久保田秀敏、平野良の熱演が素晴らしい!舞台『文豪とアルケミスト』が人気な理由を考察した

こんにちは、こんばんは、おはようございます。

舞台観劇に人生を捧げているライターのSachi.です。

わたしにとって舞台は衣食住!

え?どういう意味かって?

つまり生きていく上で欠かせない必需品なのです。

しかも、最近はdTVなどの動画配信サービスやDVDなど、ご自宅でも気軽に舞台が見れちゃうんですよ!

この連載では、身近で視聴可能な舞台作品をおすすめしていきます!

名だたる文豪たちが現代に転生するゲーム

連載第四回にご紹介するのは、『文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌(エレジー)』。
俳優の平野良さん主演で、陳内将さん、久保田秀敏さん、杉江大志さんらが出演しています。

まずは原作となったゲーム『文豪とアルケミスト』についてご説明しましょう。

原作は大人気ゲーム『文豪とアルケミスト』。

『文豪とアルケミスト』はDMM GAMES製作のブラウザーおよびスマートフォンゲーム。

プレイヤーである「アルケミスト」は、太宰治、夏目漱石などの実在した文豪を現代に転生させ、それらの育成・収集を行います。そして、文豪たちの残した「文学作品」を消滅させようとする「侵食者」と呼ばれる敵を倒し、作品を守っていくゲーム。

文豪たちは一般的なイメージに近いビジュアル、代表作に基づいたビジュアルなどさまざまな姿で描かれています。

 

 

ストーリーの軸は文学作品と作品の出来た背景。

さて!ここからは舞台版のお話です。

『文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌(エレジー)』(以下文劇)は、太宰治と芥川龍之介の作品とその作品が生まれた背景や人間関係をもとに描かれた2.5次元舞台。

原作にもストーリーは存在するのですが、文劇は原作とは異なる完全オリジナルストーリー。劇中で原作に登場する専門用語の説明もしてくれるため、単体でも楽しめます。

 

 

あらすじ

物語の舞台は、日本のある場所に存在する図書館。

玉川上水で入水自殺をしたはずの太宰治(平野良さん)は、目が覚めると見知らぬ場所にいた。
あたりを見回すとそこには著名な文豪たち、さらに太宰が尊敬する芥川龍之介(久保田秀敏さん)の姿があった……。

一体どういうことなのかと頭をひねっていると、太宰たちは「侵食者」によってこの世から消え去ろうとしている「文学作品」を守るためにここに転生したと知らされる。

説明を受けている間にも侵食者の魔の手はせまり、芥川の作品のひとつ『鼻』が消滅の危機に。
尊敬する芥川の作品を消してなるものかと太宰は一直線に侵食者に挑んでいく……。

 

有名な文豪たちの人となりが知れる。

文劇に登場する文豪はどれも有名な人ばかり。
ただ、実際にあったとされている文豪同士の交流や人となりというのはなかなか知られていないものです。

また、活躍した時代や思想、掲載された雑誌によって「〇〇派」などの派閥があるのもイマイチよく分からないところ。

しかし文劇では、その「〇〇派」ごとの文豪たちの交流がわかりやすく描かれています。

たとえば、太宰治は「無頼派」という派閥に所属しているのですが、他に所属している織田作之助と坂口安吾とはずっと一緒に行動しており、非常に浮き沈みが激しい太宰を他の二人が支えているという構図で関係性も分かりやすいです。

芥川龍之介の圧倒的なオーラ。

 

 

今回、文劇のキャストの中でまず一番最初に目を引かれたのが芥川龍之介役を演じる久保田秀敏さん。
久保田さんは、『心霊探偵八雲』シリーズ、ミュージカル『憂国のモリアーティ』などにも出演していらっしゃる方です。

久保田さんが演じた芥川は、『羅生門』『地獄変』など有名作も多く、自身の名前が使われた「芥川賞」が存在するなど、この作品内ではもっとも知名度が高く重鎮ともいえる存在。
その知名度と風格を存分に感じさせてくれる久保田さんのオーラがすごかったんです。

 

 

落ち着いた佇まいで物静かだけれど、いざ「侵食者」に向かい合うと見事な立ち振る舞いでなぎ倒していく。
芥川の周囲を「尊敬しているんです!!」とにぎやかにかけずり回る太宰に内心困りつつも、本人の前では決してそのそぶりを見せず、太宰から「僕の作品を読んでください!!」と『斜陽』という小説を押し付けられても嫌な顔一つしない。

他の文豪たちとの圧倒的な格の違いを見せつける姿はまさに圧巻……!

しかし、この作品のなかで芥川は常にどこか寂しげで影を感じさせる存在なんです。
大きな行動を起こさずとも、徐々にその影が濃くなっていく姿をとてもていねいに表現されています。

あと、劇中に何度かタバコ吸っている姿が非常に色気がありました……!

しれっとすごい太宰治。

そしてやはり注目したのは、太宰治です。
太宰を演じているのは、ミュージカル『さよならソルシエ』など2.5次元作品の他、ミュージカル『FACTORY GIRLS』にも出演している平野良さんです。

原作で描かれている太宰は、元気な時はにぎやかすぎるほどなのに、落ち込んだ時はすぐに「死ぬ」といいだすような、浮き沈みが激しくちょっと面倒なキャラクター。
文劇においても常に落ち着きがなく、舞台上はもちろん、客席まで縦横無尽に駆け回っています。

 

平野さんはひざ丈ほどのロングコートを袖を通さず肩に羽織っているのですが、それをばっさばっさと振り回し、コートの長さを物ともせずに舞台上を駆けまわります。
そのあまりの自然さは、平野さんがコートを羽織っていることを忘れてしまうほど。

さらに、浮き沈みの激しさゆえ、テンションが上がってしまっている時のセリフ量が尋常じゃないんです。
それをよどみなくいうだけではなく、セリフ量の多さを感じさせることなく魅せてくれる平野さんの力量……。すごすぎます。

個性豊かすぎるキャラクターと文豪の人生がマッチングした舞台です。

 

 

文劇に登場する文豪たちはとにかく個性豊か。
先ほど紹介した芥川、太宰の他、酒豪だったと言われている中原中也は常に片手に酒瓶を持って、酔っぱらっているような状態。
ストーリーテラーのような役割の江戸川乱歩はミステリー作家らしく、侵食者という「謎」を楽しんでいる様子。
名前だけ聞いたことがある文豪でも、この舞台を見るとその人の出した作品が気になるかもしれません。

私も本は読むのですが、文豪たちの人となりについては詳しくなかったので、芥川と太宰の関係性には非常に興味がわきました。
また、文豪たちが送ってきた人生も物語の流れに添うよう随所にちりばめられていて、勉強になります。

文劇は、DVDが出ているほか、上演台本を収録した戯曲集も発売されています。
一度映像を見た上で台本を読んでみると、物語の理解度が深まって楽しいこと間違いなしです。
さらに特典として、太宰を演じた平野さんが書いた「太宰治にあてた書簡(手紙のこと)」も収録されているとのこと。

美しい音楽と個性豊かすぎるキャラクターたちが織りなす極上の舞台。
ぜひ一度ご覧ください!

 

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WRITER

  • Sachi.
  •        

  • 舞台観劇に人生を捧げる平成一桁生まれのフリーライター。生息地は都内各所の劇場。博品館劇場と明治座は心の実家です。

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