―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第318回目をよろしくお願いします。
今年のGUはガチでヤバイ。デザイン性の高いものにも果敢に挑戦しており、また素材も旧来のチープなものを刷新。高級感ある風合いを目指しています。
さらに恐ろしいことにGU全体で今年から価格を下げており、例年よりも最大30%程度値下げをしているとのこと。ニュースにもなっていますね。
デザイン性も素材感も価格も攻めており、もはや国内では敵ナシのGU。今回はそんなGUのマストバイ品を紹介します。
――アウター部門――
◆▼クオリティアップした素材と体の線を拾わないオーバーサイズ
・オーバーサイズステンカラーコート 5990円(+税) まずはオーバーサイズのコート。
この手のステンカラーコートはユニクロが得意ですが、今季はGUも負けていません。いつものGUの価格帯から考えると少しだけ高め、それだけに素材感はしっかりと肉感があります。
また、シルエットはユニクロにはないオーバーサイズ感を意識。身幅が広く体の線を出さないシルエットにしてあり、体型にコンプレックスを抱える人にもおすすめです。
◆パンツ選びだけは要注意
先日、テレビの企画で肉付きのいい一般中年男性を変身させる際にこのコートを使ったのですが、これがバッチリ! 生地の固さと身幅や肩幅の広さで体の線が丸ごと隠れてスタイリッシュに見えます。
ただ、ダボダボのパンツを合わせてしまうと上下ゆるめでだらしない印象にもなりがちなので、体型をスマートに見せたいのならパンツは細めが鉄則。
それだけ守れば、あとは完璧です。
◆▼大人な印象に仕上げたジル・サンダー風ショップコート
・シャツコート(長袖)NT+E 2990円(+税) 少しカジュアルなアウターならこちらがおすすめ。コーチジャケットを長くしたようなデザインですね。春アウターの定番コーチジャケットですが、ラフでスポーティーな印象はともすると少々安っぽく、子供っぽく見られがちです。
コーチジャケットは安物も多く、大学生御用達なこともあり、大人が着るには少々抵抗もある。そこでこちらです。
コーチジャケットをコート風に着丈を長くし、素材をマットで重厚なものにすることで大人っぽさをプラス。
スナップボタンや襟の形などコーチジャケットのデザインはそのままですが、着丈と素材を大人仕様にしているのでかなり落ち着いた雰囲気に。カラーも大人な展開になっています。
◆2990円とは思えない高級感
ラフに黒パンなどで着用してもサマになるアイテム。裏地がなく防寒性は低いですが、身幅はそれなりにあるので、中に着込むこともできます。
都内なら3月から6月くらいが最適のシーズンでしょうか。
2990円でこれだけ高級感あるアイテムを作れるのは本当にスゴい。
――インナー部門――
◆▼スウェット並のイージーケア、かつ高級感あるニット素材
・ミラノリブクルーネックセーター(長袖) 1990円(+税)
こちらはGUのニット。
合繊を使ったニットなので耐久性は高い。「手洗い」と表記ありますが、普通に家庭用洗濯機で洗っても問題ありません。
ネットに入れて洗えばほかの製品と絡まることもないし、Tシャツスウェット感覚でヘビーに使い、ヘビーに洗えるのが何より便利。
◆ミラノリブのほどよい光沢
ただし、ウールニットと異なり、風合いはやはり少しチープな印象はあります。ただミラノリブの高密度な編み地のおかげでほどよい光沢があり、そこまで気にはならない。
スウェットと同感覚で着用でき、ニットらしい大人な印象もあるハイブリッドなアイテム。これで1990円なら格安です。
◆▼ポンチ素材で高級感あるスウェットに
・ダブルフェイスビッグプルオーバー(長袖)B 1690円(+税)
もう少しカジュアル路線がお好きならこちら。いわゆるポンチ素材を使ったスウェットです。
ニットではないので上のアイテムよりはカジュアルな印象がありますが、ただ普通のスウェットより光沢感や「もっちり」感が強いため高級感あり。
◆無地パンツとの相性も良好
普通に無地のパンツで合わせても、どこか風格を感じます。
光沢があると同じスウェットでも一気に格が上がるのでおすすめ。
――ボトムス部門――
◆▼日本人体型を意識して開発されたシェフパンツ
・シェフパンツ(セットアップ可能) 1690円(+税)
GUお得意のシェフパンツ。GUは海外展開が少なく国内需要を狙っているファストファッションブランド。海外を見ているユニクロやZARAにはない大きな特徴です。
このシェフパンツも日本人の体型に合わせてお直しせずにジャストレングスになる着丈設定だったり、体型をしっかり隠してくれるゆったりサイズのお尻周りだったりと、痒いところに手が届く作り。
ZARAのパンツは日本人のバランスにはミスマッチすることもありますが、GUなら大丈夫。国内展開中心のメリットですね。
◆パンツ専業ブランドが潰れるレベル
生地感もタフなデニムライク素材を使っており、ヘビーに使える。ウエストはゴム仕様で楽チン。
でも、裾が細くなっているテーパード型なのでだらしない印象にはならない……と他ブランドが意識しているパンツの要素は全部網羅しています。
これで1690円は安すぎてパンツ専業ブランドが潰れるレベル。
とびぬけたインパクトのあるデザインやシルエットではありませんが、70~80点を狙った優等生的なパンツ。
さまざまなデザインバリエーションがありますが、まずは無地からチャレンジしてみてください。
◆▼ワイド感のある新型バルーンパンツ
・バルーンアンクルパンツ 1690円(+税)
こちらはシェフパンツよりも太もも周りを中心にさらにボリュームアップさせたワイドタイプのシルエット。ただし、「バルーン」の言葉通りですが、ボリュームがあるのはモモ周りまで。裾にかけては極端に細くしているため、ダボダボの印象はありません。
◆ゆったりでもだらしなくない絶妙なバランス
GUはかねてからワイドシルエットのパンツを強化していましたが、素材の安っぽさも含めて、いささか「大学生」感が強かった。
ところが、このバルーンパンツは裾が細くダボダボ感が少なく、また素材もハリのあるものにしてあり、高級感がある。大学生っぽいワイドパンツから一歩進化した感じがします。
1690円と格安ですが、他ブランドで作ったら10倍してもおかしくない。
シェフパンツよりワイドなのでカジュアルな印象がありますが、ゆったりサイズがお好きな方はこちらを。ゆったりでもだらしなく見えず、いい感じです。
以上、「GUマストバイ2021春」でした! アウター・インナー・ボトムスに分けておきましたので、ぜひご参考に!
―[メンズファッションバイヤーMB]―
【MB】
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