Reddit民がGameStop株爆上げ。未曽有のショートスクイズで一番儲けたのは…

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GameStop株祭り
CBS

ウォール街占拠から10年、戦いはリアルマネーに…って、そういう話なんかいな…。

ヘッジファンドに「素人」とディスられた個人投資家たちがRedditの投資掲示板「WallStreetBets」で団結し、大赤字のGameStopの株(GME)をわけもなく買いまくって1週間で8倍に押し上げる爆上げ祭りで逆襲。空売り勢が切りのショートカバー(買い戻し)を余儀なくされる異常事態に発展しています。

空売り筋の死神イーロン降臨


1月26日(火)には、昨年テスラの空売り筋に3.6兆円の損失を見舞った死神イーロンが降臨。「GameStonk!!!」と現象を面白がるツイートを流して火に油を注ぎました(StonkはStockを崩した造語。株で損する人を笑うときによく使う)。



これで27日(水)には一時157%高の380ドルに達し、2回も売買停止に。投資掲示板も投稿殺到で一時非公開になって株がびょ~んと落ち、公開後にまた戻るなどの乱高下となりました。

28日(木)になってやっとロビンフッドとインタラクティブ・ブローカーズが急騰銘柄の取引を制限したことで、一段落ついてきましたけど、いやあ、すごかったーーー。

未曽有のショートスクイズはなぜ起こったのか? Q&A形式で整理してみましょう。

WallStreetBetsって何?


WallStreetBets」はRedditにある投資フォーラムです。会員240万人。ここが中心となって、映画館のAMC、Koss、BlackBerryなど、落ち目の銘柄ばかりを買いまくりました。空売りされている銘柄の順に買ったみたいです。

ミーム株とは ?


このように決算度外視で、ネットのノリだけで意図的に釣り上げる銘柄のことをWallStreetBetsでは「ミーム株」と呼びます。目印はロケットのアイコン。これが出ると「買い」というわけですね。

過去には経営破綻のレンタカーHerz株もこれで爆上がりしました。投資アプリ「ロビンフッド」などが広まって、コロナの給付金を元手にスマホでゲーム感覚で投資する若者が増えているのも、こうした現象に拍車をかけています。

なぜGameStop?


GameStopは全米のモールや商店街にゲームショップを抱える大手チェーンです。ゲームがCDで発売されていたときには大盛況だったんですが、2000年代初頭から経営が傾いて万年大赤字続き。みな「ポケモンや遊戯王の全盛期には足しげく通ったなあ」とか「高校の友だちが店員のバイトしてたなあ」とか思い入れのある場所なので、閑古鳥の店の前を通るたびに少し寂しくなる…という思いは共通です。

それが「未来がない」ようなこと言われたもんだから、さあ大変。「こんなの買ってんのは株の素人。プロはショート(空売り)あるのみ」と空売りファンドのシトロンリサーチがYouTubeの投資講座で言っているのを見て、みんなムキッとなって逆を張った。これが引き金になりました。

リテール(小口)投資家の反乱


それじゃなくてもReddit利用者の間では、もともと企業価値の評価をもとに目標価格を一方的に付けて株価を動かす企業やヘッジファンドにうんざりしている空気があります。今回も面白半分のミーム株ではなく、個人に力を取り戻す革命だという声が少なからずあり、次のようなマニフェストも出ています。

ウォール街はマスコミを巻き込んで株を思うままに操作してきた。シタデルもMM(Market MakersというよりMarket Manipulatorsの頭文字だよな)も汚い手を使ってぼろ儲けしている。割を喰うのは国民だ。

素人考えと片付けるのは簡単だけど(TVで「サイコパス」と呼ばれているのも彼らは知っている)、ここまで影響力を持ってしまうと、そうとばかりも言ってられませんよね。

Reddit共同創業者のAlexis Ohanian氏も「烏合の衆の集まりではあるけど、団結力はみんなが考えている以上だ」とツイートしています。

損したのはだれ?


損したのは空売り勢です。ショートポジションを手放すほかなくなって大コケに。ほぼ壊滅状態と報じられています。

具体的な金額は不明ですが、ヘッジファンドのメープルレーンは33%マイナスに。メルビンも30%の損失が出て、シタデルとポイント72から27.5億ドル(約2850億円)の支援を受けました。シトロンキャピタル創業者のアンドルー・レフト氏は最新動画で「100%損失になった」と発表しています(家族が脅迫を受けてTwitterアカウントが乗っ取られかけてるそうで、Reddit民に理解を必死に求めている)。

損を出した分は何かで埋めなきゃならないので、大量に保有している優良銘柄など手放しますよね。で、火曜は株式市場が真っ赤っかになって、ほかの銘柄の小口投資家にまで損が波及したので、小口vs大口戦争で小口が大勝利!という単純な話でもないのでした…。

得したのはだれ?


もちろん「GameStopにコロナの給付金を注ぎ込んだら何倍もの価値に跳ね上がって、大学のローンを完済できました!」といったバラ色の報告も掲示板には続々と上がっています。革命に一番近い「いい話」。

でも一番得したのはGameStopの3大株主です。みなネットの話題性だけであれよあれよという間にビリオネアになりました。

GameStop株を2,300万株(3.4%)保有するジョージ・シャーマンCEOは、1年前に700万ドル(約7億円)だった株の価値が今や7.3億ドル(約762億円)。笑いが止まりません。

昨年1,200万ドル(約12.5億円)でGameStop株の5%を購入したサブプライム車両ローン会社創業者ドナルド・フォス氏も一気に5億ドル(約521億円)以上の価値になって、総資産がビリオン超え。昨年8、12月に7,600万ドル(約80億円)を投じてGameStop株の13%近くを買ったChewy創業者ライアン・コーエン氏も、ここ2週間は1時間ごとに4億円儲かるバラ色の日々でした。

1時間に4億円ですよ? どれも小口投資家一人ひとりのなけなしのお金。いやあ…小口の勝利なんて全然思わないわ…。

世紀のショート男、今度はロングで大儲け


あと、ついてる男はどこまでもついてるんだな…と舌を巻いたのは、『世紀の空売り ―世界経済の破綻に賭けた男たち 』 の主人公マイケル・バーリ氏です。映画『 マネー・ショート』でクリスチャン・ベールが演じた伝説のショートセラー。今回はなんとショートの逆で、GameSpot株をなぜか2.4%も抱え持っていました。どんだけツイてんだ!

まあ、Reddit民は「あのマイケル・バーリが持ってるんだから、そのうち上がるんじゃね?」と大いにインスパイアされた節もあるので、本人にそんな自覚はないにせよ、大元の仕掛け人と言えなくもない…。読みが当たってさぞかし喜んでいるだろうなあ…と思ったら、このGameSpot祭りはさすがに異常と感じたらしく、途中で手を引いたとBloombergに言ってました。

「法や規制の反動がくるかもしれない」とSEC宛てにツイートもしていますが、そちらは削除されています(転載はここ)。そう恐ろしくなるほど儲かったという認識でOK?

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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