コロナ禍で仕事に不安…20年越しで同じ“辛口占い師”に背中を押された話

女子SPA!

 誰にでも人生を振り返ったときに「あれが転機だった」と言えるエピソードが、1つや2つあるのではないのでしょうか。

相田香織さん(仮名・40歳)は、フリーランスのライターをしています。レシピやダイエット本などを手掛けていましたが、昨年からのコロナの影響が仕事にも出ているといいます。

◆正社員か、バイトか。悩んだ挙句、占い師のもとへ…

「最近は、書籍や年4回など定期刊行されていたムック本も、出版点数が減ってきました。やむを得ずウェブなどで、テレビで取り上げられたネタを記事にするような仕事もしていますが、書籍と比べると単価が安いので続けていくには不安……。しかも、コロナの影響で、これまで手掛けていた主婦向け雑誌の特集の仕事も減ってきたので、他の仕事をしようか迷っています」

もともと香織さんは学生時代から、出版社で編集やライティングを行う仕事を希望していました。

「私が大学を卒業した頃は、まだ就職氷河期と言える時期だったので、出版社によっては新卒採用をしていませんでした。卒業まであと数か月となったときに、求人雑誌に載っていたデザイン会社の事務に採用になったんです。一応、正社員だったのですが、手取りが安くて、土曜日もデザインの勉強と称した出社と、部署の掃除当番がありました」

編集の仕事への夢を捨てきれない彼女は、求人を探しまくったそう。

「その頃は、読んでいた雑誌に『編集アシスタント募集』と書いてあれば、待遇も見ずに応募していました。どれも『経験者優遇』で、未経験の私は面接すらもしてもらえませんでした……。でも『これで最後にしよう…』と思って受けた小さい編集プロダクションから、内定がもらえたんです!」

ところが、香織さんは、親から就職を反対されてしまいます。

◆占い師が「あなたは書く仕事にむいている!」

「編集プロダクションの契約は、時給制のアルバイト。みんな最初はバイトからスタートするとかで。親は『そんな危ない会社やめておけ』の一点張りでした。正社員か、夢を追ってアルバイトかと悩んでいたとき、偶然、有名な占いの店の前を通ったんです」

恋愛や仕事など、何かに迷っていると、占いに頼りたくなる人は少なくないでしょう。香織さんも、思い切ってみてもらうことにしました。

「たまたま空いていた占い師さんを選んだら、怖そうな顔をした男性でした。しかも、辛口でズバズバ言うタイプ。その当時付き合っていた彼氏とも別れると言われ、占いを信じたくなかったです」

しかし、一番の悩みであった就職に関しては聞き入ってしまったといいます。

「拡大鏡を使って、私の手相のしわを一本、一本、細かく観て鑑定するんです。悩みを打ち明けると、恋愛とは違って一転、『あなたは書く仕事に向いている』、『やりたい仕事をやった方がいい』と、帰り際にも勧められました」

◆20年後、同じ占い師に占ってもらうと予想外の結果が

そのアドバイスに背中を押され、香織さんは編集プロダクションへ。

「親の反対を押し切って、入社しました。その後、社員となって、女性誌やタウン誌などの編集を担当できたんです。10年勤めた後に、独立しました。ある意味、占い師さんの占いが当たったんですよね」

出版業界に入ってからのキャリアは順風満帆とも言える香織さん。占い師の言う通り、書く仕事が合っていたのでしょう。しかし、コロナ禍の現在は、先行きが見えず、仕事に対して不安が消えないといいます。

「ふと頭に浮かんだのが、20年近く前に占ってもらった占い師さんだったんです。調べたら、まだ現役で占いをしていると知って、みてもらいに行くことにしました」

気になる鑑定結果は、香織さんを勇気づけるものだったといいます。

「今の仕事については詳しく話していないのですが『表現する仕事の方が良い結果が出せる』と言われたんです。20年前と同じ結果で、驚きましたね。会社勤めを目指そうかと思っていましたが、このまま書く仕事を続ける決意をしました」

このように、人生のターニングポイントになる出会いは誰にでもあるかもしれません。占いが当たる・当たらないということより、誰かに背中を押してほしい時があるんですよね。

「迷っていた小説講座にも通い始めて、自分の文章を書き始めました。今度は占い師さんに、良い結果を知らせに行きたいですね」と明るく語っていました。

―人生を変えた劇的な出会いと別れ―

<取材・文/池守りぜね イラスト/ただりえこ>

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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