生粋の“シティボーイ”尾上松也が歌って、舞って、ラップする…!「驚きの連続だった」<『すくってごらん』インタビュー>

 

歌舞伎俳優の尾上松也さんが、3月12日より全国公開される『すくってごらん』にて、映画初主演を務めています。

『すくってごらん』は、大谷紀子さんによる同名人気コミックを実写映画化。
東京から片田舎の町へ左遷された大手メガバンクのエリート銀行員・香芝誠(尾上松也)が、その町で金魚すくい店を営む吉乃(百田夏菜子)に心惹かれ、秘密を抱える彼女の心を“すく”おうと奮闘する物語です。

 

めるもでは、松也さんにインタビューを実施、初主演映画に懸ける思いや撮影の裏話などを聞いてまいりました!

 

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――『すくってごらん』はミュージカル要素あり、凝った映像あり、笑えるパートありと、盛りだくさんな内容です。撮影に入る前は、どのような準備をされましたか?

松也:撮影に入る前に準備したことは、お芝居のことより、技術的な面でした。ミュージックビデオのようなシーンもありましたので、動きを確認したり、もちろん金魚すくいも練習しました。演じた香芝については、原作を読んでいましたので、原作と脚本を読んで感じたことを、なるべくそのまま表現してみようかな、と思っていました。

 

――松也さんが演じた香芝誠の、冒頭からにじみ出ているコミカルな要素は、2017年に主演されたドラマ『さぼリーマン甘太朗』を彷彿させました。

松也:そうですよね(笑)。監督が僕にお話をくださったのも、『さぼリーマン』をご覧なって、それがすごく印象に残っていたとのことなんです。僕をどういうふうに活かしたらいいかというインスピレーションは、そこからきているところもあると思います。僕自身も、この映画に多いモノローグは、『さぼリーマン』で演じていた表現方法やお芝居を意識していました。……とはいえ、キャラクターも違いますので、その辺は色も変えてできたらいいなぁ、と考えながら演じさせていただきました。

 

――香芝誠は、松也さんでないと成立しなかったのではと思うほど、お芝居の上手さに濃淡が印象的でした。特に意識してやられたところは?

松也:ありがとうございます。そうですね……お芝居的な部分で、飽きさせないようにというところは意識していましたね。歌に関しては、セオリー通りではないところで急に楽曲が入ってきたり、「なんでここで歌うんだ!?」みたいなところも結構あったり、トリッキーな仕掛けみたいなものも、たくさんあって。そこに振り回されてしまうと、見てくださる方を飽きさせてしまうかなとも思ったんです。我々としては、香芝としての見方と、シーンに対してのビジョンをしっかり持って、全編通して作っていかないと、全部がブレてしまうなというのがありました。ですので、歌ったり、ラップをしたりなども「面白いことをやっている」というよりは、香芝の中では病気のように自然と巻き起こってしまうリズムと、思っていることが表に出てしまうような、そういうサイクルでやっているようなイメージでしたね。

 

――出ちゃっていた感じ、を意識されていたんですね。笑わそうとしていないから、観客としては、思い出し笑いをしてしまうくらい、すごく面白いところでした。

松也:うれしいですね。そういう意味では、彼のとても真っすぐなところは、意識して演じていました。表情でわかりやすく、そして動きなどは、やはり『さぼリーマン』でやっていたことは、経験としてすごく役に立ったかなと思います。

 

――ところで、本作は原作と同じ奈良県で撮影されたそうですが、松也さんは、都会ではないところへの憧れ、もしくはスローライフのようなものに興味はありますか?

松也:ありますね。あのー……今、LINEをやめてしまおうかなと(苦笑)。なんだか無駄な連絡の取り合いしてる気がするなぁと思うときもありますから、LINEを消して、電話だけにしたら、携帯に囚われずに生きられるのではと思うことは、実はあったりします。……まあ、その勇気はなかなか持てませんが(笑)。

僕自身は東京育ちなので、お正月やお盆に「実家に帰る」という行為がないんですよ。地方から来ている友人から、「正月は何日から何日まで実家だ」という話を聞くと、なんだか羨ましいなと思ったりするときも、あります。……ですが、やっぱりシティボーイなので、住むのはちょっと難しいかもしれない(笑)。

 

――今回、ラップパートも非常にみどころですよね。ご苦労は、ありましたか?

