久保田紗友、役作りに変化「いい意味で作るのを諦めた」『ボス恋』『ホリミヤ』で光る演技力


●自分らしさを大切に「自分が演じるからこその良さが出せたら」
21歳ながら芸歴約10年、数々のドラマや映画で存在感を放っている女優の久保田紗友。『べっぴんさん』(NHK総合ほか)や『過保護のカホコ』(日本テレビ系)などで注目を集め、『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)では悪役ポジションを見事に演じ、演技力に称賛の声が上がった。現在放送中の『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』(TBS系 毎週火曜22:00~)では、上白石萌音演じる主人公の良きライバルを好演中。そして、実写版『ホリミヤ』(MBS・TBS)では、W主演の1人・堀京子役を務め、甘酸っぱい青春の日々を表現している。話題作への出演が続く久保田にインタビューし、女優としての転機や『ホリミヤ』の撮影裏話など、話を聞いた。

シリーズ累計600万部を突破した人気漫画『ホリミヤ』を実写化した本作は、いつもひとりぼっちのネクラな男子・宮村伊澄(鈴鹿央士)と、優等生で明るい人気者の女子・堀京子(久保田)が、学校では見せることのないもう1つの姿をお互いに知ることで距離が縮まっていく青春物語。

久保田は「堀は自分の気持ちと裏腹なことを表面に出してしまう不器用な部分があり、そういったところは私自身と似ている」と共通点を明かし、「それでも堀はクラスの人気者で、自分ではキラキラしているつもりはないのに傍から見るとキラキラ見える存在。それをどう表現するかすごく悩みましたが、最終的には、誰とでも分け隔てなく明るく振る舞って生活しているんだなというところに行きつきました」と苦労したポイントを説明した。

役をつかめたきっかけを尋ねると、「撮影の序盤に学校のシーンが多く、宮村やほかのキャラクターと関わっていく中で徐々につかめた感じです。自分が堀に近づくのではなく、自分自身のままでいいんだと自分が受け入れ始めた段階で堀に近づけた気がしました」と答え、「それまでは、役を作ろう作ろうとしていた部分がありましたが、ありのままの自分をそのまま出せばいいのではないかと思った瞬間から楽になりました」と補足した。

ありのままの自分を出すことは、どの役でも大切なことだと、本作で気づけたという。「自分が演じる意味を考えたときに、自分の良さを出さないと意味がないなと、今回はっきり感じました。いきなり見た目が変わるとか、声が変わるということはなく、自分は自分。これからも自分らしさを大切にして役と向き合い、自分が演じるからこその良さが出せたら」と語った。

さらに、「日常生活の自分は他人のほうが知っている。他人が知っている久保田紗友の部分が堀さんとして表情に出ていて、自分ってこういう顔をするんだなと、新しい自分の表情を発見できた気がします」と話し、「ありのままの自分がにじみ出るものなんだなと。いい意味で作るのを諦めたのかもしれないです」と笑った。

役との向き合い方が本作をきっかけに変わったという久保田。「年下の方が多かったこともあり、自分がより一層現場を引っ張っていかなきゃいけないなという意識が芽生え、それも今回が初めてでした」と、本作は学ぶべきものが多かったようだ。

●悪役演技にも絶賛の声「似ている感情を引っ張り出して演じている」

『ホリミヤ』で、学校では明るい人気者、家では弟の面倒を見る家庭的な女の子という、応援したくなるようなキャラクターを演じているが、クールビューティーなビジュアルを生かして強い女性を演じることも多い久保田。『M 愛すべき人がいて』では、主人公アユをいじめるレッスンメートを熱演し、悪女も演じられる演技の幅に称賛の声が上がった。

『M』放送時、「悪女ポジション確立」「悪役開眼」などと評価されたが、久保田は「役として見て話題にしていただけるのは、役者としてありがたいですし、そこから名前を知っていただけることもあると思うので、うれしかったです」と反響を喜んだ。

