしましたが、最優秀賞に選ばれるのはこの中から1作品のみ。いったい、どの作品が選ばれるのでしょうか。

個人的に推しておきたいのが『ジョゼと虎と魚たち』

障がいというセンシティブなテーマを含んでいながら、絶妙なバランス感で多くの人が共感・感動できる作品に仕上げているところが見事でした。

興行的にはその他の4作品に比べると高くありませんが、アニメーションの美しさや丁寧な演出など、もっともっと評価されてほしいという気持ちが溢れてきます。個人的な希望としては“ジョゼ虎”が受賞してくれたら嬉しい…..なんて思っています。

 

 

最優秀アニメーション作品賞はどうやって決まる?

とはいえ、もっと客観的に最優秀賞も予想していきたいところ。予想するのであれば、まずはその条件を知っておきましょう。日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞は、そもそもどうやって決まるのでしょうか

日本アカデミー賞の選考を担当するのは、日本アカデミー賞協会会員という方々。この日本アカデミー賞協会会員は、運営・実行委員会や賛助法人から推薦された映画事業に3年以上携わっている方が選ばれます。発表されている2020年度の会員数はおよそ4,000人。

この協会会員全員が、全部門に投票する決まりになっており、まずは各賞の優秀賞が選ばれます。そして、そこからさらにもう一度、協会会員全員が投票を行ない、最優秀賞が選ばれるのです

この前提を知っていると、受賞作品をおおかた予想していくことができます。

 

 

これまでの受賞結果から予想!最優秀賞はこの作品?

ここからが本格的な予想です!
前述した通り協会会員全員は全部門に投票しますが、映画に携わっているといえど“アニメーション映画”に密接していない会員も存在し得るというのがポイント。

アニメーション映画の人気が高くなってきているとはいえ、全てのアニメーション映画を観ているという人はあまり多くないので、どうしても多くの人に観られている興行成績の良い作品に票が集まりやすいという仕組みになっています。

また、映画の製作陣も会員であり、東宝・東映・松竹といった大手映画会社の方々や、映画に出資しているような企業の方々も会員として名前を連ねています。自分たちが携わっている作品に投票できる仕組みがある以上、大手の配給で大規模な協賛を得ている作品に票が集まるという性質がどうしてもあります。

そういった、傾向を踏まえたうえで、これまでの受賞作品を振り返ってみましょう。

2006年 時をかける少女
2007年 鉄コン筋クリート
2008年 崖の上のポニョ
2009年 サマーウォーズ
2010年 借りぐらしのアリエッティ

2011年 コクリコ坂から
2012年 おおかみこどもの雨と雪
2013年 風立ちぬ
2014年 STAND BY ME ドラえもん
2015年 バケモノの子

2016年 この世界の片隅に
2017年 夜は短し歩けよ乙女
2018年 未来のミライ
2019年 天気の子

いずれも大ヒットを記録したアニメーション映画が並んでいたり、スタジオジブリ作品が強いといった傾向がわかると思いますが、意外とヒットの規模にも大小あります。

『時をかける少女』『夜は短し歩けよ乙女』などは、その他の作品に比べるとそこまで高い興行成績ではなく、必ずしも興行成績の良い作品が受賞するというわけでもないので、興行の数字がただデカければいいというわけでもないという前例があります。

とはいえ、2020年は興行収入では圧倒的な作品がありますよね。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』です。

日本映画史に残る記録を残し、作品評価も高く、コロナ禍で客足が遠のくシネコンに多くの観客を引き戻した貢献具合を思うと、本年度の日本アカデミー賞で賞を与えないことには違和感すら覚えます。

2016年には『君の名は。』が最優秀賞を逃しましたが、監督を務めた新海誠さんは、この年の監督賞を受賞しています。残念ながら『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の外崎春雄監督は、今回の優秀監督賞には名前が上がっていないので、やはり『鬼滅』に花を持たせるとなると、最優秀アニメーション作品賞になるのではないでしょうか。

来たる3月19日、5作品のうちどの作品が最優秀アニメーション作品賞を受賞するのか。例年通り、当日は日本テレビ系列にて授賞式の放送が行われるので、ぜひ皆さんも“アニメーション部門”に注目しながら観てみてくださいね。

日本アカデミー賞公式HP:japan-academy-prize.jp

WRITER

  • ネジムラ89
  •        

  • 缶バッジ販売専門店「カンバーバッチ」のオーナー兼アニメ映画ライター。アニメ映画情報マガジン「読むと アニメ映画 知識が結構増えるラブレター」をnoteにて配信中。その他いろんなとこでアニメ映画話を執筆中。古今東西関係なくアニメ映画を中心とした有益な情報を多くの人に提供できるようにやっていきます。

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