花粉シーズン、新型コロナウイルス対策の「換気」をどうする? 専門家が解説


先ごろ、掃除機や送風機などで知られるDyson(ダイソン)主催の花粉対策勉強会が実施された。花粉も飛びはじめたこのタイミングで知識をアップデートしてほしい。

○花粉量は前年比160%!

2021年の花粉飛散量は2020年比で全国平均では160%ほどになるという予想が出ている。中には、200%を超えそうな場所もあり、「今年は昨年に比べて花粉の飛散量が多い」と言えそうだ。

原因は前年の夏の天候にあるという。夏の天候は翌年の花粉に影響するとされ、昨年は長雨や大雨、8月の猛暑など極端な天候を思い出す。これらが花粉症を起こすスギなどの雄花の生育に関わってくるのだ。

また「スギは樹齢30年を超えると花粉の生産能力が高くなる」とも言われ、戦後に植えられたスギやヒノキが大量の花粉を飛散するようになったという背景もある。

特に2月の末から3月にかけて花粉の飛散量が多くなると予想され、すでに発症している人も、まだ花粉症になっていない人も今年は要注意のようだ。
○花粉症患者は17倍に増えた!?

続けて帝京大学院医研究科 医真菌学の教授槇村浩氏により、コロナ禍における花粉症対策についての解説を紹介しよう。牧村氏の専門は微生物で花粉は生物ではないが「体内に入って悪さをする」という意味で微生物の範疇で扱い、室内空気環境などの研究も行っている。

まずは「東京都がまとめた花粉症の実態調査によると、ここ30年間で花粉症を発症する人が増えている」ということがデータで示された。中でも「0~14歳までの若い世代で、花粉症の症状を示す人が17倍になっている」という事実は見逃せない。

若くして花粉症を発症すれば、その後の長い人生を花粉症とともに歩むことになる。これは、QOL(人生の質)を損ないかねない。若い世代に加え、まだ発症していない人も花粉症にならない、花粉に接しても症状を起こさないための対策は必須である。
○花粉を浴びない

ここから牧村氏により示された花粉症対策の概要を紹介する。

まずスギ花粉に関しては、浴びれば浴びるほど、花粉症の症状が起こりやすくなることが明らかになっている。花粉の影響を少なくするには、マスクやメガネの着用が有効だ。ごく一般的なガーゼマスクやメガネを着けるだけで、鼻の粘膜に付く花粉の量は3分の1ほど、目に付くのも60%弱になる。それに加えて、帽子や花粉が付きにくい衣服を着ること、うがいや手洗いを行うことも有効だ。
○適切な換気を行う

2021年の花粉対策としては、新型コロナウイルス感染症流行中という事情も考慮し、換気を行いながらも、室内に花粉を入れないことが求められる。

室内ではこまめに窓やドアを開けて空気を入れ替えることが感染対策には重要。2003年に定められた改正建築基準法では24時間換気システムの設置を必要と定めた。2003年以降に建てられた住宅なら、このスイッチを入れると2時間で部屋中の空気が入れ替わる。
○加湿器を使用する

加湿器は「のどを守る」以上の有益な働きをする。加湿器から発生した水蒸気は、空気中の生物粒子や空中を漂うホコリのようなものを補足し、床に落としてくれる。このような効果を期待する場合は、40%以上の湿度を保つことが求められる。
○空気清浄ファンを活用する

空気清浄ファンは、前述のようにきれいな空気を室内に入れる働きをする。コロナ禍の現在は、新型コロナ感染者の有無、花粉の多寡に応じ、適宜利用するとよい。牧村氏の提案を以下にまとめた。
○こまめ/常時換気が必要

不特定多数の人がいる密封された部屋や新型コロナウイルス感染者や濃厚接触者がいるかもしれない部屋。花粉が多い場合は空気清浄ファンはつけっぱなしにして、窓は全開にせず少しだけ開ける。

真夏の暑い日にクーラーをかけ、窓を少しだけ開けて換気することも理論的には同じ。こうすると、しっかり換気しながらも比較的花粉が少ない室内環境が保てるはずだ。
○日常レベルの換気で十分

自分だけがいる部屋や感染者がいないと思われる部屋。窓は基本的に閉じたままにし、必要なときだけ換気する、24時間換気システムを利用する。

木村悦子 きむらえつこ 出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。紙・Webの企画・編集・執筆を行う。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。関心領域は、食文化・動物学・占いなど。 この著者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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