松也:ははっ(笑)。日本語ラップよりも、銀行のシーンの英語ラップは大変でしたね! スタジオで録音したのですが、ほんっとに「これでいいのか?」と自問自答しながら、撮影にも臨んでいました。監督は満足してくださっていたので、監督がOKならそれでいいんですけどね(笑)。

 

――みごたえのあるミュージカルシーンについて、主要キャスト陣とそれぞれのデュエットパートもありました。皆さんとの共演の印象を教えていただけますか?

松也:はい。明日香役の石田ニコルさんは、普段からとてもしっかりと、堂々としていらっしゃるんです。ふたりで歌うシーンも、香芝のテンパリ具合に対して、石田さんが明日香としてどっしりと、そこにいてくださることで色の違いが出ました。そのギャップがまた面白く、滑稽に見えるところもあると思います。香芝のキャラクターをどう活かすかにおいても、石田さんが存在感を発揮して、歌っているときもリードするような空気にしてくださったのは、役としてもとても演じやすかったです。

 

柿澤(勇人)くんに関しては、普段から仲良くさせていただいていて、付き合いも長いです。そういう意味では、純粋に安心感がありましたし、楽しかったです。彼はミュージカルの方ですから、歌や音楽に関しては精通していますし、本当に安心して頼れる存在でした。

 

百田さんに関しては、百田さんの声自体がとても独特で、何を歌っても彼女の世界に引き込める魅力的な声を持っていらっしゃる方です。特に『鼓動の理由』を歌う幻想的なシーンは、彼女の歌声だけでも、魅惑の世界に誘われるような不思議な空気感を持っていました。あのシーンは、香芝の妄想の中でもあるので、いい意味でフワフワした気分で、夢の中のような空気で歌えましたね。

 

――お話された『鼓動の理由』のシーンは、電話ボックスの演出のところですよね。非常に凝っていたような印象です。仕上がった映像を観て、驚きなどもありましたか?

松也:本当に驚きの連続でした。そのシーンもですし、最初、紅燈屋で、吉乃さんと出会うシーンも、何人もダンサーさんが出てきて・・・だったじゃないですか。脚本を読んでいるだけでは、何のイメージも湧かなくて。「どういうふうに撮れてる? どういうふうに撮るのだろう?」と思い、現場に行って「こういうことなんだ!」みたいなものが、だんだん見えてくる。最終的に、作品として完成したものを観て「あっ、こうつながったんだ!」という、今回はそんな驚きの連続でしたね。

もともと、オファーをいただいたときから、「とてもチャレンジングな作品だなあ」とは思っていたんです。わざわざこんなに歌を入れたり、ラップを入れたりして、大変なことをしようと、一か八かみたいなことに賭けようとしている制作陣と監督に、僕はすごく共鳴するものがあって。これをやろうとする方々に声をかけていただいたのであれば、何とか一緒に、この船に乗って、形にしてみたい、という強い想いがありました。だからこそ、オールアップのときは「ちゃんと終えられた」ことの安心感と、皆さんと一体感があってすごく楽しかったので、「この現場、もうちょっといたいなぁ」という思いが、半々ぐらいありました。こうして公開を間近に迎える今、やはり感慨深いです。

 

――いろいろとお話いただき、ありがとうございました。今回の記事は「めるも」という趣味女子メディアで掲載されます。松也さんの最近の趣味というと、何ですか?

松也:最近は、スニーカーにハマり出しましたね。大変なことになってきていますよ。

 

――大変とは、収集癖みたいなものがある?

松也:ゼロからのスタートのときは、とにかくないと不安になってしまうというか。スニーカーは、1足買ったら、止まらなくなりました。今はアプリやネットなどでも買えますが、休みになったら、とりあえず今はスニーカーショップを回って、買ったり、買わなかったりしています。コレクションして眺めるというより、僕は絶対に履きます。履いて楽しんで、気分を上げたりしていますね。(取材・文:赤山恭子、写真:映美)

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映画『すくってごらん』は、2021年3月12日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー。

キャスト:尾上松也、百田夏菜子、柿澤勇人、石田ニコル ほか
公式サイト:sukuttegoran.com
(C)2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C)大谷紀子/講談社

WRITER

  • 赤山恭子
  •        

  • エンタメ雑誌編集部に勤務後、ハリウッド映画の版権を買い付け日本国内で販売するディストリビューターを経て、フリーの映画/エンタメライターに。現在は、監督・俳優のインタビューを中心に、現場取材、映画紹介コーナーほかも担当。相手の心に寄り添い、時に突っ込みながら深めてゆくインタビューが持ち味。

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