コロナ収束後も飲み会は必要? 参考にできる菅首相スタイル

日刊SPA!

―[インテリジェンス人生相談]―

“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

◆コロナ収束後も、飲みニケーションは必要でしょうか?

★相談者★ パスカル(ペンネーム) 会社員 男性 31歳

コロナのおかげで忘年会も新年会も中止となって、せいせいとしています。上司のつまらない話に相槌を打つ必要はないし、安いお酒を飲め飲めと強要されることもない。これを機に社内の飲み会を廃止してほしいです。佐藤さんは日本の飲みニケーション文化についてどのようにお考えでしょうか? リモートワークが浸透しても、社内の人間と顔を合わせて飲む必要があるのでしょうか? 飲みに代わる有効な社内コミュニケーションの方法がありましたら、それも教えていただけるとありがたいです。

◆◆佐藤優の回答

私は、もともと一人で本を読んだり、文を綴ったりするのが好きです。家ではアルコール類を一滴も口にしません。体質的にアルコールをかなり摂取しても酩酊することはありませんが、酒自体はあまり好きではないのだと思います。新型コロナの感染が拡大してからは、編集者と飲食を共にして打ち合わせることもほとんどなくなりました。打ち合わせや取材も極力、Zoomなどを使うようにしています。もっとも、私がこのようなスタイルで仕事をできるのは、作家という、基本的に一人で作業をする職業に就いているからです。

会社員や公務員の場合、仕事を円滑に進めるための飲みニケーションは不可欠と思います。この点で菅義偉首相の以下の意見が参考になります。

=====

私にとって、食事の時間は貴重な情報収集のチャンスです。永田町や霞が関の住人とは異なる情報を得るために、午前七時には官邸近くのホテルで朝食を共にし、昼も夜も一軒目、二軒目と、国会議員だけでなく経済人、メディア関係者まで様々なジャンルの方々とお会いするようにしています。(『政治家の覚悟』196頁)

=====

菅氏は体質的にアルコールを受け付けないので、飲み会ではノンアルコール飲料しか飲まないようです。こういうスタイルだと利点もあります。一般論として、アルコールを飲むと人は気持ちが大きくなり、思わず秘密を話してしまうことがあります。自分にとって都合が悪い秘密は9割以上、本人が洩らしてしまいます。酩酊していると、何を話したかを忘れてしまうこともあります。しかし、同席していた素面の人は、話の内容をきちんと記憶しています。菅氏のスタイルで、たくさんの人と飲食を共にすると機微に触れる情報が自然と大量に蓄積されていきます。

人間は信頼関係が深まってくると、自然と一緒に食事をするようになります。職場でいつも顔を突き合わせている人でも、嫌な感じがする人との食事は極力避けたいと思います。政治家の場合、嫌いな人であっても、自分にとって利用できるとなれば、積極的に付き合います。そのときに、信頼すれば食事をするようになるという考え方を逆用し、食事を一緒にすることによって信頼関係を構築しようとします。あざとく見えるかもしれませんが、この方法は意外とうまくいきます。

あなたの場合、将来をどう考えるかによって、対応が異なってきます。上司や同僚から「あいつは協調性がない」というレッテルを貼られても構わないと腹を括っているならば、飲み会はすべて断ればいいと思います。私があなたの立場ならば、飲みニケーションについて、周囲と折り合いをつけます。飲みに誘われたら、3回のうち1回は応じます。そこで、酩酊しない程度に酒を飲んで、周囲から警戒されないようにします。そのほうが自分にかかるストレスを少なくすることができると思います。

★今週の教訓……菅首相スタイルなら、情報を蓄積できます

―[インテリジェンス人生相談]―

【佐藤優】

’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