役の幅の広さも感じたが、久保田自身は「役の幅が広がっているという実感はあまりない」と言う。「全部自分では知っている自分。もちろん、台本と向き合って作り上げていきますが、自分の中にある引き出しを開けて演じているので。例えば、悔しいという感情だったら、自分も悔しい経験はしたことがあるので、似ている感情を引っ張り出して演じています」と説明した。

また、「最近、もっと上を目指す貪欲さを忘れずに生活していきたいなと、心を改めました」と告白。納得できる演技に近づいてきたから伸びしろを感じにくくなったのかと思ったが、そうではない。

「満足する瞬間はない」と言い、「今までよりも名前を知っていただけているという実感はSNSなどを通じて感じますが、自分の実力が伸びているのかと考えたときに、自分にはもっと貪欲さが必要だなと。最近忘れかけていた感覚だと思う瞬間があります」と、貪欲にさらなる成長を目指す。

ちなみに、強い女性役のイメージがあるかもしれないが、久保田本人はとても穏やかだ。自身も「感情の起伏は激しくないですし、すごく平和主義だと思います」と言う通り、その人柄がにじみ出ている。

●高校卒業時に芽生えた覚悟「女優として生きていくんだ」

さまざまなドラマや映画で幅広い役を演じているが、役の切り替えはしっかりコントロール。「役にのめり込みすぎることはあまりなく、1日ごとにしっかり切り替えるようにしています。お風呂に入る、おいしいご飯を食べるなど、すごく単純なことですが、そういうことで切り替えられているのだと思います」と頼もしい。

2012年に女優デビューし、21歳ながら芸歴約10年。年齢とともに心境の変化はあるそうで、特に高校卒業は大きな転機に。「大学に進学しなかったので、いきなり仕事しかやることがなくなって。女優の仕事はすごくやりたい仕事なので、これで生きていくんだという覚悟が18歳のときに芽生えました」と明かした。

女優の醍醐味はどの作品でも実感。「一つ一つの作品の中で何かしら壁に当たり、それを乗り越えようとする。どの物語も人の人生なので起承転結があり、役者は1年間の中で何回もそれを経験できる。人生の中でそんな頻繁に何かを乗り越えることはないので、それを毎月のように経験できる役者の仕事は面白いなと感じています」と充実した表情を見せた。

特に、ヒロインを演じた映画『サヨナラまでの30分』(20)は自身の中で大きかったという。「素晴らしいキャストの方々とご一緒させていただき、ヒロインという大役を務めさせていただき、この作品によって自分自身のことを知ってくださる方が増えて、ほかの作品も見てくださっている方もいるみたいで、自分にとって大きかったかなと思います」

最後に、ありのままの自分を出して挑んだ『ホリミヤ』について、「学校は今思うと限られた世界ですが高校生にとってはすごく大きな社会で、それがすべてのようなところがある。その学校生活の中で、初めて人と何かをする楽しさだったり、好きな人がいるうれしさ、そして、仲間がいるからこそ自分も前に進んでいけるというのを感じられる作品です。不器用な人たちが多く、遠回りなこともありますが、それでも少しずつ前に進もうとする姿が甘酸っぱくて青春だなと感じて頂けると思うのでぜひ観て頂けたらうれしいです」と魅力を語った。

劇場版は公開中、テレビドラマはMBS/TBSドラマイズム枠にて2月16日より放送開始される(MBS 毎週火曜24:59~ TBS 毎週火曜25:28~)。

■久保田紗友
2000年1月18日生まれ、北海道出身。2012年に女優デビュー。NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』(17/NHK総合ほか)、『過保護のカホコ』(17/日本テレビ系)にて存在感を示し、『M 愛すべき人がいて』(20/テレビ朝日系)での熱演が話題に。現在は、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(21/TBS系)に出演中。主な映画出演作は、『疾風ロンド』(16)、『ハローグッバイ』(17)、『サヨナラまでの30分』(20)など。オムニバス映画『モルエラニの霧の中』が現在公開中。主演映画『藍に響け』は2021年5月21日に公開予定。

(C)HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・実写「ホリミヤ」製作委員会・MBS

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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